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漫才論| ⁹³「しゃべり」や「演技」はうまいのに, 「漫才」がうまくならない人の問題点とは❓

「しゃべり」や「演技」はうまいのに,「漫才はあまりうまくない」という人もいます。そのような場合,原因は「聞く力」かもしれません。漫才がうまくなりたくて「しゃべり」の技術を磨く人はたくさんいますが,「聞く力」に注目する人はあまりいません。どんなにしゃべりや演技がうまくても,「聞く力」「聞いて反応する力」がないと,漫才はうまくなりません

初めて聞いたような感覚で
ちゃんと反応する

漫才には台本がありますが,台本通り超完璧にセリフを言っても,それだけでうまい漫才ができるわけではありません。それだと,しゃべりがうまくても,演技がうまくても,機械的な漫才になってしまう可能性が高いです

漫才で必要なのは,相手のセリフをちゃんと聞いて,それを初めて聞いたような感覚でちゃんと反応することです。漫才が苦手な人は,これが苦手な場合が多いのではないかと思います

これは,「初めて聞いたかのような演技をする」というよりも,「初めて聞いているような感覚になる」というかんじです。「演じている」という感覚が抜けない人は,あまり自然な反応ができないと思います。ではどうすれば,練習で何回も聞いているセリフを,初めて聞いているような感覚で聞くことができるのでしょうか?

初めて聞いているような感覚になる方法

まず,完璧にセリフが入っている状態にまでもっていく必要があります。相手が話しているときに,「次に自分が何を言うか」を考えてしまうと,相手の話をちゃんと聞けないからです

この状態で,本気で相手の話を聞いて,本気で言い返します。言い返す言葉は結果的に台本通りのセリフになることもありますし,相手が少し違うことを言えば,自分も少し違うことを言うことになります。この二人の「本気のやり取り」が,自然な漫才の「掛け合い」を生み出します

「自然な掛け合い」をいくら演じようとしても,自然な漫才の掛け合いにはなりません。「演じる」のではなく,「本気で言い合う」しかありません。どんなにしゃべりがうまくても,どんなに演技がうまくても,本気で言い合っている「自然さ」の域に達することはできないからです

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