正反対の生き方~後輩たちの歩み

去年末に、大学院時代の後輩2人に再会する機会がありました。後輩Aは見事に頭髪を不自由にしており、後輩Bは婚活に血道をあげていました。

それぞれが違った道をマイペースに歩んでいるのですが、その歩き方が正反対でおもしろかったので紹介したいと思います。特に、これから社会に出ていく若者には参考に……ならないですね!別に読まなくていいです!

頭髪と引き替えに胆力を手に入れた後輩A

後輩Aと会うのは、実に15年以上ぶりでした。久しぶりに会った彼は、ずいぶんとハg……頭髪が不自由な感じになってましたが、元気そうでした。

で、学生時代、私は彼のことを正直ナメてたわけですよ……あー、いや、分かってます。私のことを昔から知る人は「お前は特定の誰かとか関係なく、誰彼構わずナメてただろう」と言いたいだろうなと。

それにしても、彼はイジられタイプのドMだったこともあり、私は彼のポテンシャルを過小評価しまくりやがってたわけです。

ところが、久しぶりに会った彼は見違えるほどたくましくて、真剣に驚きました。最近どうしてる?みたいな他愛のない話をしても、その切れ味の鋭さが伝わってくるほどに。

なんでなの?
頭髪と引き換えに悪魔と取り引きでもしたの?
マジでそう考えました。

よく聞けば、新卒で入った大手企業が退屈で辞めて、次に入ったスタートアップで修羅場をくぐって結局コケた後、クロスコンパスに4人目の社員として入社して佐藤さん率いる百戦錬磨の経営陣の直下で修行し、いまは別のスタートアップでもがいていると。

「無事に春を迎えられたらいいんですけどね〜」とヘラヘラ笑ってましたが、一児の子を持つ父親としてのプレッシャーもあるだろうに、見上げた奴だなとちょっと感心したわけです。

で、何が彼をここまでパワーアップさせたのか?

確実に言えることは、頭髪グッバイを加速させるほどの強烈なストレスがあって、それが能力ストレッチをもたらしたのであろうということです。

いろんな要素が働いた結果として人間はその能力を様々な方向に伸ばすわけですが、ざっくり言うと「能力の高い人の下で裁量と責任を持って苦労する」というタフな経験が最も効率よくポテンシャルを引き出すことを、私は経験的に知ってます。

ストレッチの代償として、ハg……頭髪が不自由になったなら、やっぱり悪魔と取り引きしたんじゃないかと勝手に納得しました。

最近はリモートワークが多くて打ち合わせも Skype でやるそうですが、上からのアングルだと散らかし具合が情けないので、下からのアングルになるように必死でカメラのセッティングを工夫してるそうです。

このあたりのアホさ加減は昔と変わってなくて安心しました。悪魔と取り引きしたんだから、開き直ればいいのに。

ところで、学生時代に彼と約束したことがあるんですよ。私が「文章書くのが得意やから、将来必ず自分の本を出すんや!」と言ったら、「そんなことできたら、藤田さんを家に招いて最高級メロンを献上して食べ終わるまで正座して見てますよ〜」と言いやがりました。

なので、「絶対やぞ!忘れるなよ!」としっかりと約束したのに、彼は見事に忘れてました。頭髪と一緒に記憶まで抜けたのかよ!

もはやメロンはどうでもいいので、彼には私の本を自費で100冊くらい買ってもらい、販売行脚に出てもらうと新橋のルノアールで合意に至ったので、ここに記録として残しておきます。

というわけで、皆さま、引き続き拙著をよろしくお願いします。頭髪の不自由な人が売りに来たら、彼を追い払って Amazon でポチってください。

追記1:Amazon のレビューで星5つのレビューを投稿した神が降臨しました。どなたか存じ上げませんが、ありがとうございます!

美人の恋人を手に入れた後輩B

後輩Bは、大学院を修了した後、誰もが知る超大手優良企業に新卒で就職し、いままでずっとそこで働いてます。

悪魔と取り引きすることなく頭髪を残し、優良企業でダラダラと高給を食む様を自嘲してましたが、彼の目下の悩みは婚活でした。

人づてでそれっぽいことを以前から聞いていたので、彼の悩みは意表をつくどころか、まだやってたのかコイツという印象でしたが、彼は真剣です。ここで笑ってはいけない。

人間的なスペックは別として、社会的なスペックは非の打ち所がないので、適齢期の女性からすれば間違いなく優良物件なわけですよ。

人間的なスペックを別にすれば。人間的なスペックを別にすれば。
大事なことなので2回言いました(太字で)。

なので、婚活サイトとやらで相手を探せばぞろぞろ美人が来るらしく、ある時など、綾瀬はるかと見間違うくらいの美人が待ち合わせ場所にいたそうです。

なんやねんそれは!羨ましい!私も綾瀬はるかとデートしたい!紹介しろ!と机をドンドン叩いたところ、その後 LINE を未読スルーされているらしく、羨ましいやら、残念やら、情けないやら、もうなんというか、お前は一体何をしてるんだ状態。

その会合の前日にもとびきりの美人と会っていたらしく、夜に2人で酒を飲んだ後、カップルで盛況な日比谷のイルミネーションに行きながら、手すら繋がないままお開きになったそうな。何しにイルミネーション見に行ったんや!

挙げ句の果てには「昨日美人と飲み過ぎて二日酔いなんで先に帰ります」と言って、新橋のルノアールからそそくさと出て行って、残された私とハg……頭髪の不自由な後輩がボソボソと2人で話をするという意味不明なフォーメーションになったわけです。

で、具合の悪そうな彼に向かって、私はこう言いました。「婚活として会ってるってことは向こうもそれなりの心づもりで会いに来てるんだから、もっと攻めろ」と。

攻めて拒否られたら諦めて次に行け。後からぞろぞろ美人が来るんだろ?ああ、羨ましい!!などと羨望を込めて……。

その後、その美人とクリスマスイブにデートの約束を取り付け、なんと付き合うことになったそうな。ミラクルかよ!

……まあ、なんというか、開き直りが大事なことってあるんだなと。絶対コイツでないとダメだと思い詰めるとキモさが出て相手に引かれるけど、コイツがダメでも次はいくらでもあると開き直ればうまくいく。これってわりと普遍的なことなんじゃなかろうかと。

例えば、私は日本の解雇規制を緩和すべきだと考えてるんですが、これも似たような発想です。

組織と個人が対等な立場で「コイツがダメでも次はいくらでもある」と考えられたら、皆がもっと自由になれるんじゃないかと。「辞めさせやすく、雇いやすい」「辞めやすく、雇われやすい」、これが社会全体として最適なんじゃないの?

などと考えていたら、ミラクルを起こした彼がそのミラクル自体を疑ってて、もうダメだ、これ以上世話は焼けん。ただし、本当に結婚したらその手柄の一部は私によるものなので、「最高来賓者」として丁重に扱うように。

追記2:同僚経由で、彼女はちゃんとした社会人で、ミラクルは本物だったことが分かったそうです。よかったな!くそったれ!!

追記3:その後、わりとすぐに「婚約しました」の連絡が。おい、ちょっと待て、いくらなんでもそれは早すぎやしないか……と心配になったけど、まあ、うまくいくときってそういうテンポ感で進むものなのかなと。とりあえず、おめでとう。「最高来賓者」ヨロシク。


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藤田 肇

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