こんにちは、株式会社藤田商店　本社　ガス部の矢野です。
今回は、最近新築物件での採用実績も右肩上がりのハイブリッド給湯器をご紹介します。この記事をご覧の皆さんも、自家用車はハイブリッドという方は多いのではないでしょうか。

ハイブリッドのメリットは、異なる特性のものを組み合わせることによって、お互いの長所を生かしつつ短所を補い合い、高い完成度を実現できる点にあります。

では、皆さんは『ハイブリッド給湯器』をご存知でしょうか？
『ハイブリッド給湯器』がどんなものかというと、空気の熱を活用した電気の『ヒートポンプ』と省エネ型ガス給湯器『エコジョーズ』を組み合わせて最高レベルの省エネ性を実現した給湯システムです。

『ヒートポンプ』とは少ない投入エネルギーで、空気中の熱エネルギーを集めて大きな熱エネルギーとして利用する技術で、エアコンや冷蔵庫、最近ではエコキュートなどに利用され、エコキュートでいうとエアコンの室外機のような部分で、非常に省エネ性が高く、またＣＯ₂排出量も大幅に削減できます。

『エコジョーズ』とは、今まで捨てられていた排気の熱を、あらかじめ水の余熱に使うことで、炎の熱を有効に使うことで高効率化したガス給湯器です。
従来のガス給湯器の排気温度は約200℃ですがエコジョーズの排気温度は約50℃で150℃の差が有り、この差の分だけ無駄をなくした優れものということになります。

『ヒートポンプ』のみを使ったエコキュートの短所は、お湯を沸かすのに時間がかかるため大きなタンクに実際に使うよりもかなり熱いお湯を、かなり大量に貯めておかなければならないことです。
使わない分までお湯を余分に沸かすことになるのと、お湯を長時間貯めておくため放熱ロスも多くなることでエネルギーの無駄が多くなります。

そこで『ハイブリッド給湯器』ではエコキュートと上記の『エコジョーズ』を組み合わせて短所を補っています。
基本的に使うお湯は『ヒートポンプ』で作りますが、『エコジョーズ』で瞬間的に熱いお湯が作れるので湯切れの心配が有りません。そのためタンクを小さくでき、余分な湯沸かしが大幅に減らせます。
エコキュートのタンクは370Ｌ～600Ｌくらいですが、ハイブリッド給湯器のタンクは50Ｌ～160Ｌでかなり小さくて済みます。そしてタンクが小さい分、表面積が小さくなるので、表面面からの放熱ロスも少なくなります。

また、お湯は温度が高くなるほど大気との温度差が大きくなるため放熱ロスが大きくなります。エコキュートでは貯湯の温度は通常65℃～90℃ですが、『ハイブリッド給湯器』では必要ならすぐにガスで加熱できるためおよそ45℃～55℃です。『ハイブリッド給湯器』の方がかなり低いためここでも放熱ロスが少なくなります。

このように、『ヒートポンプ』の省エネ性を生かしつつ、『エコジョーズ」で欠点である湯切れの心配を無くし、余分な湯沸しや、放熱ロスを減らして一次エネルギー効率を向上させて業界最高レベルの省エネ性を実現したのが『ハイブリッド給湯器』です。

『ハイブリッド給湯器』はエコキュートを超える一次エネルギー効率を持つがゆえに、ゼロエネルギーハウス（ＺＥＨ＝ゼッチ）を推進する大手工務店での新築住宅でも近年採用が増えているのです。

今回は、『ハイブリッド給湯器』についてお話ししました。
長梅雨で蒸し暑い日が続きますが、体調に気を付けて頑張りましょう。

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