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『小町花伝』能楽堂公演/稽古記録(7)

稽古7回目。
自分の備忘かつ、チームでのアーカイブ的に『小町花伝』の稽古毎に記録をつけます。
相変わらずネタバレごりごりなので、公演を新鮮に楽しみたい方は、絶対に見ないことをおすすめします!
情報舐め回したい奇特な方だけ、稽古場見学のつもりでお読みください。
(特に丁寧な説明もなく、ごりごりのメモでございます。)

還暦こまち〜ず、について、
コアをもう少し探ろうという日。

この日は、福田さんから藤原がお面を受け取るためちょっと遅れて参加だったので、俳優陣でアップ考案をお願いした。
稽古場に着いたらすごくいい感じだった。岩渕さんの第二層の話と通じそうな。今の自分達の筋肉量でも、全身が連動するだけで強度は全然変わるな、と思った。

[シェアの時間]
還暦をやるにあたって、蕗子から最近年配の方に聞いた話をシェアしてもらう。
・自分は変わらないのに周りが変わって行く感じ、というのがキーワードになりそうだった。
・さっちゃん“寂しさ”よりも“求められないことへのコンプレックス”を抱えている、とするほうが理解しやすいかも
・途中で障害を持つことになるしんどさと、もともと障害があるしんどさって全然違う。“当たり前だと思っていたことが変わってしまう”、ということの辛さが老いにもあるんじゃないか。
・老いの身体ーどこか身体的に意識をするだけで違うかも、太一さんのWSでやったみたいな
・うつろうーうつろい続けている身体をつくるのはどう?ー小町ちゃんとかいいかも、きちっといようとするけどいられない


[花の色移ろいワーク]を試してみる。
◯真ん中に女ひとり、男、はすから対角線に向かって直線に歩く。8の字に。繰り返す。始点に戻るたびに、女の年代が0→10→20と、カウントアップされる。

・自分の精神状態でいくと、相手に求めない。欲求をもってみないとむずい。
・カウントアップだと受け入れちゃう
・恋ー乞うというのは、パイのピースが欠けてる状態。欠けてる状態作る?
→最初、母として抱く、というところから始める。
・男をどう捉えるかが年代によって変化した。20代ー男、30代ーたくさんの中の一人、40代ー離婚した旦那、50代ー一人で生きていける、60代ー後何年生きられんねやろ、70代ーいよいよ身体不自由。人としての接触求める、80代ー自分の身体じゃない、90代ーコントロールが効かない。過去のことばかり思う。
→やはり、受け入れてしまう、ので難しい。老いていくというだけになってしまう。あと、男を誰とおくかがむずかしい。

検討して、再ワーク
[20代の花の時代と、60代の2つを比べてみる]
◯20代ー面をつけた男たちが、いろんな身振り(握手を求めたり、肩に手をまわしたり)女に愛情表現を示す。60代ー男たち、ただ通りすぎる。
あったものがなくなると、自然と欲求が生まれた
・還暦こまち〜ずは、いけてる3人だったんじゃないか
・心はフリーハグ求めてる感じになるといいのかも
・60代の階段はもうすでに始まっている、20代のころに女だからといって求められていた感じがすでに変わっている
・交番のお兄さんに行く感じがわかる
・バブルを体験した感じ

[花の色は]20代当時、として歌う、60代になってから歌う、を試す
・60代での歌い方がこれまでと全然変わった
・身体は現在だけど意識は過去にいってるんだ

[還暦こまち〜ず]発話の歌舞伎かたについて
・この前ほど歌舞かなくてもいいのでは?
・自然と発話する声の低さで実践→それぐらいが面白そう


《藤原振り返り》
還暦、やっと根っこが落ちた感じがした。かつて当たり前にあったものが、なくなることへのどうしようもない寂しさ、それを言ったところで始まらない、歌って笑うしかない。歌、がとても大事。
発話も、少しリアルなトーンに落とすだけで説得力が増す。テキレジは少しでいい。
お面の扱い、もうちょっと検討したい。

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