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『小町花伝』能楽堂公演/稽古記録(6)

稽古6回目。
自分の備忘かつ、チームでのアーカイブ的に『小町花伝』の稽古毎に記録をつけます。
相変わらずネタバレごりごりなので、公演を新鮮に楽しみたい方は、絶対に見ないことをおすすめします!
情報舐め回したい奇特な方だけ、稽古場見学のつもりでお読みください。
(特に丁寧な説明もなく、ごりごりのメモでございます。)

還暦こまち〜ずをそろそろ触ろう、という日。

開始が遅かったので、ウォームアップは省く。
そのかわり、能楽堂でどの位置でどう動くとどう見えるのか、というのを、
ペアで歩いて実験。

[ペアで歩く]気づいたこと
・中途半端な位置だと、だいぶ気持ちわるい。狙うところは、センター、左右前奥、決めたほうがいい
・後ろ向きに立つ、座るの強さー老松に向かう
・板の目の向きは影響する。前ー奥のほうが移動しやすそう、上下だと“渡る”という感じ
・旋回、はいい。でも蛇行はエネルギーが相殺される。
・人についていく、というのが面白く映える
・ゆっくりした動きは強い
・視線が合う/合わないの差
・ゆがみが欲しくなる
・ぐらつくのもいい
・空気の流れを感じるとき、いい。

ずっとやってなかった還暦こまち〜ず、久し振りに着手。
[還暦こまち〜ず]一回目
・ずっと座りだと難しい、立てるタイミングあるほうがいい
・歌は面だけだと寂しい、どう位置どる?
・花とケーキ、実物出すかどうかー現実感はあったほうがいいんじゃないか
・幕は誰がやる?
・能楽堂の場所を、何ととらえる?
・幸子「ハリを取り戻せー」良かった
・還暦のマントルはなんだ?
・交番のお兄さん、はしがかりin引き返しとかいいかも
・アフリは切戸ありか?切戸は、本舞台の境で切り替えがないと気持ち悪い。“透明な幕後ろ”な感じ

久し振りの還暦こまち〜ずは、他のものに比べて手強そうだったので、
「夢路」「花の色は」のように、根っこを身体で考えるワークを試す。
[通りすぎる男ワーク]
◯男が通りすぎる。女は、笑うか歌うかしかできない
・なんか難しかった
・欲求が生まれにくい、人に会えない寂しさ、というふうに置けば寂しい身体にはなる→そう思うと、還暦たちの温泉旅行は楽しみかも
・アクションしたときに返ってこないのは寂しくて、別に大丈夫やし、という感じになる
・男性を個人と捉えるか概念と捉えるか難しい

[通りすぎる男ワーク ver2]
◯男たちが通りすぎる。女二人、コミュニケーションは、笑うか歌う。
・女たちの連帯感
・でもやっぱり男達の捉え方が難しい
・男からアクティブな攻撃があるのは違うかもしれない

[還暦こまち〜ず]2回目
・アフリが座り位置開いてとってくれたー座り前半だけだったら多少開いてたら全然いけそう
・花の色は、歌うときのその年齢のころの自分に入っちゃってる感ほしい
・テキレジやっぱり必要か
・マントルに触る感じ難しい
・歌の振り付けが難しくしてる?


《藤原振り返り》
還暦こまち〜ず、案外手強い・・・・。
抽象じゃなくて、あくまで舞台、として昭和な芸能のノリで能楽堂を使ってみたい。テキレジは少しは必要だと思うけど、最後の台詞の香り方を印象づける、ぐらいのマイナーチェンジで良いんじゃないかと思っている。
男通り過ぎるワークで、わたしはずっと泣きそうだった。(みんなはそうでもなかった)その理由を考えて、みんなにLINEをした。
“今日泣きそうになったの何でなんだろうなーって考えてたんやけど、
おばさんがどうとかっていうか、
体がうつろっていくこと(それによって変わってしまうこと)に、切なくなってしまったんだ、と思った。”
アフリカらの返信
“身体がうつろう¨って興味深い。
四編全て¨身体がうつろう¨ってんじゃないかな。
¨夢路¨
欲情してしまう身体へ→男(暴力)に対しての認めたくない渇望
¨小町ちゃん¨
戸惑う身体へ→性というものを認識できないから無意識でどこか模索
¨還暦こまち~~ず¨
諦めきれない?てる?身体へ
→老いていくことへの身体の変化を認める
¨花の色は¨
憑依してしまう身体へ?→忘れられない過去への執着がへばりついている”

アフリのメッセージを見て、
『花の色は』の歌詞の元、小野小町のこの歌
「花の色はうつりにけりないたづらにわがみよにふるながめせしまに」
は、小町ちゃんだけじゃなくって、すべての登場人物のキーワードになるんじゃないか、と思った。

特に、還暦の登場人物は、“移ろう”をもっともビビッドに感じる年代なのでは。
次回は、“移ろう”にまつわるワークをしてみよう。


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