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『なぜ印刷屋が日用雑貨のポップアップをやるのか』

こんにちは。藤原隆充です。

藤原印刷はこれまでに「印刷屋の本屋」「印刷工場のオープンファクトリー」を筆頭に、図書館や書店での展示、デザイナーや詩人とのコラボレーション企画展などなど、様々な企画イベントを実行してきました。

どれもすべて「印刷のおもしろさを届けたい」という共通の目的がありました。思っていた以上の反応や成果もあり、これからも継続していく所存であります。

一方、天邪鬼な性格である自分の中に”新しいことを仕掛けたい虫”がムクムクと湧き上がり、ついには抑えきれなくなっていました。


■印刷屋の資産とは何か

常々、藤原印刷のアセット(資産)は土地、工場、機械のような固定資産だけではないと考えていました。その一つは社員(人)であります。そしてもう一つ、それは関係値(つながり)です。

印刷屋はその商売の特性ゆえ、誇張すると、地球上のあらゆる方と繋がるチャンスのある仕事です。私たちの年間トータルの仕事件数は約5,000です。再版と呼ばれるリピートオーダーもありますが、7割以上が新規のお仕事です。お客様の中にはお寺もあれば大学生もいます。政治家もいればスタートアップの経営者もいます。ジャンルレスでカラフルなお客様たちとの日々は刺激的で新しい発見に溢れています。自分たちの世界を広げてくれます。

また、印刷物はもちろん一人でも完結できますが製作のために様々な役割の表現者さんがチームを結成し力を合わせることが多いです。例えば…デザイナー、フォトグラファー、イラストレーター、ライター、編集者、校閲者、プランナー、ディレクター、などなど。

”良いものをつくる”ために集まった個性豊かなお客様や表現者さんとのつながり(=関係)、これこそ藤原印刷の最大であり最強の資産です。


■価値を提供できるのは制作物だけなのか

文字通り印刷会社としては、印刷物を納品すれば責務を終えます。ただ一度築いた関係が終わることはありません。連絡は取らなくなったとしても心の中には残り、応援し続けています。

次の印刷物があるのか、あったとしたら何時あるのか、それは自分たちには分からないことで待つしかありません。ここが受注産業の苦しいところです。

であれば、自ら機会をつくればいいじゃないか。しかも印刷物ではなく、お客さんの本業の商品やサービスを紹介できる場を。その素晴らしさを自分たちは知っているのだから。印刷会社が起点となることに違和感なんてないし、むしろ極めて自然な流れだと考えました。

だったら....…

「お店できちゃうんじゃないの!?」


こんな思い付きからはじまったのが本企画です。思いついたら即行動。あとはノリと勢いです。

■利益よりまず徳を積め

業績へ影響があるかどうかわかりません。むしろ期待していません(経営者としてどうかと思いますが…)。

まず、お客さんが喜んでくれたら嬉しい。次に、良い商品と生活者との新しい接点がつくれたら嬉しい。さらに、イベントに関わる方々が楽しんでくれたら嬉しい。
すでに3つの嬉しいがつくれます。それで良いです。事業だからと言って全方位で利益を求めなくても良いはずです

世の中に必要なものやサービスとは「なくなったら困るもの」だと思います。困るには程度があります。水やスマホのように必要不可欠なものだけではありません。個々人で考えれば、本や服など嗜好性の高いもの、旅行や外食など体験もあると思います。

善い行いを積み重ねることが、牛歩のように少しずつ「なくては困る」に近付く道になると考えます。本業の印刷を通してやるのは大前提。それとは別に「印刷とはつながらないけど善い行い」、これがむしろ大切なのではないかと思うのです。


■スペシャルサンクス

準備はほとんどVEJ山梨の清水さんと宮沢さんがやってくれました。突拍子もないアイデアに前のめりに賛同協力してくれたVEJ山梨の皆さん本当にありがとうございます。おかげで素敵なレイアウトに仕上がりました。

クリエイティブはトンボロデザインの若岡さんです。”日用品と雑感の店”と聞くとオシャレなセレクトショップを想像しちゃいますが、そうはなりたくなかった。昭和の時代にたばこを売ってたスタンドや町中にあった何でも屋のようなカジュアル感と高いクリエイティブ性を表現していただきました。

「印刷屋がやってる日用雑貨店」なんて自分は聞いたことがありません。どこかで見た聞いた触れたことがある商品だとしても、印刷屋プロデュースだと何か変わるのか。どんなお買い物体験になるのか。ぜひ現地で味わってみてくださると嬉しいです。


◆出店者紹介
・木村石鹸 
・草譯 
・そればな
・鎚起銅器 大橋保隆
・堀田カーペット
・やまとわ

◆期間
4/18(木)~5/18(土)
のうち木金土曜日
13:00~19:00
※曜日指定ありますご注意

◆場所
カルチャーショップ&スペース 文化沼
山梨県甲府市中央1丁目7−14 パリスビル 2階

◆イベントURL
https://bunkanuma.jp/schedule/1113/



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