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作るよろこび!『クラフトプレス』推進宣言!!

こんにちは。藤原印刷の藤原隆充です。
個人やスモールチームが本をつくる仕事が増え続け、10年前と比べてその分野の売上が300倍以上に伸びました。それで2022年の11月30日にいきなり思い立って「クラフトプレス」という言葉をX(旧Twitter)で発信。


共感してくれる方が少しずつ増え、2023年3月10日に渋谷ヒカリエでHuuuuさんとcampさんと「クラフトプレス ミーティング」を開催させていただきました。

それから半年、とどまることのないこの潮流を推し進めていくことこそ僕たちのミッションであることを確信し、本日「クラフトプレス推進宣言」をします!



■2000年から右肩下がり。起爆剤なき日々。

クラフトプレスへ行きついた背景をざっくり話したいと思います。
まずは会社の紹介から。祖母がはじめた家業の印刷業は本を制作する出版印刷がメインです。創業の1955年から時代を駆け上がり高度経済成長と共にどんどん会社も大きくなりました。様相が変わってきたのはちょうど2000年。デジタル化が叫ばれはじめ、右肩上がりの業界がくるっと右肩下がりに180度転換しました。それから今まで20年以上、業界が上向きになることはありませんでした。

2000年以降、「小ロット多品種」「電子書籍」と時代のニーズに応えるための設備や人材を投入しましたが、結果はいまいち。そこそこの成果はあるものの起爆剤としてのパンチ力には欠けるものでした。それでも毎日の予定表には印刷予定がずらっと並んでいて、忙しい現場を前に、未来への漠然としたもやもやを抱え続ける日が続いていました。



■外に出て世界が変わった

15年前まで藤原印刷の得意先の90%以上は出版社で、企業と企業のいわゆるBtoBビジネスでした。個人の方からのお仕事を意識してしてこなかったわけではありませんが、工場に来られるのも接するのも特定のお客様に限られていたと思います。

潮目が変わったのは2018年。個人の本づくりの実績が増え、紹介や引き合い、問い合わせが増えていった時期でした。そこでご縁を頂き、創業以来初の自社企画展を山梨で開催。「印刷物に直接関係を持たない方々がこんなに来てくれるとは!」と驚きました。矢継ぎ早に2019年、お客様からのリクエストがあり、本社工場を解放したオープンファクトリー“心刷祭”を開催。1日だけでしたが400人以上の方々が県内外から訪れて頂きました。

イベントを行うたびに「本を作りたい」人たちとの出会いが生まれ、“クラフトプレス”が増えていきました。「本をつくるのは出版社」という固定観念から「どんな人でも本はつくれる」へと自然に変わっていきました。


■クラフトプレス=つくる喜び

クラフトプレスという言葉を思いついたのはクラフトビール・クラフトジンからの影響です。
ラガーしかなかった市場に味もラベルも個性的なクラフトビールが登場し「これもビールなんだ」とビールへのイメージが拡がりました。ジンもカラオケや居酒屋で頼むジントニックしか知らなかった中、様々なボタニカルや瓶の形まで特徴的なクラフトジンを知った時は衝撃でした。

個性的で特徴的、型にとらわれず、自由でその人らしい。そんな本づくりを目の当たりにし、「クラフトビールやクラフトジンと同じだ!」と気付いたのです。

本は本でもクラフトブックにしなかったのは、"本を作る行為"が最も面白いと感じたからです。印刷会社だからこそ本を読む以上に、本を作ることに触れる機会の方が圧倒的に多く、本づくりをしている人たちが楽しんで、輝いて、かっこいいなと何度も何度も感じていました。

だから、作り手の熱量が込められた本づくり=“クラフトプレス”なんです。数の多い少ない、大きさやページ数などの仕様やジャンルなどは関係ありません。本をつくる喜びこそクラフトプレスの代名詞だと思っています。


■日本中のクラフトプレスと出会いたい


熱っぽく語ってきましたが、本づくりはハードルが高いことも事実。「こだわって本をつくりたい」「自分らしい本をつくりたい」と思っている人は世の中にめちゃくちゃ沢山います。ただ同時に「どうすれば作れるかが分からない」ゆえに止まってしまう人も沢山います。この現状をどうにかしたい。

日本中の本をつくりたい人たちと繋がるために「クラフトプレス」を掲げ、これまで以上に活発に動いていきます。もしも近くに本をつくりたい人がいたらこのnoteをぜひシェアしてください!

信頼するセプテンバーカウボーイ吉岡さんに頼んで最高のロゴを作ってもらいました。これがクラフトプレスの旗印です!


■12月16日(土)神楽坂でキックオフ

クラフトプレスを掲げた一発目のイベント「クラフトプレス スタンド in 写場(神楽坂)」を12/16に開催します。

これぞクラフトプレス!」超スペシャルな5組が集結します。パッと立ち寄ってパッと帰るぐらいの気持ちでOKなので「スタンド」と名付けてます。会場になる協力会社の望月製本さんがはじめたギャラリー兼フリースペースも良い感じなのでフラと遊びに来てください。


これまで70年、本に支えてもらった会社です。
これからは本をつくる人を増やすことで貢献していこうと思います。

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