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【なぜ私達がアニソンイベントを開催するのか】

この度、私達はベトナムで初の試みの「アニソンフェスティバル」を開催することにいたしました。

2023年8月4日(金)に、ポケモン主人公サトシの声優でもあり大御所アニソン歌手の松本梨香さんをお招きし、『日越友好アニソンフェスティバル2023ホイアン』を開催いたします。


日越友好アニソンフェスティバル2023 ホイアン


今までアニメ界隈に全く関係なさそうな私がなぜこの度アニソンイベントを開催することになったのか。
それはずばり、母国、日本に対する想いです。
ベトナムに住み始めて8年目、この超親日国ベトナムで感じつつある、この国の中での日本のプレゼンスが年々下がっている気配。

かつてはベトナム人で日本を目指して働きにきてくださった方がたくさんいらっしゃったのに、今となってはあえて日本で働こうとする方は少ないのが現状です。円安の影響も大きいですね。このままでは日本はベトナムという友好国からも忘れられてしまうのではないかという懸念は、日々大きくなっています。

そんな中私事ですが、ベトナム人の夫と知り合いまして2年前に国際結婚いたしました。夫は知り合った時から日本大好きな超親日家。夫がそうなったきっかけは、日本の「アニメ」と「ゲーム」です。
夫が珍しいわけではなく、夫の周りの人達も「Wibu(ウィーブー:日本オタクの外国人を若干揶揄して言う呼称。けれど本人たち自身もよく使う)」だらけなんですよね。日本のアニメのことなどは、私達日本人よりもずっと詳しかったりする。
このご時世、あえて日本で働こうとしてくれる方、日本語を勉強しようとしてくれる稀有な方々は、正直ほぼほぼアニメから日本に興味を持った人たちです。概して、「日本の工業製品に惚れて」とか「日本のODAに感謝して」とかいう理由ではありません。
アニメで日本語や日本の文化に興味を持ち、そこから日本のことを好きになってくれた、そんな方がほとんどです。

お隣韓国は国を挙げてエンタメ産業を輸出して、国家のイメージ戦略に成功していると思われます。
日本も、外交ではベトナムと良い関係を築いておりますが、では民間レベルで本当に日本の印象を上げてこられているかというと若干疑問です。

でも、Wibuの皆様の日本への熱い想いはどうでしょうか。夫や夫の友人も、日本語が話せなくても日本のアニソンをカラオケで歌ったりしていましたし、ハノイのコスプレイベントでは会場に入りきれないほどの入場者が集まる状況。戦隊もののコミュニティもあり、仮面ライダーファンらが日々その愛を語ったりもしています。オタクは万国共通、その推しへの愛にブレはありません。
日本のアニメ等から日本に近しさを感じ熱狂的に愛してくれている人たちがこんなにも多いのに、その価値をあまり実感できていない私達日本人。実は今や世界で最も知られている日本の立派な「文化」となっているアニメ。
私は今まで、着物や日本の伝統などを通して日本の文化を世界に伝えたいと思ってきていました。ですが、夫含め多くのベトナム人と接することにより、アニメこそ日本の文化を伝えるのに非常に大きな役割を果たしていると実感しました。そして、それを私達が誇りをもって更に伝えていかないでどうする、といった気持ちも生まれてきました。

また、アニメとは切り離すことのできない「アニソン」。私達には、小さなころから思い入れのあるアニソンが必ずありますし、それも1曲や2曲といった程度ではなく幼少期や青春を多くのアニソンが彩ってきたと思います。歌詞を見ても、アニソンは「愛」「夢」「仲間」「勇気」「信じること、諦めないことの大切さ」など、世界中で普遍的な意味を持つものが多いはずです。そのためかアニソンの人気は世界に広がっており、現在世界で最も聴かれている日本の曲は「アニソン(アニメの主題歌等に使用されている曲)」だとも言われています。

現在私が住むベトナムでは、検閲があります。今まで日本の芸能もベトナムで興行やイベントを行うことはかなりハードルの高いことでした。実際、民間レベルで日本のアーティストのコンサートなどはほとんど行われてきませんでした。
ですが、先ほど申し上げたように、歌詞の内容も普遍的な内容で検閲に触れることが少ないであろうアニソンは、ベトナムの市場にも非常にマッチしていると思うのです。
そして、ベトナムのWibuの方々を増やしていくため、今後の日本の印象や日越の友好のためにもとても可能性があり重要なコンテンツだとも思うのです。

そこで、私達はあえてハードルの高い「日本のアニソンアーティストを呼んでコンサートをする」という挑戦をすることにしました。そこでお招きしたいと思ったのが、ポケモン主人公サトシの声優で主題歌「めざせポケモンマスター」の歌手でもある大御所の松本梨香さんです。

特別ゲスト 松本梨香さん


ベトナムでもポケモン人気は言わずもがな。夫も幼少期からポケモンゲームとアニメで育ってきました(世代ギャップは見ないふりをする)。サトシ引退の際にTHE FIRST TAKEで松本さんが歌った「めざせポケモンマスター」は最速13日間で1000万回再生を突破したとして話題になりました。


そのコメント欄を読んでも、世界中でポケモン・松本梨香さんが愛されているのが実感できます。またベトナムでは今でもポケモンGoのイベントの際に多くの人が集まったりもしています。

当初は松本さん単独のコンサートを計画しましたが、やはりこの国で外国人アーティストが興行をするということの難しさ。イベントの開催許可を取るのも、かなり時間と費用を要し、また確実性が無いという判断になりました。
そんな私達に、ある企業からの推薦でホイアン市のご協力を得られることになりました。
ホイアン市は、500年前に日本人街があったという日本と非常にゆかりのある地です。そんな場所で日本のアーティストのコンサートを「日越外交樹立50周年」の記念の年に開催できるようになるとは、何かの縁を感じずにはいられませんでした。
ただし、開催が決定するまでにはやはりかなり時間を要しましたし、非営利のイベントですのでチケット販売はかないません。開催の日時も迫っている中、ご協賛やクラウドファンディングでのご協力をお願いするしかありません。

私達は、このアニソンのイベントを単発で終わらせるつもりはありません。今回ホイアン市や皆様のご協力をいただきイベントを成功させ、ベトナムでアニメやアニソンの人気を更に高めていくこと。日本の皆様にもベトナム市場の可能性を実感していただくこと。そして、今後日越のアーティストが往来して活動・交流しやすくなる未来を作りたいと思っております。

文化交流、そして立派な外交にもなりうる「アニメ」「アニソン」。日本を愛する者として、大好きなベトナムでその魅力を伝えていく一端を担い、今後も定期開催していきたいと考えております。
皆様からお力添え、ご指南をいただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします!

日越友好アニソンフェスティバル実行委員会 会長
松尾英子





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