見出し画像

新型ウィルスに対するベトナムの現状と当店の方針 inハノイ

申し遅れました。私、ベトナム・ハノイで会員制ラウンジを経営しており、こちらで起業して間もなく丸4年になります。

そろそろ4周年イベントを…と考えていたさ中、世界中で新型ウィルスが広がっていきました。

ベトナムは今日現在で国内感染者数は二百十数名、死者0人をキープしています。新型ウィルスに対してベトナム政府の強硬策は最初から本気度が違います。いち早く中国からの入国を禁止し、諸外国からの入国も他国より早く止まっています。その政府が更に本気を出したきっかけが、3月7日、17例目と言われる欧州帰りの感染者により市中感染が起きてしまったこと。16人目まで厳格な隔離・封鎖措置で感染者の拡大を防いでいたベトナム政府、国民にとってショックな出来事でした。その直後は「すぐにでもハノイ封鎖があるのでは」とのパニックが起きたり、ベトナム人の中でもやはり外に出るのが怖い、外国人に会うのが怖いといった心情が高まりました。

この時は感染者の名前や住所はもちろん、「同じ飛行機に乗っていた乗客の名前・生年月日」「感染者の行動経路(行ったお店等はもちろん公表され営業停止)」「感染者と接触した人物の住所や名前」等が公表されました。人権やプライバシーの話になるかもしれませんが、私達はベトナムで商売をさせてもらっている身なのでベトナム政府の方針には従うしかありませんし、ここで是非を問うこともなく事実として受け止めるしかありません。

当店はラウンジなので、いわゆる「3密」に当たる場所かと思います。(実際は三方がガラス窓のため換気は良いですが)人が集まり、距離が近くマスクもできない職種。

そして、当店は日本や諸外国からのご出張者様も多いのでベトナム国内のローカル店よりも感染リスクは高い場所だと捉えられたと思います。(17例目までは、スタッフ・お客様へアルコールの利用をお願いし、またスタッフや全てのお客様に体温測定を実施しながら営業しておりました。)

17例目の政府や社会の対応を見ると、【万が一当店内で感染が起きた場合】…過去を遡ってご来店されたお客様の個人情報、またスタッフ達の情報、もちろん私の個人情報まで出回ることを意味しました。また、ベトナム北部はかなりコンサバティブでこういった職種には偏見も未だあります。そうなった時に、お客様やスタッフ達がどれほどの社会的バッシングを受けることになるか。ここベトナムでは日本人がこのビジネスをするのはかなりハードルが高いのでベトナム人ビジネスパートナーが必須なのですが、今まで何から何まで協力してくれているビジネスパートナーにも多大な迷惑をかけることにもなる。(名義上はそのベトナム人がオーナーとなっているため)

「新型ウィルス自体はあまり怖いものではない」「ウィルスよりも経済の死の方が恐ろしい」といったご意見もありますし、ご意見自体は否定もいたしません。

しかしことこのベトナムにおいては、ウィルスに感染すること、またその感染場所となることは(特に私達の業種にとっては)「社会的・経済的な死」をも伴うという恐ろしさがあります。万が一ベトナム国内で初の日本人感染者にでもなった場合、偏見はもちろんバッシング、強烈な社会的制裁を受け、今後このベトナムでビジネスをしていくことが困難になることも予想されました。さらには万が一お客様に感染させてしまったり、お客様をそのような目に合わせてしまったら…考えるのも恐ろしいです。

お客様・スタッフへの感染のリスクを考え、また今後このベトナムでビジネスを続けていくためのリスクヘッジをした上で、17例目発覚直後の3月9日から当店は自主休業をしております。

他より早めに休業したため、もう丸っと3週間以上お休みしております。休業しても自分が感染してしまっては意味がないので自主隔離生活のような状況を続けています。が、もういい加減この生活も飽きました(笑)。ただ、政府からのソフトロックダウンの要請によってハノイ市内での感染リスクは予定の4月15日以降はかなり下がっているものと思われます。ある程度先の目処がつき、また当店や関係者内で感染者を出さずに済んでいることは、この状況でも明るい希望の一つです。

また、こんな時こそ新しいビジネスを考えるチャンス。そのためにこういったアウトプットの場を増やしている状況です。

一か月間お店からの収入がゼロというなかなか苦しい状況ですが、経営はどこかで必ず痛みを伴うもの。それも覚悟でやってきてたんだから、今は先だけ見据えて乗り切ります!

日本も今は大変な時期。皆さんがそれぞれの正義を持って様々な方法で戦っていらっしゃると思います。そういった思いが早く報われる日が一日も早く来ることを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?