王様ランキングの面白さは内容だけではない。~何故面白いのか考察してみた~


アニメ化が決定した「王様ランキング」。
言葉が話せず、非力な主人公が世界一の王様を目指して成長していくお話。
不運な境遇でありながらも、仲間とともに成長していく様は引き込まれるものがあります。
内容については是非読んでいただきたい。
ここでは内容から面白さを考察するのではなく、絵柄や作者の考え方を参考に考察していきます。

1.オリジナリティが溢れている

作者は41歳で、脱サラして漫画を描いているという。
元々アナログで漫画を描いては出版社へ持ち込み、玉砕され、一度は漫画から離れて絵本作家を目指していたそうです。
その経緯から作風も絵本っぽい。
王様ランキングは他の漫画には無い独特な絵本のような世界観が見受けられる。これは周りと比較して個性的で、一コマ見ただけでも王様ランキングのコマだってわかるほど。
漫画というよりは絵本要素が強いのだ。
他の漫画とは異なることから目新しさがあり、注目されやすい。
また漫画の名作は独特な作風であるものが多い。
ワンピースとかドラゴンボールとか該当する。これらは当時、他の漫画には無い作風と世界観が見受けられた。今でも沢山の人が真似して描くほど個性的で、他に類が無い。王様ランキングも漫画といいつつ、絵本のような世界観であるがゆえに、他の漫画とは全く異なる目新しいものであり、それが個性となり、オリジナリティを醸し出している。そのオリジナリティが目新しい面白さと関心を寄せているのだ。

2.見せる工夫がうまい

読者を引き込ませる手法をこの作者は知っている。
共感を抱かせる内容もあれば、いいところで話を切るなど。読者を楽しませる作り方を念頭に置いている。
描きたいものを描いて読者に押し付けてしまうのではなく、読者のことを考えてあれこれ物語を作っているようだ。スマホで読むことを前提にセリフを少なくしたり、コマも細かすぎないように配慮していたり、読みやすさと引き込ませる展開を工夫しているところが王様ランキングの魅力を引き出していると言える。

3.テーマが作者自身そのもの

王様ランキングのテーマは「勇気」。このテーマは作者の価値観そのものであることが窺える。
作者は会社を転々しては自分なりに目標を見つけて前進してきた人だ。今いる環境に堕落することなく、目標をつくってはそれを達するために努力をする。
会社に無理に残ることなく、自分に合った生き方を模索して転々しているところから、かなりタフな精神を持っていることが窺える。
考えようによってはタフな精神を持っているというよりは、現状が苦しくて逃げたとか、本当に残れる気力が無くて諦めたとも捉えることができるが、その現状から抜けるというのは本当に勇気がいることだ。まして40を越えて会社を辞めて漫画を描こうだなんて普通の人ならできない。
リスクがでかすぎて、勇気が無ければできることではないと私は思う。
実はこのテーマって作者の価値観が一番反映されているものが多い。作者の価値観が明確に物語に現れているところに面白さを感じる。

以上自分なりの考察でした。
まとめると、独特な作風と読みやすさ、そして読ませる展開や構成が面白さを醸し出している。
内容が面白くても埋もれてしまう作品が多い中、王様ランキングは色んな工夫がされていて、読者が読みやすく、引き込まれやすい作品であるということ。さらに作風と世界観が個性的であることから目新しさがあり、注目を集めやすいということ。
内容も面白いが、実はそれ以外の側面でも納得の理由があることがわかりました。
王様ランキングはアニメ化ということで今後も期待です。

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