3月藤村さん

インターネットは「電話」と同じ。人と話すための道具。

「なんか自己紹介から始めた方がいいみたいですよ」と編集部に言われたので、言われるがままに始めます。
水曜どうでしょうディレクターの藤村忠寿です。『Wednesday Style』創刊号の藤村コラムをお届けします。
テーマは「テレビとインターネット」です。

水曜どうでしょうつくると必ず言われること。

「テレビとインターネット」っていうテーマで考えたときにさ、今のYouTubeの動画とかはぜんぜん説明に時間を割かず、ポンポン早いわけじゃん。「水曜どうでしょう」って番組も、あとの方になってくると説明やナレーションがどんどん減っていって、ポンポン早い編集になっていく。

今のテレビ見てたらわかると思うけど、多くの「テレビ番組」はそんなことないよ。
ポンポンやらないで、「はい、ここまでわかりましたか? じゃあナレーション入れて、字幕で説明して、はいわかりましたね」って、過剰なくらい説明して補足して、見た人全員が理解できることを目指して番組をつくる。

それは、新聞にしたってテレビにしたって、マスコミと呼ばれるものの中では、「事実を正確に伝える」ってことが長く培われてきたからだよね。そもそも「人に知らせる」ための手段として必要でしょう、っていうところから始まっている媒体で、テレビマンも新聞記者も、「何時何分にどこどこで誰が」ってことを正確に人に知らせることが仕事だったわけだよ。前はね。

バラエティーであってもなんでも、そういう精神は深く根ざしていて、いまだって新作つくってるけど、「水曜どうでしょう」つくってても必ず言われるのが、

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