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安倍晋三後の第三次世界大戦?

2022/07/21

https://www.youtube.com/watch?v=xDtD08L3Afk&t=600s

台湾から出たニュースで、どうやら日本の憲法改正は第三次世界大戦の引き金になりそうだから、安倍ロマンを負うべきではない。台湾人よ冷静にというニュアンスの記事が出てきた。

「頼清徳副総統は安倍さんの友だち軍団にはなれても、台湾有事が日本の有事と認識してもらえるかどうかは限らない」

台湾の中国語のニュースですが、内容が複雑なので、訳したものを端折って私流に直したものをお送りしたいと思うので、必ずしもこの訳が正確であるわけではないのでご注意ください。

賴清徳副総統は日台の友情を固める外交の賭けとして訪日をした。それは安倍元首相が生前に作った「台湾有事は日本の有事」という公式のためである。ただしその公式は安倍元首相の個人的な解釈であり、日本の政策ではない。日本の公式声明は菅前首相の「台湾海峡の平和と安定の重要性と海峡横断問題の平和的解決」とされており、台湾そのものではなく海峡に限定されている。これは岸田政権も同じです。台湾海峡周辺の戦略的な選択において、日本はアメリカの支配下にあります。よって日本はアメリカを渦中に巻き込み、中国を追い詰めようと言うふうに考えているかもしれませんが、それは非常に野心的です。

日本民族は賭けが好きですね。日本はアメリカやロシアと致命的な戦いを繰り広げ、真珠湾攻撃における大失態により、半世紀以上アメリカの影で卑屈に生きて来たというのに、日本が台湾のために中国と戦うという体裁で賭けに出るというのは理解できますが、その確率は低いのではないだろうか。
日本の栄光を取り戻したいだけの極右政治家として安倍晋三元首相は心の奥の底に刻まれた屈辱は、中国でなくアメリカから来ているのだ。

台湾が理解しなければいけないのは、極右の人たちにとって反中は表面的なものであり、その裏には反米という暗黙の欲望とタブーがある。反中は手段であって究極の目的は反米である。

この論理ではアメリカが参戦できないケースにおいて、日本が台湾のために戦うというのは絶対に不可能です。要するに安倍元首相の「台湾有事は日本の有事」というのは成り立たない。唯一成り立つのは、台湾有事がアメリカ利益に絡むとワシントンが判断した時には、日本もようやく動けるという公式である。

解放軍が台湾侵攻をする際には、軍事介入がアメリカ利益かどうかということが判断されるかどうか。それが一番重要です。米軍が派遣されなければ必然的に自衛隊は動けないでしょう。

安倍元首相の発言にどんなにロマンがあっても彼は既に亡くなってしまった。この路線を引き継ぐ第二の安倍晋三は日本には存在しないのだ。岸田首相は安倍元首相の政治的遺産を受け入れ、日本の憲法改正を促進し、日本を通常の国にしようというふうに推進している。

しかし、憲法改正で最初に行われるのは、日中の矛盾を是正するということではなく、日米の矛盾が最初のターゲットであり、このことによって抑圧された虎である日本をアメリカは放つつもりなのか。それこそワシントンが一番に手を付けなければならない課題なのではないだろうか。

台湾有事が実際に起こった時、日本がそれをどう受け止めるのかは今や誰にもわからないだろう。
(以上、台湾のニュース)


そう取ったのかみたいな。
日本が「台湾有事は日本の有事」だと安倍元首相がメッセージを何度も送ってきた。そのために安倍さんはフランスの新聞でもそういった広告を打ったり、アメリカの新聞でもそういう意見を出したりして、「台湾有事は日本の有事」なのだ。アメリカはちゃんと覚悟はできているかと主張して回って来た。

そういったことに対して、この台湾のUDN聯合新聞は、かなり辛辣な論調でそれを評している。

これはかなり驚きの論調だ。彼らからすると、この記事を書いている人は、日本の極右にとって反中というのは表面だけのことで、本当の彼らは反米をやりたいのだ。そのために台湾をダシに使おうとしているのだ。そんなものに私たちは巻き込まれるべきではないといったメッセージを台湾の読者に対して送り出している。

そもそも「台湾有事は日本の有事」という公式を、日本は打ち出してるかのように見えるが、これは単に安倍元首相の個人的なメッセージであって、日本の政策ではないから冷静になろうとも書かれている。

ここからが重要なのだが、本当に恐ろしい。日本が台湾を口実にアメリカを軍事介入させ中国と戦わせようとするなど、そんな博打に日本は出てきているぞと指摘されている。

その時には日本は実際に中国とは戦わずに、アメリカと戦おうとしているのではというニュアンスなのだ。

台湾人が自分の国を守りたいと思ったら、日本の極右には騙されずにロマンに浸らずにワシントンに対して、台湾がワシントン、アメリカにとって革新的な利益を持っている国なのだと認識してもらわないといけない。

憲法改正で日本という反米ルサンチマンの虎を本当に解き放っていいかどうかは冷静になれという論調なのである。

いや本当に驚きだ。このような記事が出て来るなど思いもしなかった。

この記事を紹介してくれた台湾人によれば、これは日本が中国の台湾侵攻を口実にアメリカを巻き込んで米中で戦わせることが目的だ。それはもはや第三次世界大戦に発展するだろうから、そんなものに巻き込まれないように台湾人は気をつけよう。米中を戦わせて日本が漁夫の利を得ようとしているという事に気がつきましょうというニュアンスなのだと解釈した台湾人もいて、その人からこの記事を教えてもらった。

私は中国語がそんなに得意じゃないので、そこまでのニュアンスは感じなかったが、日本に対して意外と台湾の新聞が辛辣な見方をしているなとは思った。

これまでどうして日本の保守派が反中と言いながら、中国に軍事技術を移転しないでくださいと私が政治家に陳情に行っても全部潰してきたのかの経緯を考えると、中国に軍事技術を移転して、アメリカと本当は戦いたいのではないのかというこのニュースの記事の論調が、意外とそこまで外れていないような気もする


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