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グローバリスト仲間割れ、習近平派VS米ダボスマン派の闘い

2023/04/10

■  6G通信の中華と欧米グローバリストの闘い

毎年スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラムに、世界各国の大企業のトップ、若いグローバルリーダーが集まり、いろんな議題を議論して各国に持ち帰り、それが国の政策として推進される。

そのダボス会議の中でグローバリストたちが徐々に仲間割れを始めている。トランプ前大統領が2020年の大統領選に敗れた後に、欧米系のグローバリストが連続して不審死を遂げたり、突然に半導体不足が起こり、習近平派の背後にいる浙江財閥のTSMCが急激に力を増してきた。

世界経済フォーラムの中のグローバリストの中で、どうも中華系と欧米系に亀裂が入り割れ始めている。

基本的にグローバリストはアメリカと日本を攻撃している。彼らはアメリカのドルが憎い。そしてアメリカを支える日本が憎い。
アメリカはディープステートの国で、そのディープステートが日本を虐めていると思っている人が多いが、アメリカ人もグローバリストに虐められているのである。

そのグローバリストたちは仲良くやっていると思われていたが、アメリカに対する中国支配があまりにも強くなり、トランプ前大統領の時代から、それに対して欧米系、特に米系のグローバリストの反発が始まった。
その中華系グローバリストとの戦いの決着はまだついていない。中国最王手の通信企業、CIAの元長官がスパイ企業と呼んだファーウェイとの戦いが、次のステージである次世代型通信の6G通信でも起こっている。

6G通信が中華系と米系に割れているというのが、ジェイソンの講演会での基本的な話であった。この辺りの構造が明確に頭の中にイメージが出来ていない人は驚いたかもしれない。


■  半導体と通信を中国から取り戻す

これはFCC、Federal Communications Commission、アメリカの連邦通信委員会の資料だが、これを見ると次世代型の通信は、大きく分けて3つ陣営がある。

ITUは国連の下の機関なので、基本的に中国の意向が強く反映されている。そして真ん中のNextG Alliance、アメリカがFCCと一緒に推進しているアライアンスで、AT&Tやベル、インテルなどのアメリカ企業、マイクロソフトやティーモバイルなどのアメリカ企業が入っている。これらの会社が中心になり中国世界と戦っていく。中国のファーウェイが作成しようとしている6Gの流れと対抗して行くというのが、このNextG Allianceである。

このNextG Allianceは通信だけを見ているわけではなく、サムスン、インテル、バルコムも入っているのを見れば判るように、これは通信というアプリケーションを市場にした半導体の生産能力、製造能力、そして設計能力、半導体サプライチェーンと通信のサプライチェーンを一体化して共に強くして行く。浙江財閥に食われた分野を、同盟を組んでサプライチェーンごと強くするというのがアメリカの試みである。

ここに並んでいる陣営は、比較的ファーウェイと闘おうとしている陣営である。この残りは、このOther Regionsそのほかの地域は、中国に率いられている国々で、残念ながら我が国と韓国、EUヨーロッパ、そしてフィンランドとブラジルが中国に追随しているよと匂わされている。

これを見ればわかるように、ITU国連系は中国の息がかかっている。Other Regionsその他の地域も中国の息がかかっている。NextG Allianceはグローバリストが集まっているのだが、中国には利益を渡さないぞという集まりの同盟関係になっている。

6G通信の時代になると、基本的には3次元、ホログラムとかメタバース、今の通信技術だと3D映像をサクサクと送るのはまだまだ難しい。

そこを6G通信の世界になれば、3次元の映像をサクサク送れるようにして、メタバースの世界を実現すると意気込んでいたり、個人の人をモデリングして、デジタルツインをクラウドの中に作り、あなたの完全なコピーをクラウドの世界でモニタリングできるなどの試みがある。

NextG Allianceのターゲットは、ハップスと呼ばれる高高度飛行体、高高度プラットフォームを使い、成層圏から地球に通信をしようという試みがなされている。成層圏に置くことにより従来の5G通信基地局よりもコストが大きく下がるので、ファーウェイのこれまでの戦略が打ち破られ、ファーウェイの高コストな通信基地局に勝てるチャンスがあると語られている。そういう戦略で進められている。

今回のアライアンス、もちろん、中国とはかなり仲のいい企業が入ってはいるが、FCCのメンバーの目論見としては、中国に取られた通信と半導体を、この次世代通信の企画で取り戻して行くことが考えられている。

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