ギャンブル好き
女は体重計に乗った。
針が100キロを振り切った。
深いため息をつく。
身長170センチ、体重100キロ。
あきらかにダメである。
「ダメですなあ」
「うるさいっ」
「ひとつ賭けませんか。外に出て、最初に来たタクシーが空車かどうか。空車だったら体重を半分にしましょう」
「えっ」
女は驚いて振り返った。
「そのかわり、乗車していたら、身長を半分にします」
こいつは神か悪魔か。
(了)
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