ギャンブル好き

 女は体重計に乗った。
 針が100キロを振り切った。
 深いため息をつく。
 身長170センチ、体重100キロ。
 あきらかにダメである。
「ダメですなあ」
「うるさいっ」
「ひとつ賭けませんか。外に出て、最初に来たタクシーが空車かどうか。空車だったら体重を半分にしましょう」
「えっ」
 女は驚いて振り返った。
「そのかわり、乗車していたら、身長を半分にします」
 こいつは神か悪魔か。
 
(了)

お気に召しましたら、スキ、投げ銭をよろしくお願いします。

ここから先は

78字

¥ 100

新作旧作まとめて、毎日1編ずつ「朗読用ショートショート」マガジンに追加しています。朗読に使いたい方、どうぞよろしくお願いします。