ファッション専門講師が独断で選ぶ、webで「バズる」「刺さる」ブランド特集

こちらのnoteではファッション業界の最新ニュースを1週間に5本程度解説し、その先に起こり得る事や豆知識を盛り込んでご提供いたします。
先週のピックアップニュースは下記の通りです。

・ファッション専門講師が独断で選ぶ、webで「バズる」「刺さる」ブランド特集
・ファッション動画メディアがどのくらい伸びているのか検証してみた
・何故世界の百貨店と日本の百貨店はこんなにも利益率が違うのか?
・最近、一部の百貨店アパレルが頑張っている件について
・BEAMSのリーチが至るところに伸びててすごい!


ファッション専門講師が独断で選ぶ、webで「バズる」「刺さる」ブランド特集


先日、下記のような記事が流れて来まして、

アパレル業界の新勢力“バズるEC発ブランド”の共通点が見えてきた

もともと大きな発信力を持つインフルエンサーがブランドをはじめると、集客において大きなアドバンテージを持っていることもあり、ブランド名はすぐに広まる。(中略)今回のトークショーを通じて、あらためてこうした“バズるEC発ブランド”が成功する共通点が見えてきた。

ソーシャル上でバズを起こせば認知度が一気に向上し、ユーザーに刺ささりやすいブランドはECのみでそれなりの金額が販売できる。そういった狙いもあってか近年ではインフルエンサーブランドが乱立しています。上記の記事ではバズるブランドの共通点を、

・ターゲットを極端に絞る
・コミュニティ化
・かっこよさよりわかりやすさ

としています。これに乗っかって、僕の観測範囲でもバズる(もしくは刺さる)ブランドをまとめてみました!

○ feast 

まずは記事中にも出てきましたハヤカワ五味さんのブランド。記事中にも出てきます「ダブルチャカ(DOUBLE CHACA)」より個人的には「feast」の設計が素晴らしいと思っております。常にweb上に生息している方々なら知っているかと思いますが「シンデレラバスト」という言葉を生み出したのはハヤカワ五味さんです。その際のエピソードは下記に詳しく掲載されています。

3000万ブランド”feast”の初期戦略とマグレ

これの何がすごいかと言うと、本来であればネガティブワードだった「貧乳」を「シンデレラバスト」というポジティブなイメージに置き換えた事、またそれがバズワードとなって拡散された点が素晴らしい。「胸の小さい人」をターゲティングしたカテゴリーキラー戦略も合わさって、スタートしたばかりのブランドがいかにリーチを伸ばして売上を取るのか?のお手本になっています。ちなみにこの話、僕の教えている学校の授業でめっちゃ使ってます。ハヤカワさんありがとう。


○ #FR2

アパレルブランド「ヴァンキッシュ」で有名な石川涼さん率いる株式会社せーの運営ブランド「FR2」。石川涼さんがメディアのインタビューでもよく語るように「何かに紐付いてる服しか売れない」という理由で、こちらのブランドは「カメラマンが着る服」がコンセプトになっています。そしてアイコンとなるのが「ウサギのカメラマン」。

このアイコンがキャッチーで認知されやすい。そしてwebで拡散されやすい理由がInstagramの投稿です。ブランドのアカウントを見ると女性の性的な写真ばかりが掲載されていますから、これが話題になりやすい。ブランド名にハッシュタグが付いているのもうなづけます。

また世界で展開されているwebメディアの「HYPEBEAST」にも取り上げられたり、

世界的に有名なセレブが着用していたりと、国内にとどまらない影響力。しかもこれ広告宣伝費かけずに拡散はソーシャル一本だそうです。ヴィジュアルで訴求できるInstagramの特性にいち早く気づき、そこを強化したからこその結果と言えそうです。先見の明がすげぇ。。


○ ALL YOURS

オールユアーズという名前はブランド名というより会社名なんですが、webでは会社名の方が拡散されている印象があるのでこちらでご紹介します。こちらの会社のすごさは何といっても、

クラウドファンディングサイトのキャンプファイヤーと組んでの24ヶ月連続プロジェクト。1つのプロジェクトに大体二ヶ月ほど期間を設けていますので、12個の企画を用意しているんでしょうか。今のところ9回連続でプロジェクトに成功しており、支援総額は現在で4300万円を超えています。クラウドファンディングはwebで拡散されなければ資金調達ができないんですが、アパレルでここまでクラウドファンディングを上手く利用している企業って他に無いのでは。

着たくないのに、毎日着てしまう。クセになるジャケットとパンツが出来ました!!

特に上記の企画は単体で1800万円以上集めています。特徴としは製品の「体験価値」が非常に明確です。機能性をプッシュするというより、製品の持つ機能を生活のどの部分で使うのか?またそれを使った時の価値をうまく言語化しているのでweb上で刺さりやすい。企画力は業界でもトップレベルではないかと勝手に思っています。いやホント嫉妬するレベル。。


○ 土屋鞄製造所

ランドセル作りから創業された土屋鞄製造所は今ではバッグ以外に革小物も取り扱っているブランド。その中でも特にweb上でよく見かけるのは、

大人ランドセル

こちらの「大人ランドセル」。土屋鞄以外でも使われているワードですが、大人ランドセル界では土屋鞄が一番メジャーではないかと。コンセプトに沿ったコンテンツ制作が上手く、それがブランド価値を高めている印象があります。ファッション業界では珍しくコンテンツマーケティングが機能しているようで、サイトのトラフィックも結構なレベル。(similarwebで約40万セッションを計測)「大人ランドセル」という言葉もキャッチーなんでソーシャル上でよく拡散されているのを見かけます。


○ eimyistoire(エイミーイストワール) 

3ミニッツが運営するインフルエンサーブランドのエイミーイストワール。ECサイトオープン後の初動売上が5000万円を記録し、国内レコードになっています。先行受注会だけで2000万円受注。初期の売上が半端ねぇ…。実店舗無しでブランドスタート時からここまで売上作るのって尋常じゃないです。昨今のインフルエンサーを使った施策の中で群を抜いた実績を誇っています。

インフルエンサー発ブランド「eimy istoire」ディレクターに直撃取材!

こちらはプロデューサーのmanamiさんのInstagram。「リアル」や「共感」が重視されるソーシャルにおいて、投稿内容はめっちゃ浮世離れしてる感。。逆張りが上手くいってるのかな?

3ミニッツは動画メディアの「MINE」を運営していますから、こちらでリーチを伸ばしてからブランドを拡散…という手法を取るのかと思いましたが、意外とMINE上での発信は少なめ。企業名が既に有名であり、ブランドスタート時には他のメディアでも紹介されやすくはなっていたんでしょうけど。

3ミニッツは第二弾インフルエンサーブランドも発表しており、こちらも初動売上1000万円を超えているようです。→ ETRE TOKYO(エトレトウキョウ)


<海外編>
○ everlane(エバーレーン)

「究極の透明性」を掲げ、生産工程やコスト構造を全てwebサイトで開示しているエバーレーン。もうこれだけで一時めっちゃ話題になったから多くの方が知っているでしょう。これだけ拡散されているにも関わらず店舗はニューヨークに1店舗だけであとはオンラインのみの展開。完全にコンセプト勝ちですね。昨今のトレンドの一つである「エシカル」にも乗っかって日本でも結構な知名度です。

有名になりすぎたせいか、日本で同様のやり方でブランド運営するところも出てきています。上記の10YCはエバーレーンとオールユアーズを足して2で割ったみたいな感じ…。有名になるとパクられるのは世の常ですね。


○ Warby Parker(ワービーパーカー)

D2Cの先駆けであるメガネブランドのワービーパーカー。バズるとかいうレベルでもないくらい有名ですが、運営手法が秀逸なのでピックアップ。日本人の感覚では決して安くない価格ですが、アメリカでおしゃれなメガネを買おうと思うと$200~400くらいは出さなければならず、お値段が一律$95のワービーパーカーはクオリティの高いメガネを手の届く価格で購入する事を実現しています。自宅で試着する仕組みも早い段階で取り入れており、最大5日間、5つのメガネを取り寄せお試しする事が可能。

その際に#WarbyHomeTryOnというタグを付けてInstagramに投稿すれば、似合ってるかどうかのアドバイスをしてくれるようで、ソーシャルで拡散される仕組みもバッチリ。2015年には世界で最もイノベーティブな50社の1位に選ばれています。(この時の2位がアップル、3位がアリババ、4位がGoogleです。)


○ Allbirds(オールバーズ)

サンフランシスコ発のシューズブランド「オールバーズ」。オールバーズのコンセプトは「シンプルなデザイン」「快適さ」「天然素材」。特別尖ったコンセプトでは無いんですが、このコンセプトが見事に製品で体現されていてめっちゃ履き心地が良い、、、そうです。(すみません、履いた事はありません。。いやソーシャル上の口コミ見たら皆さんそう書いてあるので。。。)そこから口コミでも広がっているという印象を受けます。

サンフランシスコにはIT企業が多くあるようですが、オールバーズはそういったIT系の有名企業のCEO(Googleの創業者とか!)からも人気のようです。狙ってやってると思いますが、ターゲティングした層が拡散してくれる好例ですね。その結果かブランド創設が2014年とごく最近なのにも関わらず、この短期間で日本にまでブランド名が知れ渡っています。


○ lululemon(ルルレモン)

ヨガウェアで有名なルルレモン。こちらもそもそも知名度高いブランドなんですが、日本での拡散手法はソーシャルを重視している模様。これ、完全に聞いたお話なんですが、ルルレモンはショップオープンの2ヶ月前程度から従業員を雇っており、給与を支払っておいてとにかく遊びに行かせるようです。夜のクラブやバーで従業員をひたすら遊ばせてコネクションを広げさせる。ソーシャル上で友達を増やさせておいて、オープンしたら一気に情報を拡散…、という手法。ファッションブランドのソーシャル活用には従業員の協力が必須ですので、ここまで徹底するのはお手本になるんではないでしょうか。ちなみに本国ではこんなやり方はやってないらしいです(笑)


有名どころはこんなところですかね。あとはバズってるというレベルではありませんが、個人的に「刺さりやすそう」と思ったブランドをいくつかピックアップします。


○ EMILY WEEK(エミリーウィーク)

ベイクルーズの新ブランドで女性の生理週間を軸にしたブランド。ファッションで憂鬱な期間を前向きにできるようなアイテムを取り揃えていますが、まだ今のところ期間限定のショップとオンラインの展開のみ。

Instagramのフォロワーを見ても「バズる」というところまでいってはいないようですが、女性からの指示が特に強くコンセプトとしては刺さりやすい印象。関連記事もweb上でよく見られます。ターゲットや用途、体験価値がとっても明確なので今後ヒットしそうなブランド候補の一つですね。


○ hazama

こちらは僕の周りの服飾専門学生がやけに好んでいるブランド。みんなどこで知ったの気になって調べたんですが、

こちらのデザイナーさんのツイッターの使い方がめっちゃうまい。。

プレゼント企画した時のリツイートの数が半端無い。「hazama」関連の事をつぶやくと光速で本人からのファボがつくようで、学生さんが展示会に行っても優しく対応してくれるみたいですね。デザインも非常にキャッチーですが、ソーシャル使ったファン獲得・顧客対応が素晴らしいんではないでしょうか。

とりあえず思いつくところをピックアップしましたが共通点としては、

○コンセプト・体験価値が尖っていて明確である事
○わかりやすいアイコンがある事
○ソーシャル上で拡散される理由がある事

あたりかと。あと、今回は触れてはいませんが年代違うとどんどんブランド出てきてキリが無いです。普段学生とコミュニケーション取ってるとソーシャル上で人気でも僕ら世代にリーチしないブランドはまだまだあるんです。今度は学生からのヒアリングで若者の中でバズってるブランドかき集めてみようかな…。

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深地雅也

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深地雅也

株式会社StylePicks CEO/アパレル小売店舗ソリューション/ECサイト構築・運用・集客/服飾専門学校非常勤講師/etc ファッション業界を活性させたいと切望。 m-fukaji@style-picks.com http://style-picks.com

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