ラグジュアリーブランドの営業利益を比較してみた!

こちらのnoteではファッション業界の最新ニュースを1週間に5本程度解説し、その先に起こり得る事や豆知識を盛り込んでご提供いたします。
先週のピックアップニュースは下記の通りです。

・ラグジュアリーブランドの営業利益を比較してみた!
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・ストライプデパートメントは他モールと差別化できているのか?
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ラグジュアリーブランドの営業利益を比較してみた!

kosoさんがツイートしておりましたがシャネルが初めて業績を公開していたようです。

○CHANEL

売上    96億ドル
営業利益  27億ドル
営業利益率 28%

営業利益率がなんと28%…。今って1ドル110円くらいだから、売上は1兆560億円に営業利益が3000億円程度。全事業合わせてなので、コスメや香水も含まれますが。アパレル製品中心の取り扱いだと利益率はここまで高くならないでしょう。ユニクロでも営業利益率は10%前後ですし、ZARAを傘下に持つインディテックスですら17%。ラグジュアリーブランドの営業利益率がいかに高いかがわかります。国内アパレルは営業利益率が3〜5%あればいい方なんじゃないでしょうか。

ラグジュアリーの営業利益って総じて高いんですが、シャネルはその中でも単体ブランドでは売上・利益高共にトップクラスではないでしょうか。グッチもLVも報道ではいつも営業利益率が25%〜35%程度と言われているので「率」の水準としてはこんなものなのかもしれませんが。

主要ラグジュアリーブランド(グループに属しているブランド)は個別で業績が出ていなくて、単体ブランドのデータってなかなか落ちてないんですが、グループごとの業績なら決算書に記載がありますのでちょっとまとめてみました。(LVMHやケリングは日本語の記事もありました。)


○LVMH(2017年12月期)

まずは傘下ブランドですが、、

多すぎ…。LVMHはファッション関連からお酒からウォッチ・ジュエリーから香水から傘下ブランドのジャンルは本当に様々です。

(2017年12月期)
売上    426億3600万ユーロ
営業利益   81億1300万ユーロ
営業利益率  19%

上記記事から数字を抜粋。現在1ユーロ130円程度なので、グループ全体で売上は5兆5426億円。営業利益が1兆546億円と、(グループ全体では)営業利益高だけでシャネルの売上高と並びます。全体の利益率ではシャネルより劣りますが、LVMHはウォッチ・ジュエリーや免税店までありますから単純比較はしづらいです。

ワインやファッション関連アイテムと比較するとその他の部門の営業利益率が大体10%程度とやや低い(という水準ではないけれど。。)ですね。ヴィトン単体だと香水の取り扱いは最近始まりましたし、シャネルとは売上の構成が大幅に違いそうです。


○kering

上記がケリング傘下のブランド。

(2017年12月期)
売上    154億7700万ユーロ
営業利益   29億4800万ユーロ
営業利益率  19%

1ユーロ130円で換算すると売上が2兆120億円。営業利益が3832億円。

keringはブランド別が出ていました。グッチ単体で8000億円以上の売上。そしてグッチの営業利益率は驚異の34%…。売上も利益もクリエイティブディレクターがミケーレになってから爆増中ですね。。グッチはデザイナーの交代でジェットコースターのように業績が上がったり下がったりしているので、ミケーレの後がすげー怖い…。今年に入ってケリングはプーマの株式大量売却、ステラマッカートニーの独立、トーマスマイヤーとの契約解消など大きな動きがちらほら見られますから業績も来年は大きく変動するかも?


○Richemont(リシュモン)

上記がリシュモン傘下のブランド。

こちらが決算書の一部です。

(2018年3月期)
売上     109億7900万ユーロ
営業利益     18億4400万ユーロ
営業利益率   16.7%

ウォッチ・ジュエリーブランド中心のリシュモンですが、売上は日本円(1ユーロ=130円)にして1兆4272億7000万円。営業利益は2397億2000万円。LVMHの決算書でも思ったんですが、ジュエリー系ってバッグ・革小物より利益率が下がる傾向にありますね。

内訳はこちら。ウォッチ・ジュエリーで9割近くの売上シェア。ジュエリーは結構な比率で伸びていますね。リシュモンの業績はウォッチ・ジュエリーに委ねられているようです。


○HERMES

(2017年12月期)
売上     55億4900万ユーロ
営業利益   19億2200万ユーロ
営業利益率   34.6%

エルメスの売上は日本円(1ユーロ=130円)にして7213億7000万円、営業利益は2498億6000万円。エルメスの営業利益率もグッチと同水準です。

レザーグッズとファッション関連アイテムで70%以上の売上構成比。服の比率が気になりますが、ファミリーセールに行っても売っているのはほぼ服と靴です。ラグジュアリーのファミリーセールに共通して言えるのですが、バッグ・革小物はほとんどセール会場にありません。(いや、ゼロかも…)ラグジュアリーの中には服は最終廃棄するブランドもたくさんありますし、売上というよりは販促目的に近いのでしょう。


○Tapestry(タペストリー)

最近社名を変更したタペストリーはケイトスペードを買収して現在3ブランド。

(2017年7月期)
売上     44億8830万ドル
営業利益   7億8740万ドル
営業利益率   17.5%

1ドル110円として、売上4937億1300万円、営業利益が866億1400万円。2017年7月期の資料なので、買収したケイトスペードの数字がまだ入っていません。

内訳見るとレディースバッグが半分強を占めています。日本国内はアウトレット事業の方が売上大きいそうですが、本国ではイメージどうなんでしょうか。利益率は悪くないんですが、ラグジュアリーのトップクラスと比較するとやや見劣りしてしまいますね。

トータルすると規模感ではLVMHがダントツトップ、利益率ならグッチ、エルメス。利益率の高いアイテムは服を除くファッションアイテムで、バッグ・革小物・アクセサリー類。といったところでしょうか。営業利益率という切り口だけで企業の業績は測れませんし、結局のところブランド力が無ければ製品のジャンルが何であれ付加価値を付けて販売する事は難しいです。昨今の日本のマーケットでは原価率の高さをやたらと推すブランドも出てきていますが、ブランドビジネスにおいてそれはあまり意味の無い行為ではないかと思い知らされますね。


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深地雅也

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深地雅也

株式会社StylePicks CEO/アパレル小売店舗ソリューション/ECサイト構築・運用・集客/服飾専門学校非常勤講師/etc ファッション業界を活性させたいと切望。 m-fukaji@style-picks.com http://style-picks.com

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