ノールック買取りサービスのCASHがto B向けのモール始めたんで調査してみました!

こちらのnoteではファッション業界の最新ニュースを1週間に5本程度解説し、その先に起こり得る事や豆知識を盛り込んでご提供いたします。
先週のピックアップニュースは下記の通りです。

・ノールック買取りサービスのCASHがto B向けのモール始めたんで調査してみました!
・EC専業・カタログ通販業者のリアル店舗出店をまとめてみた
・卸問屋のビジネスモデルを改めて解説します
・YOOXのPBがめっちゃ在庫積んでそうでひやっとした話
・顧客に合わせたチャネル強化が重要


ノールック買取サービスのCASHがto B向けのモール始めたんで調査してみました!

即時買い取りアプリ「CASH」のバンク、買い取ったアイテムを100円から販売するオークションサービス開始

即時買い取りアプリ「CASH」などを提供するバンクは11月20日、同社がCASHを通して買い取ったアイテムを購入できる法人限定のオークションサイト「CASH Mall(キャッシュモール)」を開始すると発表した。 CASH Mallでは、毎日0時から翌日23時までインターネットオークションが開催され、すべてのアイテムが100円からスタートする。オークションには常時300のアイテムが出品され、毎日そのアイテムリストは更新。翌日のアイテムリストは前日までに公開されるという仕組みだ。登録料、手数料、配送料などは無料。ユーザーとなるリユース事業者は、事業者アカウントの登録を済ませるだけですぐに利用できる。

ノールック買取りで一時有名になったCASHが買い取ったアイテムを販売するサービスを開始。基本的にはto B向けであり、法人名義が必要になります。という訳で、こちらを登録して中身をのぞいてみる事にしました。

まずはアカウント登録。法人での登録をすますとメールが送られ、1日程度でパスワードが届きます。

ログインしますと、一覧画面が表示。。まず一番驚いた事ですが何と、

商品詳細ページが無い!

いや、見やすいし使いやすいんですけど、画像が1商品につき1枚。。マジか…。商品の詳しい状態もわからないし、サイズ感や他の角度から見た感じもわからない。どうやってこれで買えと言うんだ。自分用じゃなくて仕入れだからサイズ感とか要らないのか?いや、そんなはず無いでしょ。。

で、オークション形式になっていまして、クリックするとそのタイミングでの最高値にプラス100円加算されます。それが自分の買値になり、これで落札されるとそのお値段で購入が可能という事です。即決価格も用意されていて、それを押すとすぐ購入できます。簡易なヤフオクみたいだ…。23時直前に入札入りまくるので、早い時間に入札してた分は放ったらかしにしてると全て別の誰かが購入していってますね。

試しに1点、即決価格で購入。届いたらどんなサイズなのかがある意味楽しみだ。

と、一通り試してみて思った疑問点ですが、

○買取りの最小単位とかないの?
僕が以前勤めていた企業でも、在庫を売却する際にはリユース事業者呼んだりしてました。その際、安く販売する代わりにある程度まとめて買い取ってもらえるようミニマムでの買取金額は設定されてました。例えば、「上代からの掛け率5%程度で売ってあげるから最低500万円分は買っていってくれ」といった感じです。でもCASHモールでは1点から購入可能…。これ、リユース事業者向けじゃなくて個人の買い物みたいになりそう。。

○ブランドネームのある雑貨くらいしか購買に至らないのでは?
そもそもブランドが本物か偽物かの真贋判定も難しいくらい情報量が無いのですが、仮に本物だと仮定してもブランドネームのある雑貨くらいしか買いたいと思えない…。サイズ感も状態もわかりにくい状況の中で、どの程度の販売価格で売れそうか?が全くわかりません。仕入れのプロならわかるのかな。。という事で、僕の視点ではブランド名があって、尚且つサイズ感がまだわかりやすい雑貨関連くらいしか買おうという気にになれませんでした。(って言いながら短パン買ってますが。。)

○法人の仕入れ対象なら、購入者は古物商いらないの?
最大の疑問はこちら。仕入れ対象なら古物商許可が必要になります。が、登録時にその証明を見せる必要がありません。つまり、法人名義があれば誰でも登録可能で、購入も可能。ちなみに僕は何故か古物商を持っています(笑)まぁ買った人がどういう使い方しようが知った事じゃないのかもしれませんが、これって規制入ったりしないんですかね?法人名義で登録した方が、仕入れでなく個人で使う為に買う程度なら市場規模小さすぎますし、今後整備されていくのでしょうか。。

と、簡単に見てみましたが、売っている商品に関してはゴミの山でも宝の山でもなく、ごくごく普通といった感じですかね。オークション形式なんで、そこまで安く購入できる訳でもなく、「買取金額を増やす代わりに1点あたりをめっちゃ安く購入したい」といった交渉もできないです。これ、リユース事業者から見ておいしいモールなんでしょうか?個人的には効率が悪いように思えますので、どういうマネタイズ手法が追加されていくのか、また機能が更に実装されていくのかちょっと注目していきたいと思います。


EC専業・カタログ通販業者のリアル店舗出店をまとめてみた

カタログ通販のDAMAが実店舗スタート

カタログ通販大手のディノス・セシールが手掛ける女性向けブランド「DAMA(ダーマ)」の根強い人気が続いている。50~60代のキャリア女性を主要顧客に据えたブランドで、流行を取り入れつつ加齢とともに変化する体型に配慮した洋服を提案。値段に見合う品質の高さも人気の理由といい、2018年3月期の売上高は前年比3割増と好調を維持する。

スタイルデリ実店舗スタート

EC専業アパレルのネバーセイネバー(東京、齊藤英太・社長)の主力ウィメンズブランド「スタイルデリ(STYLE DELI)」は、実店舗1号店を東京・表参道に24日オープンした。

カタログ通販、EC専業のショップがどんどんリアル店舗を出店しています。WEBとリアルの両方が必要というお話はもう周知の事実でしょうからここでは置いときます。通販からリアルへ進出してきているブランドが最近あまりにも多いのですが、僕の周りの方々でもとにかくWEBから始めたいってお客さんが非常に多い。最終的には実店舗出す予定なんでしょうけど、まずは低コストでWEBから始めて拡散したいって思惑なんでしょう。そんな簡単にいく訳ないんですが、とりあえずは過去の事例を一度洗い出してみたいと思います。


bellemaison(ベルメゾン)※千趣会

元はカタログ通販の会社である千趣会さん。今では上記のベルメゾンネットをEC、リアル双方でも展開しています。一時、とあるコンサルの言う事を間に受けてカタログを脱却しECに急に軸足を写そうとして業績を大幅に悪化させた過去があります。


○belluna(ベルーナ)

こちらもカタログ通販からEC、そして今ではリアル店舗も出店しているベルーナ。すでに顧客リストを持っている会社は、その顧客に合わせたチャネルを作って、そこから広げる事ができます。過去の販路が陳腐化してしまう前に新しい販路を確立する事が重要なようです。


○Doclasse(ドゥクラッセ)

40代アッパーへのWEBの訴求でお手本にしたいドゥクラッセも、元々はカタログ通販をやってました。店頭もよくリサーチするんですが、周辺の店舗と比較して非常に集客力があります。それぞれのチャネルでちゃんと売上を作っていて、うまく最大化させている印象があります。


○DHOLIC(ディーホリック)

韓国系ファッションのディーホリックは元々EC専業から2015年に初めてリアルへ進出。まさにEC発のショップがリアルに進出した先駆け的な存在と言っていいでしょう。


○STYLENANDA

同じくEC発の韓国系ファッション、スタイルナンダも実店舗の展開を進めています。こちらは服よりもコスメの方が印象強いですが。


○Fabric TOKYO

所謂、D2Cと呼ばれる形態のブランドの先駆け。WEB上で自分のサイズを入力するとパターンオーダーのスーツを製作してくれる事でも有名です。こちらもEC発からの実店舗の展開。


○felissimo(フェリシモ)

初期の頃は定期便で有名だったECサイト。いつの間にか常設店が3店舗もできてる。。


○夢展望

プチプラファッションで一時期快進撃を見せていた夢展望。業績悪化からライザップに買収され、現在ヘップファイブに実店舗が1店舗だけございます。

思い当たるところを洗い出してみましたが、カタログ通販でもEC専業でも最終的には実店舗を出すに至っております。店舗の役割ってそれぞれあると思うんですが、一番はやはりブランディングだと思います。店舗から発信される世界観・イメージが強いファンを生み出すので、ファッションブランドやるなら1店舗は実店舗無いと継続的にブランドビジネスやっていけないんではないでしょうか。


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