カップルインスタグラマーは何故エンゲージメントが高いのか?
こちらのnoteではファッション業界の最新ニュースを1週間に5本程度解説し、その先に起こり得る事や豆知識を盛り込んでご提供いたします。
先週のピックアップニュースは下記の通りです。
・カップルインスタグラマーは何故エンゲージメントが高いのか?
・トレンドはフルフィルメントの内製化?
・フレッドシーガルの経緯をまとめてみたら売れない理由がなんとなくわかる
・ライトオンがZOZOを離脱した本当の理由
・オンワードのギフトカタログ会社買収の狙い
カップルインスタグラマーは何故エンゲージメントが高いのか?
最近、巷に溢れるインフルエンサー系ブランドですが、その中で気になるブランドを見つけましたのでちょっとご紹介したいと思います。
Dignity Roseというブランドで、カンダエミリさんという方がプロデュースしているようなんですが、プレオープンしたところかなりの売れ行きだったようでちょっと小耳に挟んだ次第です。(2月より本格的にオープンしたようです。)当然おじさんの僕からしたら、全く知らない方なんでちょっと調べてみる事に。
大学生なのにInstagramのフォロワー17万人もおるぞ…。芸能人のたまごなのか?と思い深掘りしてみましたが。。
カリスマ女子大生インスタグラマーのようです。慶應大学行きながらなんちゅうリア充や…。
◯とにかくエンゲージメントがすごい!
おっさんからするとめっちゃ眩しい存在で目が痛いところを頑張って調べてみましたが、とにかくエンゲージメント高すぎ…。
この投稿とかフォロワーに対するいいねのエンゲージメント率23%くらいあるんですけど…。(このnote書いてる時点で40000いいね超えてます。。)10万フォロワー超えたインフルエンサーのエンゲージメント率って1〜2%くらいなもんで(若い人は比較的高いけど)、5%あったらめっちゃ高いと思っていたんですけど、これはすごい。。この高いエンゲージメントについて理由を若い子達にヒアリングしてみたんですが、
・カップル(特に美男美女)は伸びやすい
若い子たちの間でもカップルの写真っていいねがつきやすいようです。見た目も良くて仲良さげで、とにかく憧れられやすい。
ちなみに彼氏さんもインフルエンサーなので相乗効果ありそう。おっさん目線だと、「別れたあとどうするんだ…?」とか余計なお世話な心配をしてしまいますが、まぁその場合も投稿消すかアーカイブ化したらいいだけですね。Instagramにミックスチャンネルの文化が混じったような感覚に陥りましたぞ…。
・写真や動画の撮り方がとにかく上手
ハッシュタグ #カンダドウガ で彼女が撮影した動画が見れるのですが、手間めっちゃかかってそう。これ撮影するのに、最初に企画があるとしたら彼氏にも台本通り動いてもらわないといけないでしょう。見ててこっちも楽しくなってくるような動画でずっと見てられます。やけに旅行にも行っているようですが、こういったロケーション設定も憧れを醸成しているのかと。インスタグラマーは旅行も食事も仕事みたいなもんですな。
◯どんなブランドなのか?
肝心の彼女のブランドはどんなものか?ですが、
メインはバッグ・アクセですかね。それ以外は「ヴィンテージ」という表記なので古着の展開でしょうか。
衣料品はほぼ古着メインの展開。レトロ感のあるアイテム中心で、ちらほら見かける「YSL」や「CHANEL」の文字。ヴィンテージのシャネル使うのはドゥーズィーエムクラスさんなんかも使ってた手法なので、自社製品の付加価値上げるのにはわかりやすいやり方ではありますね。
シューズ・やベルトもヴィンテージのブランド物での展開。この世界観のヴィジュアルならヴィンテージ物は差し込みやすそうです。
衣料品のアイテム展開は「アウター」「ニット」「ジャケット」と付加価値付けやすく、比較的Webでも書いやすい方でしょう。
自社製品であるバッグとアクセが上記。バッグは特徴的でアイコンアイテムになり得そうなデザイン。インスタグラマーのブランドなだけに、インスタで映えそうなデザインにしているんでしょうか。比較的安価なので、ブランドの衣料品は見せ球でこちらが稼ぎ頭になってくれると、その後の展開が楽そうですね。自社で在庫積むなら、バッグ類のように販売期間が長くとれて利益を確保しやすいアイテムにするのがリスク低いでしょうし。
とにかくエンゲージメントが高いインフルエンサーなんで期待値は高いですね。彼氏さんもインフルエンサーなんで、そのうちメンズ展開もありえそう。ただ、いつも言う事なんですが、インフルエンサーブランドって初速はめっちゃいいんですがその後がどうなるかちょっと微妙…。インフルエンサー本人の人気だけで売れるには賞味期限がありますし、その後ブランドとして愛される為の戦略が必要になります。売れてくると在庫残さない為にもMD設計も重要になってきますし、小売のノウハウが無いと拡大していく為のハードルがどんどん上がっていきます。いつの間にかインフルエンサーの手を離れて、ブランドだけが一人歩きしていけば成功と言えそうですが。。(辺見えみりさんがやってたPlageなんかはそれに当たるのかも?)
トレンドはフルフィルメントの内製化?
体制変更後は昨年5月にできた千葉県流山の物流拠点から自社ECの商品を発送するようになる。ECサイトの更新・変更なども自社の要望に応じて新たに組むパートナー企業が担う。ゾゾ側に委託していたECに関する顧客サポートも自社の窓口と一本化する。
年末から自社ECの開発業務をZOZOから別の業者に変更するというニュースが流れていたユナイテッドアローズ(以下、UA)ですが、ZOZOへの出品は継続との事。UAはZOZO内でもトップレベルの売上なので、さすがに撤退は難しいでしょう。売上でかいと料率も低くしてもらってるでしょうから、ちゃんと利益出てそうですし。ただ、ちょっと気になるのが上記の抜粋部分。ライトオンがZOZO離脱という記事にもありましたが、ささげ業務や物流など、いわゆる「フルフィルメント」の領域を内製化する動きが目立ってきております。
◯フルフィルメントが内製化されると…
当然ですが、フルフィルメントが内製化されると、今まで依頼していたよりコストダウンできます。アーバンリサーチなんかは早い段階から、ささげ業務を内製化していましたね。同社のささげ業務のアルバイト採用見てもらったらわかりますが、撮影部隊の時給は950円です。つまりアルバイトに撮影を任せている訳ですね。プロのカメラマンに依頼すると、1時間1万円でもまだ安い方です。既に顧客がついてるブランドであれば、写真のクオリティが多少低くても売れるんでしょうけど、中々の安さで驚愕しました。
物流も自社で内製化されると、在庫をいちいちモール側へ預けなくてよくなります。在庫を預けるという事は、客注対応にとっても時間がかかってしまうという事。例えば店頭にてお客さんが欲しいという商品が他社モールにしか在庫が置いてない場合、取り寄せるのに時間が1、2週間かかったりするという事です。そうなると機会損失する可能性が高い。店頭の事を考えると、自社物流拠点でWeb在庫があるというのは機会損失を防ぐメリットがあります。
◯ECの内訳は?
質疑応答のところにて、現在のEC売上の割合が記載されていますが、
主要サイトではユナイテッドアローズ(UA) オンラインストアが約 130%(撤退事業を除く 約 139%)、構成比約 27%(前年から約4pt 増)、ゾゾタウンが約 94%(撤退事業を除く 約 104%)、構成比 約 50%(前年から約 8pt 減)、楽天ブランドアベニューが約 211%(撤退事業を除く 約 224%)、構成比約 12%(前年から約 6pt 増)、アマゾンが約 128%(撤退事業を除く 約 132%)、構成比約 3%強(前年から微 増)です。
第三QまでのEC売上で185億8900万円。で上記内訳で分けますと、
自社 50億1900万円(130%)
ZOZO 92億9450万円(94%)
楽天 22億3000万円(211%)
Amazon 5億5700万円(128%)
という状況ですかね。ZOZO比率どんどん下がっている印象がありますが、依存度下げてそのうち離脱?なんて事もありえるかもしれません。
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