見出し画像

喫茶・愛のペガサス 感想箇条書き〜大盛り〜


1 『マリンブルーの庭園』

ある旅人が砂漠を彷徨うなか偶然たどり着いた「喫茶・愛のペガサス」。こんなところに哀愁漂う喫茶店がある?蜃気楼?と思いながらはじまった一曲目がマリンブルー。透き通ったオアシスを見つけた高揚と、幻想的な時間はすぐ消えてしまうんじゃないかという不安、さびしさへの予感が入り混じった。

2 『ミラーチューン』

ふえええ、マリンブルーからの空気感の移り変わりのスピードがすごすぎて身体がびっくりした。置いていかれる感覚もありつつ、2曲目ミラチュかの驚嬉と、ACAねさん「君がいなきゃ はじまんない」です待ち望んでましたのきもちでいっぱい。ミラチュ光線を客席にたくさん打ってて、わたしも打たれた。

3 『お勉強しといてよ』

ミラチュの後すこし曲間でホーン隊やパーカッション、ドラムによるつなぎ?砂漠をのそのそ旅する場面?があってそこからの『お勉強しといてよ』うおおおおイントロのフレーズからもうすき。「昨日の思い出お洗濯したって」ってフレーズもすき。サビ前に「ずっと真夜中でいいのに。です」はもうあわあわあわああああああああ

4 『勘冴えて悔しいわ』

お勉強のアウトロからの勘冴えのイントロつなぎきもちよすぎない?きもち盛り上がりすぎハイペースすぎてすぎょい。「君がくれた毒苺」前の間奏、ピアノとかホーン隊のアレンジから自分の中を渦巻くもどかしい感情が渦巻いてる感をより感じた。だからその後のACAねさんの歌唱もより切実に響いてきた。

5 『馴れ合いサーブ』

かき鳴らす低音轟音かっこよすぎる痺れる。「不貞腐れたほうが勝ち?誰とでもダンス踊っちゃう感じ」というフレーズが似合いすぎる不貞腐れ強強低音轟音。

ここまできて勝手に深緑の物語妄想が発動。マリンブルーで「噴水の周りでみんな踊っている」のを眺めてうらやましそうにしている人とミラチュで「君がいなきゃはじまんない」と言い、鳥かごのなかにいるあなたのことを思っているを「僕」のふたりの移り変わりのような曲順?。お勉強は、一緒に過ごす機会も増えたけど、想う気持ちとか不安定さとかもあって「お勉強しといてよ」ってなってて、勘冴えで関係性がさらに変わって「君のことじゃないよ 気のせいにしたいよ」よろしくなんだか不穏な気配。馴れ合いで「仲良しこよしなんて馴れ合いサーブでしょ」と強めに不貞腐れている。そんなふたりの関係性の変化を勝手に妄想した。

MC


コンセプトの話、砂漠で戦う戦士を現地雇用している的な話。このあたりの話を聴きながらどうか「文化の盗用」とかマイノリティ性を多く持つ立場を搾取的に扱わないでね、そういう方向・表現ににいきませんようにと、自覚的でありますようにと勝手に願う。(自分も学ばねば)

6 『夜中のキスミ』


蓄音機から何曲か歌謡曲が流れ、そのなかでキスミも流れる。「飼い猫視点かよう仕立て」と言っていた文脈が立ち上がる流れ。曲を記録できるようになったからかつての名曲たち、その歴史を知ることができるんだよなとしみじみ。夜中のキスミ聴くと足でステップ踏みたくなる。

7 『違う曲にしようよ』


Aメロの低音気怠さとサビ後の「甘くて苦い〜」のほのかに甘いかわいさ。どちらの歌い方もすきすぎるし、ライブですこしラップと喋りの間のトーンの歌い方聴けるのすき、そこに詰まっている情感がすごい。

8 『不法侵入』


切実さが切実さが「君じゃなきゃだめなんだよ」の切実さが「祈るしかなくて」のあとの大サビの呼吸音、切実さが切実さが切実さがああああああああ

9 『上辺の私自身なんだよ』

MCのときに「やさしい言葉では救われないこともある」的なことをACAねさんが言っていて、それも相まって浮遊して異空間で揺らめきながら沁みる時間だった。「立ち直り方より味方でいたい」という歌詞がすきすぎる。

10 日替わりメニューコーナー

相模大野、横須賀、東京といったので、またね幻、ham、グラスとラムレーズンと出会った(はず)。その日しか聴けないアレンジで聴けるのもよいし、ACAねさんと演奏メンバーそれぞれのやりとりから関係性がすこし垣間見えるのがすき。

11『正しくなれない』


初っ端の入りACAねさんの声がすき。「偽りで出会えた僕らは何一つも奪われてないから」というフレーズのそれでも生きていこうとする力強さとACAねさんの歌い方の力強さが重なりすぎてよすぎる。

12 『眩しいDNAだけ』

あー、ほんとすき、ライブでDNA聴けるだけでもうすき。「満たされていたくないだけ」のロングトーンの喉の奥から切実に手を伸ばしているようなイメージが浮かぶ。すごい揺さぶられる。

東京公演ではイヤモニの不調でサビ前まで歌えずのハプニングありだったけどアンコールでアレンジありで再度やってくれたうれしすぎた。

13 『マイノリティ脈絡』


この流れでマイノリティかよおおおおお。「ただ自分になりたいの一刻も早く」の後のかアウトロのフェイクとか腹の底からせまってくる感じがたまらない。

14 『低血ボルト』

ピアノのイントロが美しすぎるし、DNAからのマイノリティからの低血の流れ愛ペガの中でもさいこうにすき。弱さ苦しさ悲しさ怒りもどかしさ痛みを掬いながら切実さと共に身体で踊り叫ばせてくれる曲たち。自分が気づけていない痛みに居場所をくれるからわけわからず泣いてしまったりする。

15 『残機』

ベース、徐々に残機のイントロに近づいていくアレンジがじっくり興奮できてさいこう。この曲に限らずだけれど二家本さんがベースのときは、より挑発的な色気と厚みのある音でうおおおってなる。ACAねさんの「嫌ぁ」の気怠い色気もすきすきのすき。

16 『秒針を噛む』

「はじまりの曲」。イントロのピアノからのACAねさんがかき鳴らすギターと照明の演出がかっこよすぎて。原始五周年だからこそのこれまでのずとまよの歴史が想起されて、それがまたぐっとくる。

17 『MILABO』


イントロで「みーらーぼーっ」って言ってたACAねさんがかわいすぎた。しゃもじ振りながらサビ聴いているときのあの多幸感なんなのだろう。MILABOでしか得られない多幸感がある。

18 『綺羅キラー』

カリオペさんいないverの綺羅キラー!原曲だとカリオペさんパートのところは扇風琴からのACAねさんがアレンジ歌唱。「スパイスが足りない」からのメロディラインが最高だし、「会い(愛)にきたんだよ」で、なんだろうもうありがとう愛愛愛のきもちがいっぱいで涙腺がさよなら。ライブアレンジの歌詞知りたい、円盤で早く再会したい綺羅キラーだった。

アンコール

19 『サターン』


弾き語りではじまるサターン。SSAのテスラコイル演出に出会ってからACAねさんひとりではじまるサターンへの思い入れが強くなっているわたくし。サターンという曲を歌い、それが空気がない宇宙くらい遠い距離にいたとしても届かなかったとしても「木星も月も突き抜けなきゃ」いけなかったとしてもそれでも歌い続ける。曲の途中から演奏メンバーが合流して、最後はみんなで踊り忘れずな流れもますますぐっとくる。孤独はなくならないけれど、孤独でありながら一緒に震えたり踊ったりはできるんだ。そう思える。

20 『あいつら全員同窓会』

何度でも言いたい「an dance」はじまりがすきすぎる。サビで全力ジャンプもたのしすぎる。どの会場でか忘れてしまったけれどニ家本さんが「おつかれさまです風邪気味です」のところをACAねさんと歌っていてそれも厚みがあってたのしそうでほんとよかった。というか演奏メンバーそれぞれ全力でたのしんでそうだし、その日そのメンバーその空気感だからこそのパフォーマンスで、全員が愛ペガの登場人物ですき。

21 『花一匁』

「ずっと真夜中でいいのに。の原点」とACAねさんが語りはじまった花一匁!これもライブのたびに思うけれど演奏メンバー紹介豪華すぎない?パートごとのソロ惚れ惚れするし、楽日はキーボードのむらじゅんさんなぜかギター弾いてたし、横須賀公演かどこかのときはソロ終わりにみんな「花一匁!」って叫んでて、それがたまらなくたのしそうでうれし泣きしたし、ソロからの全員演奏の荘厳さとかすごすぎて呆然としちゃうし。この時間が「さびしさに強い処方箋」よおおお、終わらないで終わらないで終わらないでえええええ

さらに感想

愛を探す旅路の途中で出会ったのが喫茶・愛のペガサスだったのかもしれない。

私にとって「愛」という言葉はおそろしい。無条件、奉仕の心、血縁などのニュアンスで使われたとき、既存の価値観を一方的に「愛」という言葉でコーティングして押し付けられる気がして息苦しくなる。また上っ面の「愛」を語られても、気恥ずかしさや虚しさを感じてしまう。だから素直に「愛」という言葉を使うのはためらいがある。

しかし今回「原始五年巡回公演 喫茶・愛のペガサス」に出会って「愛」という言葉を感想に使いたくなった。

他者と出会い、遠くから眺め、こっちにおいでよと呼び、もっと私のこと知ってよと嘆き、妙な予感にはっとし、挑発的に不貞腐れ、懐かしい思い出になると願い、願っているうちに自分自身の振る舞いに立ち止まり、そうかそういえばここは喫茶店だったとつぶやく。

さまざまな出会い、経験で生まれた傷は腐敗して沈んで香りになってふとしたときに日常で再び漂ってくる。そのプロセスから自分なりの愛が生まれてくる、のかもしれない。

ずっと真夜中でいいのに。のライブにおいてACAねさんの存在感はいわずもが。バンドメンバーそれぞれが主役になる瞬間が必ずあり、黒子とかサポートではなくあの世界の登場人物として生きてている。登場人物同士だからこそ互いに影響し合いその場限りのグルーヴが立ち現れる。バンドメンバーみんなたのしそうで見逃せない。全員主役、毎度思うけれどメンバー紹介パートも圧巻だった。

ありがとうチーム「ずっと真夜中でいいのに。」ありがとう仲間のドクロ。

独路、それぞれの孤独と共に歩もうね、望む孤独も望まない孤独も備えられた孤独も満たす孤独もあるだろうけど。そんな証、仲間のドクロ、勲章、髑髏、独路、愛、羅武、龍。2024年5月『本格中華喫茶・愛のペガサス ~羅武の香辛龍~』も期待し隊。

もうさいこうすきすき身体がよろこんだ自分が気づいていない、直視したくない感情感覚の居場所をいつも用意してくれてありがとうございます。大好きです。これからも何卒何卒です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?