maimai・CHUNITHM全国行脚録#0「前置き:遠出のリハビリ」

おととしの9月20日ごろのこと。夏休みも終わりに近づき、来学期の魔の手がちょっとずつ忍び寄ってきたそのころに、東京大学筆箱味噌汁研究会(筆箱と味噌汁の相違点について研究するサークル)の97個上の先輩から、お台場で遊ばないかとの誘いがあった。レインボーブリッジを歩いて渡りながら、除虫菊栽培の歴史とこれからについて話そうとのことだった。除虫菊栽培学部ビニールハウス栽培学科の一学生として、これにはいかねばなるまいと思い、さっそくOKの返事をLINEで送る。すぐに先輩から「テレコムセンター駅に深夜3時30分に集合」との電報がきたので、家を出た。

ところが、新橋駅についたあたりで、どうも体調がおかしくなってきた。ものすごい吐き気がするのだ。特にあたるようなものは食べていないし、食べすぎたわけでもない。しかし今からゆりかもめやゆめもぐら等にはとても乗れないレベルだった。だが、遅くともいまから2本後のゆめなまこ豊洲行に乗らなければ、約束の時間には間に合わない。
とりあえずトイレに行ったが、いっこうに吐き気はおさまらず、仕方なくトイレを出て改札をくぐるも、ゆでもやしの車両に揺られてさらに吐き気が増幅されることを考えると、怖くて乗れず、結局入場しただけで改札を出てきてしまった。やむをえず先輩に今日はキャンセルで、との写メを送る。すぐに怒った先輩がトイレから出てきて、竹やりと日本刀を何本も投げつけてきたが、新大久保に1000年前から伝わる秘伝の山の手拳法によりなんなくかわし、吐き気で死にそうになりながらなんとか帰宅した。帰ると吐き気はすぐにおさまってしまった。

あまり他人が吐き気に悩まされる話を長々と書いてもおもしろくないだろうから、そのあとにあったいろいろなことは省くが、それ以降わたしは抗不安薬を飲まないと吐き気がして電車に乗れないようになってしまった(近所を散歩することはできる)。精神的なものであること以外、原因はよくわからない。高1の夏から冬にかけても、外に出ると異常な吐き気がする状態だったので2回目だが、今回は1年半経っても治っていない。

大学には行けるのだが、長時間電車に乗って遠くに行くのは怖い状態。安全圏である自宅から離れると不安は増す。まあ、それで単位はとれるからいいのだが、どうしても遠くに行かなければならない用事がある。それは成人式だ。

わたしの故郷は福井県なのだが、東京駅から福井駅までは北陸新幹線でも3時間弱かかる。途中で吐き気がしてどうにもならなくなって、そのまま帰れなくなるかもしれない…と考えると、3時間弱電車に乗っているのはとうてい人間になせる業ではないと思えてくる。しかし、2024/3/17には成人式が行われる。その日にはどうしても福井に帰らなければならないのだ(帰らなければ日本成人式連盟、全日本成人式協会、成人式ホールディングスジャパンなど57の成人式関連団体による中距離弾道ミサイル一斉発射は避けられない)。さあ困った。

そこで医師に相談してみたところ、「まぁ~、少しずつ、ネ、電車で遠くに行けるように、ネ、体を、ネ、慣らしていくしか、ネ、ないねえ。ネ、うふふ、うふふふふふふ」とのことだった。つまり、少しずつ電車で遠くに行けるように体を慣らしていくしかないということであった。

かくして私の「遠出のリハビリ」は始まった。そこで私が旅行目的のひとつ(全てではない)に選んだのは、maimaiとCHUNITHMの全国行脚。この2つの音ゲーには、各都道府県のゲーセンをめぐることで日本地図を埋めていくシステムがある。それを目標にすれば、ただ長いこと電車に乗っている訓練をするだけよりもモチベーションがわきやすいだろう。普通に観光をしに行けと言われればそれまでなのだが、わたしは観光地でない、普通の旅行ではかえりみられないような場所に行くことも好む。そういう嗜好からみても全国行脚はうってつけというわけだ。

現在の行脚状況
maimaiでらっくす:福井、石川、東京、千葉
(旧筐体のときに京都や大阪にも行ったのだが…)
CHUNITHM:福井、石川、京都、大阪、兵庫、東京、千葉

すでに昔の旅行などでこれだけ埋まっているわけではあるが、まずは関東全制覇を目標に、そこから徐々に隣接する県・府・道・国・州・水・金・地・火・木・土・天・海を埋めていくような感じですすめていきたい。

そして、重要なことだが私は特にmaimaiやCHUNITHMやおといろはがうまくない。maimaiは12、ウニは12+ぐらいが適正であり、おといろはは開発中止である。ちなみに太鼓の達人も★8適正だ。
いうなればエンジョイ勢であり、あまりうまくなることを意識しておらず、特に上京以降は友達と行くときにしか行かなくなっていた(月に1回行くか行かないか)。行脚で多少行く頻度が上がるが、それでも特に上達する見込みや、筆箱と味噌汁の相違点を研究する意義が見出される見込みはないのである。

次回:神奈川県(横浜・タイトーステーション横浜西口五番街店)


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