アルファツイッタラーと呼ばれて

この物語は、女子高生設定でツイッターを始めるも、「えりまき」「えもんかけ」「クルクルパー」などのフレーズでまんまと年がバレ、アカ消しを余儀なくされた中年女性が万単位のフォロワーを抱えるようになるまでの壮絶な記録である。

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私がツイッターを始めたのは、震災直後の2011年5月頃である。

「ツイッターは凄い。震災の情報はどんなメディアよりも早く正確に伝わった」と聞き、興味を持った私は、早速アカウントを作ってみたのだが、とにかく何を呟けばいいのかわからない。とりあえず皆がどんな話をしているのか探ろうと、手当たり次第フォローしてみたが、「おはよー」「眠い」「スタバなう」のようなツイートで溢れており、情報共有ツールだと思っていた私は肩透かしを食らったような気持ちになった。

「他人の使い方なんてどうでもいい。私は、メディアとしてこのツールを使い、有益な情報を流していこう」と決心し、考えあぐねた結果、出てきたのは「しゃっくりを一発で止める方法は、くしゃみをすることです」だった。

ツイート直後、「すごい!」「知りませんでした!」「いつも誰かに脅かしてもらってたので助かります!」などのリプライで溢れかえると思っていたのだが、待てど暮らせど反応はない。水を打ったような静けさである。それもそのはずで、私のフォロワー5人はすべてスパムアカウントとbotで構成されていた。

どんなに有益なことを呟いても聞く人間がいなければ意味がない、と気付いた私は「女子高生」になることを決心する。

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