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果たして、胃袋をつかめば男をつかめるのだろうか

『男をつかみたいなら胃袋をつかめ』って、よく聞きますね。昔から語り継がれてきた神話のようなものです。

料理上手の奥さんだと、旦那さんは晩ごはんが楽しみで、仕事が終わればすぐに帰宅する=浮気もしない、家庭も円満。

という理論だそうです。果たして、本当にそうなのでしょうか。

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私は、食べるのが大好きです。作るのも好き。おかげさまで、32歳の今も順調に成長しています(つまりデブ)。さすがにドクターストップがかかったので、早くなんとかしないといけません。

それはさておき。

彼女・嫁が料理を作るのがヘタだったらどうする?

旦那(49歳)に、「もしウチが料理作るのへたくそやったら、どないしとった?」と聞いてみました。

旦那『そんな女はいらん』

なんとも旦那らしい回答でした。

(よくよく聞いてみると、できないならできるようになればいいだけ、という話でした)

私の旦那は、“作ろうと思えば作れる”(本人談)けど、料理は作りません。
※旦那の作った味の濃ゆ~~~い玉子焼き、味の濃ゆ~~~い唐揚げの卵とじ、味の濃ゆ~~~い豚キムチだけは食べたことがあります。

そして、「めし」「風呂」「ビール」と、やってほしいことを単語で言うような、典型的亭主関白パターンの人間です。
※そんな旦那が大好きなので、せっせとお世話をするのも特に不満なしです。

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次は、私の弟2人(長男30歳・次男28歳いずれも既婚者)に「もし、奥さんが料理できひん子やったら、どないしとった?」と聞いてみました。

長男『主に自分が作るかも。相手にやる気があるなら、徐々にやってってもらうかな』
次男『レシピ本とか買って、一緒に作ってみようぜーってな感じに持って行くかな?』

なんとも二人らしい回答でした。

長男は手の込んだ料理が作れるし、特に唐揚げが最高にウマいです。次男はお弁当屋さんでのバイト経験があるので、料理することに抵抗はなく、今でもたまに作っているようです。2人とも優しいし、次男はかなりのイクメンです。

私の場合は胃袋をつかめたのか

私が旦那に初めて手料理を振る舞ったのは、伝説のゲロホテル事件から何ヶ月か後のことだったと思います。

急遽作ることになって、冷蔵庫にあったものを使い、親子丼とサラダ、味噌汁(合わせ味噌使用)を作りました。

まだ今ほどの信頼関係が築けていなかったので、旦那も言いにくかったのでしょう。少し申し訳なさそうに「ちょっと味が薄いかもしれんな」と言っていました。
※今だったら、平気で「しょうゆくれ」「味噌汁は赤だしにしろ」と言いますね。

関西出身の私は薄味を好みますが、コテコテの名古屋人である旦那は濃い味を好みます。私がめちゃくちゃ大好きなNHKの朝ドラ『ごちそうさん』で、こんなエピソードがありました。

東京から大阪に嫁いできた主人公・卯野 め以子が、大阪で食べたうどんを薄味だと感じるが、周囲の客はおいしそうにうどんを食べている。旦那も「昆布がよう効いててうまいでしょ」と言う。め以子にはそれがわからない。そこで何日か断食をし、うどんを食べる。敏感になった舌が昆布のうまみを感じ、そこから“大阪の味”を習得しようと奮起する。

そして、め以子は家族のために大阪の味を学び、みんながおいしいと思うものを作るようになります。

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私も、旦那がおいしいと思うものを作りたかった…だけど、塩分過多は嫌だったので、薄味を貫き通すことにしました。もちろん少しでもおいしいと思ってもらいたかったので、スパイスや香味野菜を取り入れるとかの工夫もしながら。そんなこんなで、付き合っているときは、毎週末いろんな料理を作っていました。
※スパイスや香味野菜を使うと、より味が濃く感じられるそうです。今は薄味に慣れたようで、よく「おいしい」と言ってくれます。7年も一緒にいればそんなもんです。

旦那は「家庭の味」「手作り」に飢えている人でした。そんな人にとっては、手料理はとても大事な要素。毎日「今日の夜飯なに?」と聞いてくるので、楽しみにはしてくれている様子。一応、胃袋はつかめたようです。

だからといって、それだけで結婚した訳ではありません。“一緒にごはんを食べる”はじめ、どこかに出かける、家でゴロゴロしながらテレビを見る、そんな“体験”というか“生活”。それを、ただただ、積み上げていっただけに過ぎません。この積み重ねが、それぞれの体の一部になってゆき、なくてはならない存在になった。そういうことなのではないかと思っています。

胃袋はつかめなくても男はつかめる

弟たちにとって、手料理はそれほど重要なことではなかったようです。次男は「そりゃできた方がいいけど、できないからといって別れるわけでもない」といった感じですね。世の中の男性全てに意見を聞いた訳ではないので、100%ではないと思いますが、「胃袋はつかめなくても男はつかめる」と言ってもいいでしょう。

たまにドヤ顔で「男は胃袋でつかめ!」と言っている人を見かけますが、そこまでドヤるほどのことでもないと、私は思っています。私自身はそんなアドバイスをしたことすらありません。

それに、料理ができないだけで切り捨てる男性もどうかと。そりゃあ、誰だってできないことの1つや2つはあるでしょう。

もし上達したいと思っているなら、やればいいだけのことです。料理は、やればやるほど上達します。たまに「どんだけやってもヘタ」なんて人もいますが、あれはどこかの工程で何かを間違っています。お手本を見るなど、一つ一つ丁寧にやってけば、必ず上達します。

そして、料理上手は浮気されないのかということですが、浮気されます。浮気をする人は、そんなことは関係なくするのです。そういうカップルを間近で見たこともあります。

胃袋よりも何よりも、大事なのは心をつかむことなんじゃないか。私は、そう思っています。


サポートしていただいたお金で、旦那さんにごちそうするのが夢です。