【漫画】だおんはなぜ人間界に来たの巻
この記事はペパボデザイナー Advent Calendar 2018の7日目です。
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だおんは、雲の上にあるきゃわわ王国というところで生まれました。
八百屋を営む厳しいだおパパと、それを陰ながら支える優しいだおママの3人家族です。
だおんが一人息子ということもあり、両親の愛情はだおんにたくさん注がれ元気いっぱいに育ちました。
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思春期を迎えただおんは、進路のことで父ともめました。
父としては先祖代々からある八百屋を継いでほしいという気持ちですが、だおんはそれを拒みました。
なぜならだおんは人間界へ行ってみたい、という気持ちが強かったからです。
父にそのことを打ち明けましたが、反対されました。
だおんは家出することを決意します。
家を飛び出しただおんは、そのまま人間界へ行くことにしました。
ですが、人間界へ行くには雲の上から飛び降りないといけません。
飛び降りる不安と、初めて人間界に行くという不安がありましたが、人間達にあってみたいという衝動がうらまわり、勇気をふりしぼって飛び降りました。
風に飛ばされだおんが降り立った地は、東京の大都会「渋谷」でした。
周りを見ると「人・人・人」
だおんが想像していた以上の多さで、急に恐怖が押し寄せてきました。
そしてなぜだか、お腹もすいてきました。
人間達はだおんに驚くと思いきや、皆スマホやイヤホンで自分の世界に入り込んでいて、誰もだおんに気づくことはありませんでした。
行くあてもなく、とぼとぼと歩いていると
「あんた、どうしたんだい?^^」
と声がしました。
見上げるとそこには、笑顔でこちらを見る恰幅のよいおばちゃんが立っていました。
初めての人間でしどろもどろでしたが、両親と喧嘩したこと、家出したこと、お腹が空いていることを話しました。
「あら、それは大変だったわね〜」と眉毛をハの字にした笑顔でおばちゃんは、ごそごそとバッグをあさり始めました。
すると「うちの残り物なのよ〜」と言いながら、バッグから"白い物"を差し出してきました。
これが一体なんなのか、だおんには分かりませんでしたが"食べ物"ということだけは分かりました。
だおんは1日何も食べていなかったので、勢いよくむさぼりました。
その"白い物"は少し冷めていましたが、口の中でほどよくつぶつぶがほぐれて、丁度いい塩っぱさで、だおんが今まで食べたことがない未知のもので、衝撃的なおいしさでした。
おいしさのあまり興奮しただおんは、これが一体何なのかを聞いてみると
「なにって、おにぎりよ。」
と、拍子抜けした顔でおばちゃんは答えました。
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ふたりはベンチに座り、お話をしました。
おばちゃんは、夫が亡くなってひとりでおにぎり屋をきりもりしていることを教えてくれました。あと、高校3年生の息子がいることも。
大変そうと思っただおんは、そこで手伝わせてほしいとお願いをしました。
おばちゃんは少し考えて「 いいわよ!」と、了承してくれました。
こうしてだおんは、おばちゃんのおにぎり屋でバイトをすることになったのでした。
だおんは、ここで修行してきゃわわ王国でおにぎり屋を開くことを夢見ています。
(おわり)
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