LayerXが賭ける「次の10年」

はじめに

LayerXの福島です。先月LayerXのMBOを終え、創業から7年つとめましたGunosyの取締役も退任いたしました。MBOの経緯に関してましては大量に記事が上がっていますのでそちらを参照いただくとして、この場では改めてこの7年間お世話になった方にお礼を申し上げたいと思います。改めて7年間ありがとうございました。

さて、この記事なんですが、今後月1-2回くらいで僕の考えや、LayerXが何を狙っているのか、日々変わっていくビジネス環境の中でどういうことを考え、どういうアクションをしてるのかを発信していきたいと思っています。

第一回は、いま改めてこの10年間を振り返り、次の10年間何に賭けるか、なぜこのタイミングでブロックチェーンに張っていくのかをまとめたいと思います。

10年間を振り返って

僕の事業に対する考え方は常々どのマーケットにはるか、そこはテクノロジーで10倍レバレッジかかるのか、そこに自分や仲間たちがかけるだけの社会的意義はあるかという点で見ています。

短い経験ながらこの7年間の経営経験で思うのは、とにかく伸び続けるマーケットが重要で、成功かどうかのほとんどはそこが決めているなということです。(そこの寄与度に比べると実力なんていうものはほとんど関係ないなと言えるほどに)

この10年間のトレンドをかんがえると、張るべきトレンドは3つあったと考えています。一つはスマートフォン、もう一つは機械学習、最後はクラウドコンピューティングです。

上記のトレンドを言い換えると誰もがどこでも繋がる計算機をもち、その計算で動くものは知能を持ち始め、それらを動かすためのグローバルなスケールのインフラが誕生したということです。

つまり、「ソフトウェアが世界を食っていく」ということが始まったよねと振り返られる10年だったのだと思います。

事実この10年で生まれた会社は上記3つを生かし、大きなスケールを生み出しましたし、それ以外の領域はほとんどリターンに貢献しないというような構図だった思います。

私が創業したGunosy社も、スマートフォン×機械学習という領域に張り、クラウドをフルに生かす形で少人数、ハイスピードでスケールさせるという文脈にのったことが一番大きかったと思います。ここに張れたか張れなかったかだけで最終どれくらいの社会インパクトを残せるか、ビジネス的に言い換えると企業価値や創出利益の大きさが決まってしまったということです。残酷ですが、そこの大きさと比べると日々の努力も無駄になってしまいます。

もう一つ違う視点で、この10年間、結局何が変わったかを考えると、広告領域とコマース領域が完全にソフトウェアに飲み込まれたということです。

いま世界最大の広告会社はどこでしょうか?コマースの会社はどこでしょうか?

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世界最大の広告会社はGoogleですし、世界最大のコマースの会社はアリババなのです。今見ると当たり前かもしれませんが10年前, 20年前にこのことを自信を持って言えましたでしょうか?

ここ10年で見たときに、大きな抗えないコアテクノロジー(スマホ、機械学習、クラウドコンピューティング)に張り、「広告かコマース」でマネタイズしていくことが完全に正しかったわけです。

また、その大きなマクロトレンド通り、日本の起業のイメージも「メディアかコマース」みたいなものが多かったと思います。

次の10年間

では次の10年間はどういう土俵、枠組みを作り上げ戦っていくべきなのでしょうか?

色々な視点がありますが、僕がこういう時によく考えるのは、世界で一番賢い人たちはどこに張っているかを調べることです。

事業の立ち上がりは賢さだけでなく、我慢や信念が必要なので時差があります。一方、お金の流れはより軽く、より速く、より素直です。なので世の中のお金の流れをフラットに見ることが、今の自分の制約からはなれて世の中のトレンドを知るために有用と思います。

例えば、最近のユニコーン上位はこうなっています。(リサーチしてもらった時期が半年くらい前だったので少しデータが古いですが)

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身近なところでいくとビジョンファンドのジャンル別投資比率はこうです。

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僕の大好きなa16zはこの十年はクラウドと機械学習に投資して、いまはブロックチェーンが次のコアテクノロジーと考えて投資し続けています。

次の10年の成長は、メディアやコマースというよりは、それ以外のリアルな領域で起こっていくと、少なくとも世界のトップVCたちは思っているということです。

このようにソフトウェアが広告と小売を飲み込んだ後の世界では、リアルな世界をとうとう飲み込んでいくはずです。

僕が考えてるマクロトレンドは、べたべたではありますが、IoT(センサーデバイスという意味で)の普及、(引き続き)機械学習とクラウドによるソフトウェアの知性化とスケール化、それに加えてブロックチェーン(センサーをトリガーとした価値の支払い・受け取り、ロバストなデータの共有、バリューチェーンや競合をまたがる利益の創出のインフラとしての)がテクノロジーではるべき領域と捉えていて、産業という意味では、金融・モビリティ(物流含)・不動産の領域でマネタイズする会社が大きな成長を享受すると考えています。

このトレンド変化は結局は今までソフトウェアで解決できる領域、コントロールできる領域が情報のレイヤーだけだったのが、今後は知能のレイヤー、価値・信頼のレイヤー、モノのレイヤーに広がっていくことが大きいのだと思います。

なので今後10年の起業は今までのようなイメージ、小資本で始まり、メディアや絞った領域のコマースで成長していってプラットフォーム化していくというものではなくなります。(その領域はプラットフォーマー×強い個人によるスモールビジネスの掛け合わせとなるでしょう。) 

今後の起業のメインストリームは、リアル産業×ソフトウェアの課題をニッチに解決し、そこからプラットフォーム化を目指すというような会社が増えていくと思います。

これがこのタイミングでブロックチェーンというインフラを王道的に金融に適用していくという事業にLayerXが張る理由でもあります。

また今後の事業や領域も上記のトレンドを意識して拡大させるつもりです。

次の10年は、テクノロジーを活用することで、日本の重たい産業の生産性をリブートすることをミッションに頑張りたいと思っています。

LayerXでとりたいリスク

最後にこの10年間、自分がどんなスタンスで仕事に臨もうかという話をしたいと思います。

この業界にいて思うのは、成功と本人の実力など何も関係ないなと思わされます。ベンチャーエコシステムという大きな流れの中で、さまざまな機会にリソースが張られています。流れてるお金がたまたまその瞬間の幸運な人の下に滞留します。当然ベンチャーをやるからには自分の全身全霊をかけて本気でやることで1%でも成功確率をあげ、社会にいいインパクトを出したいと思ってますが、とはいえほとんどは運で決まってしまうなという思いもあります。

自分を成功者というにはあまりにも何も成し遂げてないのでためらわれますが、世間一般では幸いにも成功したと扱われる中で思うのは、ただただ自分は運がいいだけ、ベンチャーエコシステムに食わしてもらってるだけということです。なので、この幸運は次の幸運に還元されるように全て使いたい、それで少しでも社会が変わればと思っています。どうせ、その幸運を使うなら自分の小さな欲を満たす為ではなく、社会の大きな欲を満たすために使いたいともおもっています。

思えばこの日本という国の課題は明白で、人口ボーナスからの都心集約型の成長モデルから、情報産業的な、資本・知識集約型の社会にどう転換するかの一点と思っています。またそのためのリスクを取れずに停滞してしまった30年だったのかと思います。資本・知識集約型の社会は必然的に多産多死で少人数の幸運なチームに勝利が偏るような構造になります。なので一度幸運を得たらそれを使いさらにより大きな幸運を社会に作り出すためにリスクを取とることが、幸運を得たものの使命ですらあると思います。

幸いにも31歳にして、リスクを取れる立場ですので、今まで学んだこと、えてきた幸運を全て、上の課題、テクノロジーを用いて日本社会の生産性を上げる、ということに使いたいな、自分の幸運をもう一度試してみたいなとおもっています。

誰かが取らないといけないリスクなら、それは自分が取りたいし、それを一緒にとってくる仲間とリスクリターンを分かち合いたいなと思います。

というわけでLayerXは来たる次の10年の流れに対して、ブロックチェーンを軸とした、産業のデジタル化、特に重い産業の生産性向上をテーマに、本気で日本を改革しよう、よくしようという取り組みをしていきます。

そのためには、パートナーも、一緒に戦ってる仲間もどんどん集めていく必要があります。

ブロックチェーン限らず、デジタル化全般で何していいか迷っている、高いコンサル料を払った結果プロダクトが何もできなかったという不信を抱いてる企業の方がいましたら気軽にお問い合わせください。

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今後、インターネットやソフトの表層だけで解決できる課題ではなく、リアルな課題をソフトウェアやデジタル技術を活用することで解きたいとおもっている人がいれば、是非一緒にリスクを取りましょう。あなたの知恵や技術を待っている社会課題がたくさんあります。一緒に世の中を変えていきましょう。絶賛採用強化中です。

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yoshinori fukushima

LayerX CEO, Gunosy創業者, エンジェル投資家。大学時代はコンピュターサイエンス・機械学習を研究していました。テクノロジーを武器にしたスタートアップエコシステムの拡大に人生を賭けています。

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