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survive to alive

ビジネスの勉強をしに、東京に来ています。
けどもう既にへとへと。
heeのライフは、ほぼ0よ!!

というのも、宿の手配でへとへとになったから。

うっかり宿泊の予約を忘れていて1週間ほど前に宿を予約しようとしたら、軒並みビジネスホテルなどが埋まっていて、残っているのは一泊3-4万とか6万とかばかり。

しかも特に高級とかでもない、普通のホテルがよ!?

何事!?と思ったらこの時期、多分新入社員研修とか異動に伴う引越しの合間の期間とか、何かと混み合う時期っぽい。

そんなん知らんよ〜!!
会社員経験ほぼ皆無なんやから!!

気を取り直して探し回るも、見つかるのはカプセルホテルばかり。
それも男女共用は満室で、男性専用ばっか。
ごくたまに女性専用。

そこでめちゃめちゃ悩んだ。

男性専用は、バレて身分証明書の提示とか言われたら申し開きができない。
万一だが、性(だけでないが)暴力被害も心配。強盗とかに遭ったら勝てない。風呂とかも入りにくいってか入れない。

女性専用は死ぬほど気まずいが、まだ説明ができる。
(俺は生まれの性は女性のノンホルノンオペで、身体的特徴は典型的な女性の要素を多く有している)

とまぁ、悩みに悩んで女性専用を予約した。

ひとしきりシュミレーションした。
チェックインして即ベッドに篭れば大丈夫かなとか、風呂は誰もいない深夜ならいけるか?とか、、
服装はできるだけシンプルでスポーティーとかアウトドアな感じだと、アスリートや大学生っぽく誤魔化せるかなとか、やりとりの声は高めでいこうとか。

こんな風に不安や心配ばかりだったが、今朝夜行バスで新宿に降り立った瞬間思った。

待て。
これ、シス男性なら絶対ない選択肢だよな?


そもそも自分の不安や不自由で手一杯だったが、周囲の女性の宿泊客はどうなる?
俺のような外見の人が隣の部屋にいたりすると恐いかもやし気になるかもしれんし、フロアに女性だけのはずなのに?って、すれ違う人が驚いたり不安になるかもしれん。

いや、もちろん女性にも様々な外見の人がいて、背がとても高いとか声が低いとかボーイッシュとか筋肉質とかいろんな人がいるのは重々分かってる。
だけど、俺は訳が違う。

普段男性として暮らしてて、(やむを得なかったとはいえ)今だけ女性専用の場を使用するってどうなの?

自分としても一貫性がない。なんか都合よく使い分けて、ズルいことをしている気がする。
そしてやっぱり女性スペースにいるのは死ぬほど気まずいし申し訳ない。想像するだけで罪悪感と不安が尋常じゃない。

そう思い至ると、自分の一貫性のなさや想像力の及ばなさに耐えられなくなり、結局カプセルホテルはキャンセルし、朝6時から3時間宿を探しまくった。
最終手段は1泊3万か…!と慄きつつ探し回ったが、2泊をばらけさせ、移動時間に目を瞑ることで、どうにか手頃なところを見つけることができた。ラブホやけど。

元のところは当日キャンセルしちゃったからキャンセル料がかかってしまったが、背に腹は変えられん。

トランスバッシングも激しい昨今、一層自分の振る舞いには気を付けねばと思うし、自分がしんどい時でもシス女性の心理的安全をできるだけ脅かさないようにしたい。
(これは俺の個人的考え方で、トランス全般に単純に「そうすべき」なんて当て嵌めるものではありません。個別のやむを得ない事情があるから。生きにくすぎるこの社会の中で、望む望まざるに関わらずうまく自分を使い分けていることも全く否定しません)

俺は、だけど、一市民として当然、人を不必要に脅かしたくなんてない。
できるだけ他者の安全や尊厳も守りたい。
そう思うと、今回気がついて、さらに別の選択が実際にできたことはホッとしたし、嬉しかった。

多分あのまま泊まってたら、今後事あるごとに思い返して罪悪感とか後悔に苛まれた気がする。
積み上げてきた男性としての自分のアイデンティティが揺らいだり混乱が生まれたり、トランス男性として生きてきた自分の矜持が萎んだかもしれない。
説得力を持っていろんなメッセージを語れなくなったかもしれない。

他者を脅かさないだけでなく、何より自分自身のために、思い留まって本当によかった。(繰り返すがこれはあくまで俺個人の考え方です)

でも、それとは別に。

日常的に選択肢が狭いことは、ほとほと悔しい。それに辛い。

シスだったら思い立った時に安く快適に移動したり宿泊して、自由に動き回れる可能性が高い。
トランスだとなぜ、ずっと前から想定したり、不便なところや高額な個室を選ばざるをいけないのか。

自分の自由や可能性の探求を事あるごとに阻まれてしまう感じがして、苦しくて、とにかく悔しい。

この窮屈さや不便さ、気まずさ、罪悪感、居た堪れなさやよるべなさを、なぜ個人で背負わなくてはいけないのか。
こんな選択肢の狭さを「仕方がないから」と諦めたくないのに。

他者がそのままでいられるだけで当然享受できる自由や選択肢を持てない人がいるのは、自分も含めて、このままになんてしたくないんだ。

歌舞伎町の一角のラブホテル、ダブルベッドひとつでいっぱいの個室で強く思う。

俺はこんな理不尽を少しでも解消して、
誰もが社会の不平等に阻まれることなく、
目いっぱい自分の可能性を探求し、
最大限生命を使い尽くせる社会にしたい。

そんな人が増えていけば、
自分に満足する人で溢れる。

そうなると、きっと他者に暴力を振るったり、人と比べて自分は何もできないと落ち込んだり自責する必要なんてなくなると思う。

surviveから、aliveへ。
イキイキ自分らしく生きることを探究できる環境を、全ての人に。
そのために、必要なことをspeakoutする。

困難から蘇る不死鳥のように、いつも追い詰められた時に大切なものを見つけてきたが、今回も大事なものを見つけたぞ。
タダじゃ転ばん。

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