時価総額別にSaas株についてざっくり語る

今回は銘柄を見る際に必ず見る、時価総額の観点からSaas企業を分類します。

時価総額〜100億

これはあまり注目されていない企業が多いですね。

単にバリエーションが低いことが多いので、掘り出し物が見つかることがあります。注目されていない事もあって、株価が上がるには時間がかかる銘柄が多いです。業績が伸びている株を2年〜5年くらい保有しているのであれば、一番リターンが大きいと想定されます。

この規模感で注目しているSaas銘柄はいい生活(3796)とシャノン(3976)です。

いい生活(3796)

Zeppy井村さんの紹介で知った、不動産向けSaas。低いチャーンレートが特徴。新規受注数が少なく売上が伸びない。損益分岐点は超えているので、売上さえ伸びれば利益の伸びも相まって、株価が跳ねるかもしれない。

シャノン(3976)

数年前に上場したマーケティングの会社。上場時は初値が暴騰した記憶があるものの、最近はすっかり忘れ去られていた。サブスクリプション売上は伸びているものの、その他の売上が減少しており、全体的に伸び幅が小さく見える。売上全体に占めるサブスクリプション売上の比率は高まっており、フロー収入の減少を打ち消してなおサブスクリプションの伸びが見えてくれば、もっと評価されるかも。

時価総額〜500億

この範囲には、有望なSaas企業がいっぱいいます。この規模感のSaasは、ミスプライシングもしょっちゅうあるものの、3ヶ月〜6ヶ月以内には適正価格に修正されてきます。なので、短期で儲けたい場合は、この規模感で明らかに割安な株を探すと良いでしょう。

この規模感で注目しているSaasは手間いらず(2477)とHennge(4475)です。これらはどちらも、相当適正なプライシングになってきていると思います。

手間いらず(2477)

サイトコントローラーを提供。もともとは比較.comの運営がメインだったが、もはや影もない。アホほど高い利益率が特徴。この成長率の高さ、利益率の高さ、固定費の小ささ、変動費の小ささでPER50倍は割安に思えるが、TAMの小ささがネック。この株を買うなら、日本のホテルの数と旅館の数は知っておきたいところ。

Hennge(4475)

企業のセキュリティSaas。主要な製品はIPアドレス制限やシングルサインオン。驚くほど低いチャーンレートが特徴。損益トントンまで来ており、CFを稼ぐまであと少しというところ。顧客企業のユーザー数の平均は1000人くらいなのだが、そのくらい以上の従業員を持つ企業は4000社くらいしかない。だがこちらはTAMよりもむしろ、成長のゆっくりさが嫌気されて今の価格水準に落ち着いていると思われる。

従業員数1000人以上の企業数のソース

http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/kihon/kihon_eikyou/pdf/02_2_chosakai_todoufuken.pdf

時価総額〜1500億

時価総額が500億を超えてくると、手間いらずのようなミスプライシングはほとんど見つからない。例外は上場して1年以内で、評価が定まっていないことや、VCの売りが入るなどして割安な値段になることもあるが、この規模感の企業が割安に思えた場合、大体自分が何かを見落としているw

ユーザベース(3966)

主要なプロダクトはSPEEDA, Newspicks, Quartz。最近はForcasも仲間入り。Quartzへの投資が嫌気され最近は株価が低迷。経営陣へのSOの条件に時価総額やEBITDAがあるもの、一株利益などは条件として設定されておらず、その点が株の希薄化を起こすインセンティブになるのではないかと不安視されていると勝手に思っている。本決算の発表を2月に控えており、ガイダンスによって株価がはねたり沈んだりするであろうと容易に予測できるので、あまり触らないほうがいいと思う・・・。

Sansan

それ、早く言ってよ・・・・。Sansan事業はすでに黒字で、Eight事業にリソースを投下中。

Sansanは去年の11月に株価予想記事を書いたのでぜひw

当時は株価が大分安かったですね。

マネーフォワード

B向け会計システムと、C向け家計簿アプリ、金融機関向けアプリ開発が主力。中でもB向けの会計サービスが最重要。最近チャーンやリテンションといった情報を公開するようになり、注目している。全力で赤字を出しながら、売上を積んでいくスタイルが海外投資家に評価されている。

弁護士ドットコム(6027)

Saasの文脈で語るときは、クラウドサイン事業のことになる。TAMの大きさと、現時点での国内シェアの高さが高く、非常に高いバリュエーションになっている。SMBCクラウドサインという会社を設立したが、銀行の契約がすべて電子締結に置き換わるなどしたら、アツいとかそういうレベルではない。直近では減益決算を発表し、少々株価水準を切り下げ中。

時価総額1500億〜

時価総額1500億超え。すごい以外の感想がない。

この辺の企業は、基盤を確立して複数の事業を持っており、

ラクス(3923)

楽楽精算をはじめとする中小企業むけSaas企業。他のSaas企業の多くが赤字や赤字すれすれの決算を出しながら成長している中、普通に利益を出しながら成長していてすごい。マザーズの時価総額ランキングでは3位で、時価総額は底値から毎年2倍になってきた。さすがにそろそろ高値が来ていると思うが・・・そんな株に限って上がったりする・・・w売上の30%増収を連続で達成中。

インフォマート(2492)

BtoBプラットフォームの会社。こちらについては現在情報収集中のため、コメントは割愛します。

サイボウズ(4776)

グループウェアの会社。キントーン、ガルーン、サイボウズOfficeの3つが主力。もともとオンプレのソフトを販売していたが、数年前からSaas化して大成功。足元の業績も好調。メールなどはMicrosoftやGoogleがガチ競合になるのが怖いところだが、彼らは日本の稟議システムをリプレイスしようとはしないのではなかろうか・・・。


終盤はちょっと疲れてしまったw

来年この記事を読むと、また違った世界が見えそうで楽しみです。

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