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萩原聖人の絶望の道 Mリーグ10/5 第2試合

Mリーグ2020が開幕し、ハギーは第2試合に登板した。

勝ちっぷりがニュースになるのは普通だけど、負けっぷりがニュースになる人はハギーしかいないと思う。知人が雷電ファンである理由を読み、やっぱ魅力あるんだと思ったわ。なのでハギーを追う。

勝又健志×岡田紗佳×萩原聖人×藤崎智

ハギーの細い道

東1局、ハギーは序盤に南がカンコって、それをずっとキープしたまま、手狭に手を進めた。

萩原T1-0

→ここから5m切り。

萩原T1

→ここから8p切り。

役として見えるのは三暗刻だけ。三暗刻かカンしてリャンメンリーチに行けなかったら、この手は価値がないと思えば、この打ち方はおかしくはない。

自分が先制リーチになりそうな目途が立たないと南カンはできないから、この構えはアリだろう。

でもさ、こうして12枚麻雀で先制好形テンパイしようって、すんげー細い道だよね。この打ち方がおかしいとは言えないけど、ハギーの行く道の細さを象徴してるなーと思った。

岡田の新しさvs萩原の古さ


東2局1本場、この配牌から岡田は中を切った。ピンフ形で速い手なら役牌から切るのは今のセオリーだ。

岡田1

東2局0本場、岡田はこの手↓ですらも第一打に中を切った。

岡田0

これはだいぶ現代的で、アマチュア戦術的(いい意味、よく勉強してるということ)だ。Mリーガーでここから中を切る人は少ないと思う。

親で、この手牌で、理想の進行は何かといったら、役々ポン赤1より先制リーチだから、大差ではないけど中切りの方が優秀。

こういうのが言語化され、常識化してきたのは、最近5年くらいのこと。それ以前から麻雀を打ってる人たちは、これが常識とは思ってない。

一方、萩原はこれほどの手↓から第一打1s切り。意味なく東を残してしまっている。

萩原1

昔はこの打ち方が普通だったけど、今となってみると、どうせ次巡切るんだから1巡でも早く切った方がいいし、この手はピンフリーチ以外いらないので、東がトイツるより1sがトイツった方が嬉しい。理屈で考えたら、どう考えても東切りだ。

追記:これ異論いっぱい出ました。1sよりは東が重なった方が嬉しいという人が多数。

ハギーは若いとき、持ち前のセンスで勝ちまくってきたけれど、実戦を重ねて感性を磨く練習法だと、こういう戦術の進歩を吸収できず、時代遅れ打法となっていってしまう。

以前、子の第1打東切りについてブログに書いたら「へたくそ、親にポンされたら戦えない」みたいなコメントがいくつもきた。Mリーグが始まった年だから2年前のことだ。そのコメントをよこした人たちって、みんな老人だと思う。老人というのは、肉体年齢じゃなく麻雀の戦術年齢ね。覚えたときの戦術のままだと陳腐化しちゃうんだよ。麻雀の世界でも。

打法と場がズレてる人が多い

そういった古さとは違うけど、打ち方が違ってると思うのがこれ。勝又は、ここ↓から第一打に5mツモ切りした。

勝又3

チャンタ三色になったときだけ前に出る。そうじゃない限り、守備重視という打ち方。一発裏なしをベースにしてる人たちがこういう打ち方をよくする。麻将連合とか101とか。

一発裏があって赤もあってオカもあるMリーグでは、こういう守備的な構え方は損だよね。打ち方のバランスが、他のルールの競技麻雀に引っ張られている。麻雀プロ病だ。

結果としてこんなテンパイ↓になって全然いいんだもん。

画像8

岡田のスタートダッシュ

さて、そんなノーガキはともかくとして、実戦の進行を見ていこう。

東1局、勝又はタンヤオ風味ドラ3のこの手↓で、棒テン傾向の打7pを選んだ。

勝又1

しかし次巡、カン8mでテンパイしながら、テンパイ外しの打9m↓

勝又2

おいおい、ここでリーチしないなら最初から打9mとしておこうよ(;^ω^) テンパっても9mを切るんだったら、最初から9mを切って7pを残しておいた方が良かった。一貫性がない。

麻雀では刻々と変化していく状況に対応していく方が大事で、一貫性というのはそんなに重要なものではない。しかし、勝又のわずか1巡の間での棒テン→クイタンという方針の転換は場当たり的で、明らかに損をした。勝又って緻密に組み立てていく麻雀だと思うので、こういうのは勝又らしくないと思うなー。

この局の結果は、親マンテンパイの勝又が、岡田のリーチに5200点の振り込み。

岡田の勘の良さ

東2局、親番の岡田は、ここ↓で長考した。

岡田2

そして白切り。チートイの1シャンテンよりメンツ手の2シャンテンとした。ソーズの7788を2メンツにしなきゃいけないから強気な打ち方だ。たぶんAIに局収支を判断させたらチートイ優位になると思う。

しかし、この打ち方がうまくいって、岡田はピンフ赤のリーチになって一発ツモ。4000オールで2着目と2万点差をつけて抜け出した。

チートイツに行ってた場合は、場に切れている枚数からたぶん5pを切って即テンパイ。待ちが中張牌なのでリーチはせず、ピンフでリーチするときの入り目9sで、9s待ちリーチになったと思われる。だからリーチ巡目は一緒になる。そのときは9600点リーチで、一発ツモにはならず続行中だった。どっちにしろ親マン級の打点のリーチがかかっていた。好調だよね。

絶好手を捨ててしまった絶望感

ハギーは苦しい。なぜなら、他人が親マンをツモるのはハギーの必敗パターンだからだ。ハギーの麻雀は、手を高く、テンパイは遅くの方針で、参加率が低い。それを打点で補おうという方針だ。だからツモアガリが多い展開は地蔵負けが多くなる。それでも戦えているのはみんな守備的なMリーグだからだ。アマチュア強者が多い場だったら、さらに地蔵負けが増えそう。

違和感が最大となったのはこのシーンだった。ハギー、絶好のドラ4pをツモったところ。ここ↓で6pをつまんで切りかけて、手を戻してしばらく考えてから9pを切った。

萩原4

4pをツモってから9pを切るまでに13秒。駄目だこりゃ。最近打ってないんじゃねーの? Mリーガーになると、調整のための麻雀を打つ場所が難しくなると思うけど、こんな手で考えててどうするよ。こんなの9p以外に何を切るんだ?

正直、俺はこんな上から語る立場でもないと思うんだけど、この考慮時間を見たら、上から語ってしまうわ(;^ω^)

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