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Mリーグ開幕戦、ハギーは面白い麻雀を打ったのか?

開幕式にて

コバミサ「チームの代表者から、シーズンに向けての抱負をうかがいたいと思います。まずはチーム雷電を代表して萩原聖人選手お願いいたします」

ハギー「今シーズン、我々は、これまで以上の責任感、危機感、十字架を背負って戦うことになります。しかしながらチーム雷電、萩原聖人、瀬戸熊直樹、黒沢咲、本田朋広、あえて今シーズンもこの4人で、これまで以上に明るく、楽しく、雷電の麻雀は面白いんだと言わせるような麻雀を打って、このチームに関わってくれるすべての人と一緒に、今シーズンのMリーグを盛り上げることを誓います。そして最後に優勝します」

と挨拶した。

さすが俳優だわ。立派な挨拶やん。最後の優勝という言葉は、言うと逆に軽くなってしまう気がしなくもないけど。

そして、そのあとで流されたCM的な映像では「何があっても雷電の麻雀は面白いと、そういう麻雀を打ち続けます」と語ったハギー。

Mリーグ内最多である4回目の開幕先発となって、どんな麻雀を打ったのか?

これはあかんて

東1局

上家と下家から2軒リーチが入ってる局面で何を切る?

東1局12巡目、ハギーの手牌

ハギーは發切り。

場1の發は安全牌じゃない。ちゃんと5mを切ってほしい。
逆境を凌いでいいのは中盤の入り口まで。中盤後半(捨牌2段目の後半)になったら、ビビりの子ネズミみたいにオリた方がいいって。

危険牌を切らずにテンパイした。7s9sのシャンポンというイマイチの待ち。どうする?↓

東1局14巡目、ハギーの手牌

ハギーはワンチャンスの9s切り。

ま、マジかよ(;^ω^) これはあかん。

ここに4pを引き戻したらタンピン三色のテンパイ。6pを引いたらフリテンだけどこれもタンピン三色のテンパイ。

しかし、4pは3枚切れ。6pは2枚切れ。フリテンリスクもあるし、そんな期待できる手じゃねーぞ。

ワンチャンスは通りやすいって序盤にしか通用しないセオリーだ。

ワンチャンス、筋、捨牌の序盤のまたぎなどの比較的通りやすい牌が、数値で見たときどの程度安全なのかって、みーにん本でチェックしてるかな? そういうのは知識として知っておいてほしい。

ワンチャンスはたいして安全なわけじゃなくて、無筋として危険度2割ダウンくらいの感じ。終盤の入り口で2軒リーチに対して使えるセオリーじゃねーって。大三元1シャンテンくらいの手でも、ここでワンチャンスをトイツ落としするのは微妙だと思う。ましてや、この程度の手じゃ。

この局はテンパイしないまま横移動。

ハギーは失点しなかったけど、けっこうヤバいリスクを負っていた。こういうのは、いずれ跳ね返ってくると思った方がいいよ。あかんて。

この時点では、おいおい、今期も自分で逆境を作り出し無理やり凌ごうとしてる麻雀かよ、という感じだった。

東2局

5巡目、ここ↓から何を切る?

東2局5巡目、ハギーの手牌

ハギーは5p切り。

いいと思う。この程度の遅い手ではパンパンにしない方がいいよ。こういうのはいい。

この局はノーテンで流局。

なかなか手が入らない

東2局1本場

8巡目、ドラの8sを対面が切った同巡、ここ↓から何を切る?

東2局1本場8巡目、ハギーの手牌

ハギーはドラの8sを合わせ打ち。

いいと思う。それなりにまとまってる手で、使いにくいドラをあえて引っ張る必要はない。この程度の手なら安全牌の白を持つのもグッド。

この局はリーチされてツモられ。

東3局

やっときた好配牌。1巡目に何を切る?↓

東3局1巡目、ハギーの手牌

ハギーは南切り。

せっかくの好配牌だから、役牌は殺した方がいいし、頭になるのもオタ風の方がいい。なので白から切ろう。

しかしその後のツモが、せっかくの好配牌なのに伸びねー。5巡目に頭ができたけど、タンヤオにならないオタ風だ。

さて、ここ↓で何を切る?

東3局5巡目、ハギーの手牌

ハギーは2m切り。

はぃぃぃぃい?( ゚д゚)ポカーン

なぜ受け入れがかぶってる89mを切らないの?

理由を推測するなら、いずれペンチャンは外す予定なので、ならば安全度が高いマンズの上を持っておきたいってこと?

その気持ちはわかるけど、ペン3mを引いたら激痛だ。ここは8mを切らないと。

オタ風トイツがある手では、安全牌の心配しなくていいし。

この局は下家の魚谷さんがリーチにきて一発ツモ。

東4局

親がリーチにきて流局。

東4局1本場

手なりであーっちゅーまにチートイテンパイ↓

東4局1本場6巡目、ハギーの手牌

テンパイ3秒後、下家の魚谷さんから当たり牌が出てきてロン。チートイのみ。1600は1900点。

ようやくリーチにいける手をテンパったのに、ダマでアガってしまうのはもったいない。とはいえ、6p単騎でリーチするのはよくねーし、見逃す余裕もない。しゃーねーわ。前局のリー棒があったことと、ラス目じゃないことで自分をなぐさめるしかないね。

東場は手が入らなかった。内容もあまり良くねーな。

南1局

親番の8巡目、何を切る?↓ ドラは7sだ。

南1局8巡目、ハギーの手牌

ハギーは9s切り。

これ、けんぼーさんのnote↓では、NAGA先生が2sを切れと言ってると。

NAGA先生に逆らっても説得力ないかもだけど、ペン3s残しもアリだと思う。たしかにドラの7s引きは怖い。でも、マンズの58m待ちダブルメンツはちょい苦しいし、ペン3s待ちは場況がいい。

NAGA先生に場況って発想はあるんかな? 手牌だけ見たら2s切りの形だけど、場況も込みなら9s切りもアリだよ。

この局は横移動。

南2局

対面と上家からリーチが入ってる局面で何を切る?↓

南2局11巡目、ハギーの手牌

ハギーは5sを抜いた。

そう、それだよ!

ここはダブルワンチャンスで対面には現物の9mも切れる。上家は第一打が7mで、9mはほぼ通りそう。でも、2軒リーチでは愚直に現物を抜こう。余計なリスクを負ってはいかんて。

この局は対面のツモアガリ。

魔術のような手作り

南3局

この半荘のハイライトがやってきた。ここまで苦しかったし、とくに誇れる内容でもなかった。しかし、ここで突如として何かが降臨した。

5巡目、何を切る? これは難問なのでイージーに答えを出さず、「ハギーなら何を切るのか」熟考してみてほしい。

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