【現代麻雀への道】41 三元牌の意味は?
白發中の意味って何?
三元牌には価値がある。そんな気はしないだろうか。
もちろんダブ東やドラのように、もっと価値の高い牌もある。しかしどんな状況でも、3枚集めると1ハンになるのは白發中にだけ許されたステータスだ。
そもそも、マンズ・ピンズ ・ソーズは数字だし、東南西北は方角だ。つまり他の牌はみな機能を持っている。けれども三元牌に書かれているのはまるで機能のない文字だ(白には書かれていないが)。つまり、貴族のように働かなくてもいい立場であり、やはり三元牌は別格ということなのだろう。
それでは、なぜ三元牌は白發中となっているのか? これには諸説あり、いまだ真相は明らかになっていない。
まず白發中は「矢を発して的(=白)に中(あ)たる」の意味であるという説。的中、つまりめでたいことだ。
また、發は財産を成すこと、中は結婚式、白は名誉をあらわすという説。金と結婚と名誉だから、人生の三大要素ということだろう。
そして、發は緑なす黒髪、中は紅い唇、口は玉のような肌、つまり三元牌は美しい女性を意味するという説。
いったい三元風とは何なのか? これは麻雀史の研究でも、大きな問題として残されている。
白發中でなかった三元牌
今では三元牌といえば「白發中」が常識だが、昔の中国ではかならずしもそうではなかった。
麻雀博物館に陳列されていた古牌には、見たこともない字牌が入っていた。なかには三元牌や風牌という枠すらないものもあった。きっと三元牌や風牌が確定する前の牌なのだろう。
また、明らかに三元牌なのだが、それが「白發中」でなく「天地人」となっている牌もある。そして多いのが「白龍鳳(はくりゅうほう)」という三元牌の入った牌だ。
もちろん、龍と鳳は伝説上の生き物。龍は蛇を巨大化したようなやつ、鳳はクジャクを巨大化させたような島である。個人的には、發と中よりこちらの方がかっこいいと思うのだが、どうだろう。
この「白龍鳳」にも諸説ある。まず三元牌が「白發中」となる前は「白龍鳳」だったという説。そして両方が混ざっている状態から「白發中」に統一されたという説。
さらにはこんな説もある。龍は清王朝のシンボルだったから、1901年に清が倒されて中華民国が成立したとき、龍鳳は使用されなくなった。代わりに中華民国の「中」、それが発展するよう「發」が使われることになったという。
いずれにしても確かなのは、三元牌には価値があるということ。おめでたい字を三つ集めたわけだし、ポンするだけで1ハンつく。
三色は9枚で2ハンと考えれば、喰い下がりなしの3枚1ハンという付加価値の高さは明らかだ。
歴史を振り返ってみれば、一発やドラ、赤から割れ目まで、新しいルールが薄入されるたびに、字牌の価値は少しずつ下がってきている。だが、三元牌をポンすれば確実に1ハンつくと初心者時代に覚えた安心感は残っており、三元牌人気は根強いと思う。嫌いな人っています?
今から振り返って
これも諸説あってよくわかってないって話でした。
「白龍鳳」が中華民国の成立とともに「白發中」になったという説が正しいかどうかは、中国の研究者ならすでにわかってそうです。そこらへんの文献はありそうに思えます。いずれ中国の麻雀史研究者と知り合いになったら、聞いてみるべき話の候補のひとつですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?