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多浪・多留の人々

時間が止まってる角谷プロ

TVはまったく見ないし、YouTubeもたいして見ないんだけど、少し前にとあるYouTuberにハマって動画を片っ端から見てしまった。久しぶりにバラエティ番組を見た感覚があった。

きっかけはこれ↓

麻雀プロの角谷ヨウスケさん。

地頭がむちゃくちゃいいこともわかるけど、時間感覚が異常なこともわかる。麻雀プロって異常な人たちなのか、この人が異常なのか?

俺も1浪4留とまったく同じ年数なんだけど、自分もおそらく頭が相当おかしいんだって、この動画を見て感じてしまったわ。やっぱ普通じゃねーんだよ。うー、仲間になりたくねー。゚(゚´ω`゚)゚。ピー

高校は、ぼくのときは学年402人いたんですけど、成績は402番でした。

ここで爆笑しちまった。最下位ってなかなか取れないぞ。休学とかいるからさ。

俺は成績不良で中高一貫校を中学で辞めさせられたけど、それでも307人中304番だった。まだ下に3人いて、下には下がいると思ったわ。それが角谷さんは真の最下位。素晴らしい。

この動画が面白かったから、同種のやつを見ていき、トマホークTomahawkチャンネルというやつに行き着いた。

これがすごい多浪生・多留生の巣窟。よくこんな人材を集められるもんだ。サムネのインパクトがいちいちすごい。

めくるめく多浪・多留ワールド

俺は受験にはかなり詳しいので、受験ネタも退屈せず見れるんだけど、やはり面白いのは人間ドラマの方。

浪人の神とまで言われる、その世界の有名人↓

東大理Ⅲに面接を復活させた人だそうな。こういう人がまぎれ込まないように面接が必要だと大学当局が悟ったと。

まさに勉強できるアスペだ。

このチャンネルには9浪がいっぱい出てくるんだけど、その一人↓

この人が自分より何十歳も年下とは信じられん。見た目からして年上にしか見えない。

この動画を見ると、この人のこと好きになるね。

貧困家庭出身。壮絶ないじめを受けた。見返すために頑張ってきた。それだけで応援してしまうわ。知性や努力には価値があるんだなって改めて感じさせてくれる。

多浪の典型とも言える人↓

人生をなめてて、努力してないのに無謀な突撃をくり返し、現実に着地できないタイプ。

この人も同様↓

こういうタイプっているよな↓

ここらへんの人たちは人生が止まってて深みはない。

学力の低さはこの人が最強↓

スポーツ推薦で高校に行ってて、アルファベットも書けず、分数もできないところから大学受験の勉強を始めた。漢文のこと「てん文」と言ってしまうのとかすごい。

結局、社会人枠で理科大に入ってて、一般入試をクリアしてないけどね。理科大は厳しいから、絶対に卒業できない。この先もヤバい。

チャラい人間性が面白い↓

就活で200社に落ちて3年も就職浪人するようには見えないけどなあ。チャラさも活力のひとつだし、コミュ力あって、むしろ優秀なタイプに見えちゃうけど。

この人も人間性が面白い↓

こいつは優秀だわ。京大に入ったくらい学力もあるんだけど、それ以上に社会人として優秀で、何の仕事をやっても結果を出すタイプじゃなかろうか。

この人も社会人力がすごい↓

受験とか浪人とかそういうのを聞く相手じゃねーぞ。その先の生き方がすごいわけで。

社会人を経て大学に入り直すパターンは、〇浪と表現するのとは違うよな。この人がそう↓

ちゃんと働いてて、趣味として勉強したいってタイプじゃねーか。それは浪人じゃない。魅力ある人だよね。44歳だそうで、この人が10歳以上年下だというのも信じられん。

この人もまっとうな大人だ↓

中卒トルコ人というパワーワード↓

この人は共感できる。面白い。なんかね、俺の価値観かもしれないけど、金がない人はそれだけで応援したくなっちゃうんだよな。

公認会計士試験について勉強になった↓

大変だよな。働きながら勉強するのは偉いわ。公認会計士ってそんなに大変だったら、受かってるのはどういうやつなのか気になる。

女性では珍しい7浪医学部↓

このねーちゃんも面白いね。親の資金力がすごい。

親の資金力といったらこの人↓

医者の息子で浪人費用3000万円。

女子大生15年目ってのもすごいよな↓

この人は精神性がけっこうヤバ気だなって思うけど、このチャンネルを見てる人たちは女性にやさしくて、コメ欄がきつくない。

このチャンネルはよくこんな傑物を集めてこられるもんだって感心してしまう。ほんと面白い。

ときどき、灘とか開成とか理Ⅲという人が出てくるんだけど、地頭のレベルが違っててすごい。

灘↓

開成↓

理Ⅲ↓

積んでるエンジンがまるで違う感じ。俺も外から見たらそっち系なのかな? こういう人たちを見ると、すげーなーと思ってしまうわ。

この番組を見てて面白かったのは、昔の中国には、40浪とかして生涯浪人のまま人生を終える人もいたって話が出てくることだ。科挙の時代。多浪といってもまだ20代なのに、40浪とか射程に入れてるのがすごい。

俺が20代のころにニューヨークで会ったひげだるまみたいなオッサンは、たぶん30代か40代だったと思うけど、今からでも司法試験ならいけると熱く語ってて、多浪生のマインドだった。ああいうのが現代の生涯を浪人を終える生き方なのかなって思う。

学歴コンプの根源

さて、この件について自分の意見をまとめていこう。

多浪・多留に至るパターンがいくつかある。

・学歴コンプレックス系
・自堕落系
・医者(キャリア再構築)系
・受験マニア系

このいくつかがミックスしてる人が多い。そして一語で学歴コンプといっても、その価値観もけっこう多様だったりする。

学歴というのは、ある程度の努力の結果、学力に応じて手に入れるものだ。にも関わらず、努力はしないけどブランドだけは欲しくて、今の自分の立ち位置には耐えられない人たちがいるんだよな。

ふつうは、今の学歴は耐えられなくても、多浪もまた耐えられないから、やむなく受け入れる。その感覚が壊れていて、何年も何年も費やして納得いく学歴を手に入れようとする。

9浪はまいみたいに、教養と努力ある人間に生まれ変わるため、人生再生のための追求なら共感できる。彼が言った「努力してる人は他人にもやさしい」というのは名言だわ。

でも、人生が止まってるタイプの人には、おいおい、そろそろ大人になろうぜと思う。

自分も学歴コンプをこじらせる可能性はあった?

俺の場合は、開成中学に入り、成績不良のため中学で辞めた。そして半分くらいが就職する高校に行き、1浪してその高校初の東大合格者になった(18回生)。1浪の秋(10月末)に文転したから、それがけっこうピンチだった。

学力的にはまるで不十分で、カンチャン一発ツモくらいの確率で東大に合格したと思われる。社会のヤマをすげー当て、学力不足を勝負強さで補った。

1浪では、東大と早稲田2学部を受けたんだけど、マーチも受けようか迷って母に相談した。

母は慎重に言葉を選びながら、行く気があるなら受けたらいいんじゃないの?と答えたんだけど、俺はすぐ、やっぱ行く気ねーわ、とスパッと決断した。その会話で、母は俺の2浪を確信したという。

たまたま受かったけど、ほんとたまたまだ。東大は10回受けたら9回落ちる学力だったと思うし、1勝1敗だった早稲田は赤本もろくに解かずに受けたから、運が良かったとしか思えない。

普通なら2浪してたし、2浪したって全部落ちる可能性はある。そして当時の俺の価値観では、2浪早稲田が立派とは思わないだろう。私立文系はやってる内容が簡単すぎる。そう考えると、俺も学歴コンプをこじらせる可能性はあった。

実社会を生きる自信のなさの反映としての学歴コンプ

ただね、自分の思考法を考えると、学歴にこだわって何年も使う方向に行くよりも、英語できるようになってやる!とか、難関資格に行くとか、就活で頑張るとか、偉大な作家になってやる!とか、麻雀だけは絶対に負けねえ!とか、他の方向の敗者復活戦に行くと思う。だから、東大にこだわって3浪、4浪、5浪に行きそうな感じはしない。

学歴コンプの人って、どうしても学歴にこだわってしまう理由の中に、社会でやっていく自信のなさが隠されているケースってけっこう多い。だから学歴だけは持ちたいと。

その発想だと、たとえ学歴を手に入れることには成功しても、言い訳として使えるツールになるだけで、逃げの人生であることは変わらない。自分の弱いハートを守ってくれる盾としての学歴だ。

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