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萩原聖人、覚醒す チーム雷電セミ初勝利 その1

ハギーとの30年史

最初にハギーと俺との関りから語ろう。

ハギーが麻雀マスメディアに最初に登場したのは、彼が20歳くらい。俳優として16歳デビューし、19歳で有名になったから、早かったんだよね。「近代麻雀オリジナル」という雑誌の企画対局だった。

俺は20代後半で、竹書房の社員だった。麻雀を一緒に打ったことも何度かあった。

その後、彼は「割れ目でポン」とかmondeTVで活躍するようになり、俺は麻雀ライターとなったけど、20年くらい接点なかった。どっちも麻雀どっぷりだったのに不思議なもんだ。

ずいぶん久しぶりに顔を合わせたのは5年くらい前かな、スリアロスタジオでの対局のときだった。ベテラン麻雀プロ8人vs著名人8人のトーナメント戦というのが何期かあって、彼が優勝したこともあったし、俺が優勝したこともあった。そこで何度か対戦し、勝ったことも、負けたことも、一緒に敗退したこともあった。3~5年くらい前。

そのときの印象は「強ぇな!」だった。メンゼンでやり合うと、牌効率通りじゃない穴待ちの三色が多くて分が悪い。打点じゃなくスピードで押した方がいい。・・・とハギー対策を立てていた。赤なしだから、全体にスピードが遅いのよ。

その後、Mリーグが始まって彼の対局を観るようになり、精鋭プロたちより歴然と弱くね?というのが意外だった。おかしいなあ、この前まで強かったじゃんと。

雀風的には俺とは真逆に近い。性格的にもすごく仲いいってわけではない。それでも、たがいにオッサンの年齢になってきて、若い精鋭にあっさりやられちゃうなよという気持ちもある。共有する何かがあるわけだ。

この20年くらいで見ると、俺はメンゼン打点派からスピード派になった。時代とともに雀風をむちゃくちゃ変えてきた。

彼は変わってない感じ。現代戦術を嫌いすぎることが彼の弱点だよなーとは思う。美味しいとこだけ、うまく食えばいいのに。

こんな昔話はどうでもいいか。老人はすぐ回想に入ってしまうな。昨日のMリーグの内容に入ろう。

ハギー、登板

第1試合、瀬戸熊はラスった。ダンラスからさらに苦しくなった雷電。そして第2試合、ハギーが登板した。

Mリーグ セミファイナル 3/21(土)第2試合

萩原、小林、内川、白鳥。厳しいメンツだ。

始まってすぐ感じた。今日のハギーはメンタルの調子が良さそう。前日にあった焦りや不安がない。何かあったん? いつもこういうメンタル状態で卓につこうよ。

メンタル状態が良かったら勝てるってもんでもないけど、感性で打つタイプなら絶対いい方がいい。当たり前だ。

最初の親番は消化不良

東1局。親はハギー。

早々とチートイドラ3の形が定まった↓

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6m切り。チートイに決めた。ハギーはチートイが得意なんだよね。

だが、赤5mを切ると次巡かぶったり、うまくテンパイが入らない。

そしてコバゴーからリーチが入る。

リーチを受けてからも、この手は勝負手だという意識があったんだろう。いくつか無筋を押して、アガリを目指した。こういうところも迷いを感じさせなかった。

それでもテンパイできず、ノーテンで親は流れた。とくにミスはしてない。それでも結果はテンパイ逃し。ノーテンで親流れ。消化不良気味の東場の親番だった。

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この日は実況&解説も良かった。日吉は楽しい。

タッキー&亜樹ちゃんの2人は、言葉に落ち着きがあり、実戦者としての実感が随所にこもっている。よそ行きのことは絶対に言わないんだよね。そうなんだよ。麻雀には現実しかねー。

亜樹ちゃんはけっこう早口で、それもテンポが速くていい。アイススケートとか、オリンピックなどで往年のベテランが解説するじゃん。そんな感じの雰囲気がある。

勝負所でまたも空振り

東2局

白鳥から早い先制リーチが入る。メンタンピンドラ1の勝負手だ。

親のコバゴーは、安全牌もないし、ピンフのみの1シャンテンで押すほどの手でもない・・・という、むっちゃよくある状況。そこをうまくさばいて、4sタンキでツモのみをアガった。点数は安いけど、こういうのをアガりきれるのって大きい。百戦錬磨の成果だ。コバゴー強し。

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東3局

親のコバゴーがピンズのホンイツに走っている。その上家でハギーがテンパイ。

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どうする?

親のドラ色のホンイツに、同じ色のカンチャン待ちではリーチしたくない。とはいえ、すでにピンズをあまらせてる親に、上家で9p7pと切っていくのか?

だいぶ長考の結果、ハギーの決断は9p切り。テンパイを外した。

コバゴーは、この9pをポンしてテンパイ。ドラ横の6pカンチャン待ち。7700点のテンパイだ。

ハギーの次の選択はこうなった↓

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ピンズ以外の待ちにしたい。しかし、7pが通る保証もない。次に6pを引いてきたりしたら熱すぎる。

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またも長考しての選択は6m切り。中間的な道を選んだ。

次巡、ション牌の北も押した。ここで引くわけにはいかない。

意外な形で結末がついた。白鳥がさばいてアガろうとして、3p9pと通ってる中で、コバゴーのカン6pに放銃。

ハギーは、コンディションはいい。手は入ってる。しかし最後の1牌が引けずテンパイしない。そんな空回りで2局が経過した。

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