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松ヶ瀬麻雀の全体像は? Mリーグ開幕日の連戦から

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松ヶ瀬麻雀をチェックするという目的で、Mリーグ開幕日の連闘を見ていく、というのがこの文章の当初の趣旨です。・・・だったんですけど、えれー時間がかかってしまい、もう初日のことなんて覚えてねーよって方が大半だと思います。

そしてね、松ヶ瀬麻雀をチェックするといったら、ある程度強いことはわかってるわけで、じゃあ隆晴と比べたらどうなの?堀と比べたらどうなの?ってレベルで、ズバッと総合判定してもらいたいというのが一般的なニーズじゃないかと思います。

でもね、それは無理です。このレベルになると、牌譜を見て変なことやってるな?と思った箇所は、本人に聞いてみたら、かならず思いもつかないような理由があります。それを聞いたうえで、さらにできたら他の強者の意見も聞いてみないと、最終的な判断はできません。つーか、半荘2回くらいで総合診断するのは無理があります。

なので、この日の半荘2回の打牌から、彼の麻雀の傾向を見ていく、というレベルに止まります。

って、こんなにアップするのが遅くなったうえに、購入意欲を阻害するような前置きを書いてどうすんだ?(;^ω^)

この日のメンツの出来は?

まずね、この日のメンツ。みんな強かった。1回戦の園田、松本、岡田、松ヶ瀬の4人とも、見てて強ぇなぁと思ったわ。岡田も強い。もう女性水準じゃなく、男性に混ざっても引けを取らねーよ。たいしたもんだわって思う。

2回戦の堀、たろう、日向、松ヶ瀬に関しては、正直かなり落ちる。堀の強さはわかった上で、無造作なマンガン放銃は、おいおいホントかよ?(;^ω^)と思った。日向は、形に強くないんだなって思う箇所はあったけど、大きなミスはしないように慎重に打ってて、以前とはまるで違った。たろうはとくになし。やんちゃしないと、たろうはたろうじゃない。

そして松ヶ瀬の出来は悪かった、というより、メンタルの安定性の部分で何か変だった。2回戦の内容から彼の実力を判定するのは無理あると思うけど、けっこう不出来だったんじゃないか。

それでは個別の局面を見ていきます。

あ、その前に、この日の実況&解説は日吉&ツッチーだった。2回戦の冒頭あたりにあった会話から。

日吉「土田さんがもしMリーガーに選ばれてですね、開幕日に連闘を託されたらどういう心境ですか?」
土田「断りますね」
日吉「向いてない! Mリーガーに向いてない!」

これには笑ってしまったわ。ツッチーは本気で言ったわけじゃないと思うけど、それでも脱力しすぎてて笑ってしまう。日吉実況はほんといいし、ツッチーとの相性もいいね。

わかりにくい重厚さ

東1局

松ヶ瀬は6巡目にこの手牌↓

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ペン3sかペン7sを外すところ。どっちを切るか?

これさ、普通なら9sを切らない? ソーズの下を2人が切ってるから。

松ヶ瀬の選択は1s2sのペンチャン外し。解説のツッチーは親の現物を残したと言ってたけど、そういう理由じゃないと思う。松ヶ瀬ってこういう異常に重厚なところがあるんだよな。山にありそうな待ちを選択するより、場に捨牌を合わせていくという。

俺は9sを切った方が得じゃないかと思うけど、松ヶ瀬らしい構え方だと思ったわ。こういうところが松ヶ瀬麻雀のわかりにくさだ。

「麻雀って得な選択を積み重ねていくだけでしょ。それ以外に何があるの?」とデジタル小僧(うに丸とか)は言うだろう。まあそうなんだけど、それだけだと松ヶ瀬麻雀はわからないじゃねーかと思うわ。

すみません。なんか最初から感覚的な話になってますね。

色読みが得意

この手牌は数巡後に5sタンキになった。

そして次巡ツモ6p↓

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これさ、5s切らない? ピンズの147pか58p待ちのメンタンピンへの手替わりを目指して。

松ヶ瀬はびっくりすることにこの6pをツモ切りした。その理由は場にソーズが安いことしか考えられない。たしかに36s待ちか47s待ちになったらアガりやすいように見える。このまま5sタンキでリーチしちまっても、けっこうアガれそうだもんな。

でもね、俺はそれでも5s切りが得なんじゃないかと思う。リャンメン以上になる受け入れがピンズなら5種類、ソーズは2種類。倍以上の差があるからだ。ピンズは場に高いけど、147pや58pが山にほとんど残ってないってことはねーだろーよと。

検証してみよう。

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山に147pは5枚生き、58pは2枚生き。6p自体は0枚生き。

36sは4枚生き、47sは3枚生き、5s自体は2枚生き。

五分だな。それなら、あとから切りやすく、ひょっこりツモりやすい5sの方がいいか。

松ヶ瀬の色読みは当たってた。

形で判断せず、色読みの方を優先したというのは、読みに身をゆだねるメンタルの強さがあるわ。たいしたもんだ。

この手牌はその後2pを引き、岡田の先行リーチを追いかけリーチ。流局した。

押し局と引き局の落差がでかい

東2局1本場

親番、3巡目。ここ↓から

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※1回戦の東2局1本場、南1局、南3局は、点数の入力をやり忘れました。点数状況はあまり関係ない選択ばかりなので、ご勘弁ください。南4局以降、2回戦は点数を入力してあります。

なんと4pをツモ切り。これが意外だった。これ松ヶ瀬なら南を切ると思ったわ。4p切りは細い麻雀だよな。手牌だけ抜き出したやつも載せておきます↓

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4p切りはドラをかならず使い切ろうという選択のようでいて、ドラを使いきれるツモ6p、ツモ7pで何を切るか?と考えたら、再度の4p切りとなる。ならばここで南を切った方が良くね?

ここで南を切ると、そこまで速いとも言えない手でブクブクに構えることになる。守備的に不安ということだろう。

とはいっても、この手のベストの仕上がりは、このあとツモ7p、ツモ25m、ツモ58pと来たこんな手↓じゃない?

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親番の3巡目で、このコースを捨てちゃうの?と思うと、4pツモ切りは弱気すぎる。

ツッチーは三暗刻狙いで6sを切ると言ってたけど、この手はぼんやりタンヤオに寄せるのが得策だと思うんだよな。

松ヶ瀬って守備的なときと守備的じゃないときの落差がでかい。おいおい(;^ω^)ってレベルの差がある。それがけっこう的中してきたから、これまで勝ってきたんだろう。相手の挙動や表情の観察、そして動物的な勘、それが松ヶ瀬の重要な武器なんだろうと思う。

流れ弾を恐れないハートの強さ

その後、この手牌は7sを引いてタンヤオに変わった。

場の状況として、対面の園田が鳴いてクイタンのテンパイか1シャンテン。園田は2sポンで出た牌が4mだから、松ヶ瀬が今ツモった6mは切りにくい。

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松ヶ瀬はしばらく考えて、安全牌の中を切らず6mをツモ切り。

立派だわ。親番でこの手は、クイタンに対してはオリない。ならば脇からリーチが入る前に危険牌を切っておけ打法だ。

ここで6mを切るのは、デメリットとして、ツモられてすんでたものを振り込みになってしまう可能性があるけど、メリットとしては、脇からリーチが入ったときに、そちらに余計な勝負が生じてしまう。後者を嫌ったということ。その方が得だよな。

その2巡後に持ってきたのがドラまたぎの7p。

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ここで4pも切れるか?

これはだいぶ切りにくい。3900点への振り込みが十分ありえる。これはかなり中を切りたくなる。

松ヶ瀬はここでも4pをプッシュ。すげーな。

この手はテンパイせず、この局は、松本がリーチにきた同巡に園田がツモった。

6m7pとも白鳥なら切れず、まず中を切り、つぎに渋で6mを切りそう。こういうのは立派だわ。リスクが小さいうちに先取り。こういう大きな方針は強い。

手作りは上手い

南1局

並びシャンポンの愚形でテンパイ↓

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6s7sとも1枚ずつ切れてる。かといって浮き牌の2mもイマイチの牌。どうする?

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