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村上の守備力

たまにMリーグを開いて見てると、みんな強くて感心するわ。

診断してやる的な上からの見方なんてできねーぞ。こういっちゃなんだけど、たとえ高宮さんであっても、気楽に上から見ていい存在じゃねーわって思うわ。以前とは雲泥の差で、めちゃ強くなってる。

あまり変わってない人もいないことはないけど、以下自粛。

さて、昨日の試合、ほんの一部しか見てないんだけど、すげーなあと思った局面。

第2試合オーラス、村上の手↓

ここから何を切るか? 全員の捨牌を穴が開くくらい見て判断してほしい。といっても、みんなの捨牌の中に何かのヒントがあるわけじゃない。この局面をどう見るかってこと。

1本場なので、1000点の手でも下家コバゴーとのツモ直ならトップになれる。

この局面なら脇から出ても見逃さず2着取りするのが普通だけど、今のドリブンズくらい追い込まれてくるとトップ必須と考えて見逃しになったりするのかな? ここらへんの条件戦は俺にはよくわからん。

場はけっこう煮詰まってる。対面のラス目・多井が序盤からマンズのホンイツに走ってる。

そして上家の3着目・タッキーも4pポンが早かった。ならばドラが複数あるの?と考えるのが普通だけど、この点差なら1000点のツモ直で2着になれるから、高いとは限らない。

そんな事情もあって、この局面でドラ7pを誰が持ってるのか判断できない。上家タッキーと下家コバゴーのどっちかが固めて持ってる可能性があるけど、よくわからない。

下家のトップ目・コバゴーは手は整ってそう。早々と多井に9mをチーさせ、自分も積極的にペン6sをチーした。この局面で唯一オリる権利を持ってるコバゴーだけど、その気はなさそう。

そんな状況で村上は3mを引いた。マンズはすべて危険だ。さて何を切るか?

こういうとき、重要なのは相手の待ちではない。そんなのは読めない。それよりも相手がいつテンパったかの判断が重要になる。そのためには、鳴いてから何回手出ししたか、そのとき出てきた牌は何か、などが重要なヒントになる。

上家のタッキーは7sをチーして以降、中のトイツが出た。

下家のコバゴーは、ペン6sをチーして以降、白、東、赤5p、2sが出た。

これはけっこうテンパイ確率高いわ。2人ともテンパイしてる可能性がそこそこ高い。

んでヤバい色がマンズなんだよな。マンズは129は切りやすいけど、他はまったく通ってない。マンズに染めてる多井はまだテンパイしてなそう。それより脇にヤバい。安手でも振り込んだら即順位が落ちる状況だから。

その一方で、こういう接戦はギリギリまで押すことが大切でもある。みんな苦しい形での我慢合戦だったりするわけで。

こういう場の状況がなかったら、切っていく第一候補は6m→3mの順。第二候補は3m→6mの順。ただマンズの真ん中はすべての筋が通っていないから、かなり切りにくい。

マンズはヤバいから5p→4pと切るのは、だいたい通るのは事実なんだけど、2mがポンされててアガリ目が低い割に絶対通る保証があるわけじゃないから、あまり良くない。それなら慎重な白のアンコ落としのほうがいい。

ここで長考した村上。切ったのは3mだった。

じつはこのとき、タッキーはカン6m待ち、コバゴーは47m待ちだった。それを回避した。

さらにすごいのはそのあとだ。2巡後、上家のタッキーから6pが出た↓

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