三麻ヘッダー

【データ三麻】26 オリの基本手順

オリ手順は最重要項目

この章ではオリの手順、牌の危険度について扱います。

具体的には、先制リーチをかけられ、「押せない」と判断したときに、どんな順番で牌を切っていくかについて扱います。これは超重要なので、真面目に暗記してしまうこと推奨です。

さらに余力があったら、「どの牌でどの程度振るのか、危険度は5%なのか、10%なのか、15%なのか、20%なのか」を把握しておくと、「普通の無筋なら押せるけど、このケースではの危険度は無筋並になるので押せない」といった感じで押し引き判断に役立ちます。

この章はルール別にはしません。「リーチの手組みは抜きドラの有無・ツモ損の有無で劇的に変わったりしないだろう」と思っているからです。四麻における場所別・卓別の危険度の牌譜解析結果から推測するに、大きく外れていないと考えられます。

なお、この章では牌の組み合わせのメカニズムについてすべてピンズで説明し、さらに5を対称とした下の数値だけ示します。つまり、筋2pと書いたときには、筋8p筋2s筋8sも同様です。データ自体、そういう取り方をしています。

まず一般論から確認します。放銃する確率が低い順番に切っていくのがオリの原則なので、その順番を見ていきましょう。

(表26-1)と(表26-2)に、リーチ者に対する牌の危険度を巡目別に記載しました。先制リーチの平均巡目は8 ~ 9ですので、9巡目における牌の危険度を見ていきます。すると、ベタオリで牌を切る順番は原則として(表26-3)の順番になります。

無筋は7回に1回刺さる

この数値を見ると、無筋の1p2p3pで刺さる確率は14%程度とわかります。平均して7回に1回刺さる計算になります。また、無筋の4p5pで刺さる確率は約20%。平均して5回に1回刺さる計算になります。

これらの数値は四麻より大きくなっています。「四麻より三麻の方が、押したときは振り込みやすい」といえます。

中途半端押しは死ぬ

ここで、オリる際に大切なことをいくつか述べておきます。

まず、オリるとしたら徹底することが大事です。とくに、その手から張ったとしても勝負にならない愚形テンパイの場合など、そもそも立ち向かうのは無謀です。打点がないけどリャンメン×リャンメン1シャンテンで形がいいからと端っこの牌を切って様子を見るのもダメです。押し引きで「引き」と判断した以上は、メンツを中抜きしてベタオリに徹するしかありません。1牌あたりの放銃率が三麻の方が高い以上、中途半端に攻めることによる影響は四麻よりも大きくなります。

次に、現物同士の比較について。この場合、テンパイすればワンチャン反撃できる場合は手を崩さない方の現物を切る手もありえますが、そうでない場合、将来危険になる牌を先に切ることも大事です。具体的には、リーチをしていない第三者にとって危険な牌やドラがこれにあたります。被追リーチ率は20%ですから、1家あたり10%の確率で反撃してくることになります。

さらに、アンパイが少なく、近い将来に無筋を切らなければならなくなるような場合についてです。この場合、アンパイを水増しするように工夫しながら牌を切っていくことです。例えば、2枚、3枚持っている端っこの牌があったら、それを切って通った場合は2巡、3巡しのぐことができます。しのいでいる間に他のアンパイをツモれば、さらにしのぐことができるでしょう。あるいは、8pが現物で手元に2p5pとある場合、5pを通せば2pは筋になります。このような工夫も防御法として重要です。

そいつ今頃パフェでも食ってるよ

注意点として、一番安全そうな牌を切って振り込んだときには気にしないことです。例えば、両筋5pでも放銃率は3%あり、平均して33回に1回は振り込む計算になります。筋2pであっても放銃率は6%あり、これまた平均して16回に1回は振り込む計算になります。

押せる手ではないからと、もっとも安全そうな牌を切ってそれが振り込みだったという現象はよくあることです。「あ、そーですか」と受け入れて、気にしないことです。それしかないのが麻雀というゲームです。

ダブリーの3pに注意しよう

(表26-3)の牌の危険度ですが、序巡に関しては一部異なる部分があるのででそこに軽く触れておきます。

まず、1巡目の筋3pの危険度は6%と高くなります。片筋4p5pの危険度は約4%であり、序巡に限っては筋3pより安全です。また、無筋1pの危険度は6%であり、これは筋3pと同程度です。

こうなるのは、1巡目のリーチ(ほぼダブルリーチ)の良形以上テンパイ割合が33%であり、愚形待ちまたは字牌待ちが多くなる結果、リャンメン待ちで待たれやすい片筋4p5pの危険度が下がるためであると考えられます。また、無筋1pもカンチャンやペンチャンで待てない結果、危険度が下がるものと考えられます。

つまり、ダブルリーチにオリたいけど筋がないという場合には片筋4p5pを切りましょう。また、無筋の1pと筋の3pがあって、1pの方が2枚ある場合には、1pを切りましょう。それが序巡ならではの守備テクです。

終巡のションパイは危ない

個別の話に移る前にもう一つ重要なことを述べたいと思います。それは字牌の危険度です。

数牌の場合、先ほどの順番は序巡を除いて大きく変わらない旨述べました。他方、字牌(ションパイ・1枚切れ)に関しては巡目によって順番が変わります。字牌の牌の危険度を示した(グラフ26-4)を見ながら確認していきましょう。

まず、1巡目を見てみます。1巡目のションパイの危険度は4%です。片筋4p5pと同程度、筋2pよりも安全になっています。1巡目のリーチの字牌(1mも含める)待ちの割合は34%と高くなります(全体は15%)が、無筋や筋2pよりは安全です。

字牌待ちの割合が増えても字牌1枚あたりの危険度がそんなに増えないのは1巡目のリーチで待てる字牌の枚数が全体よりも多いからだと考えられます。ダブリーだからといって字牌を押さえて無筋を切るのは避けましょう。

次に、5巡目を見てみます。5巡目のションパイの危険度は約5%で筋2pと同程度です。役牌の方が打点が高くなることを考慮すると、5巡目あたりになったらションパイを押さえて筋2pを切った方がよくなります。

今度は終巡に目を移してみましょう。15巡目のションパイの危険度は19%となり無筋2pの危険度である20%に迫る勢いとなりました。また、流局間際である18巡目のションパイの危険度は26%であり、無筋2pの25%を超えています。終巡のションパイは無筋並みに危なくなります。

以上はションパイの話ですが、1枚切れの字牌についても終巡は筋2pよりも危険になります。終巡になったら安易にションパイや1枚切れの字牌は切れません。

どうして字牌は巡目が進むほど危なくなっていくのか? それは、麻雀とは牌をつなげていくゲームだからです。つなげにくい字牌は通常なら捨てられる運命であり、それが捨てられないのは誰かが使っているからです。全部で4枚しかない字牌は最後まで残ることが多く、なので巡目が進むほど危険になっていきます。

三麻では牌の種類が少ないぶん、終巡の字牌(ションパイ・1枚切れ)の危険度は高くなり、うかつに切ると「御無礼!」と言われます。


終盤の字牌ション牌は切ったらあかん

オリは三麻の特殊性があまりないというか、基本的には四麻と変わんないですね。ここに出てくるデータも自分の実戦感覚とマッチしてて、とくに言うことないです。ぼくもおおよそデータ通りに打ってるかなっていうのがあるんで、この通りやってくださいって感じですね。

オリの手順は、ベタオリ以外にも回したりとか色々使えるんで、この順番は覚えといて損はないというか、絶対覚えとかなあかんと思います。

字牌の危険度と巡目の話も出てきてるんですけど、これも結構大切です。「序巡の字牌は比較的安全で、終巡になったらより危険になる」と。これはその通りですね。とくに流局まぎわの字牌のション牌ってかなり危ないんで、テンパイ料もらいにいってション牌を切るっていうのは絶対やったらあかん。対戦相手を見てると、これをやっちゃってる人が結構いるように思います。

本にはない福地の感想

むっちゃ実戦的な内容です。
超序盤には筋より無筋19の方が通る。納得いく話です。
無筋は7回に1回刺さるって、四麻と比べたらだいぶ高いですね。
4章は文章中に牌がいっぱい出てくるので、この章に関しては本の方が読みやすいかもしれません。noteでは1m2p3sみたいに記号表示になるからです。

「どうして字牌は巡目が進むほど危なくなっていくのか? それは、麻雀とは牌をつなげていくゲームだからです」という部分はぼくの加筆です。
ここに限らず、こういうふわっとした一般論戦術は全部ぼくですね。
こういう言葉が何かしらあった方がいいと感じた箇所には、こういうのを追加します。ある程度長い文章って、こういうのがないと読めないから。
そういうのもぼくのミッションです。

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