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あなたの話に“ズレた返し”をする人いませんか?

こんにちは。
話し方研究所の代表、福田賢司です。

話していて、こっちの話の内容をまったく考えていないような、ズレた返しをする人がいます。漫才であれば笑いになるのでしょうが、日常だと違和感しかありません。


「今年の健康診断、血圧が高いって言われちゃってさ、それから毎日胡麻麦茶飲んでるんだよ」


「え~、勘弁してよ、毎日胡麻麦茶とか絶対ムリだよおれ」


この人は何を勘違いしているのでしょうか?

誰もあなたに毎日飲めなんて言ってないでしょ、と思うのですが、この会話、実際に山手線の車内で私が座っているときに、前に立ったスーツを着た二人組が話していた内容です。相手は、「ハハ」と笑ってスルーしていましたが、何言ってんだこいつ、と思っていたことでしょう。

ここでは、
「そうなんだ、炭酸水もいいらしいよ、炭酸が血管を拡げて血圧を下げるとか聞いたことがある」


「ホントに?」


「テレビでやってたんだけどね、でも、サイダーとか甘いやつじゃないほうがいいと思うよ」


「ウィルキンソンとか?」


「そうそう!」


これが普通の会話の流れだと思います。ではなぜズレた返しをしてしまうのでしょうか、そこには一応誰もが気を付けておきたい注意点が隠されています。


① 瞬間の決めつけ
 話を聞いた瞬間に、何かの記憶やちょうど考えていたこととリンクして、「こうだ!」と決めつけてしまうことが私たちにはあります。例えば、私が出張のお土産に、愛媛からおいしいミカンを自宅に送り、次の日帰宅した際、私が食卓にいる横で、妻が子供に、
「冷凍庫のミカン、出して食べちゃいなさい」
と言ったのです。私は、その瞬間、私が送ったミカンをまさか冷凍庫に入れたのか、と勘違いして、
「おい、愛媛の高級ミカンだぞ!冷凍庫に入れるやつがいるか!」
と怒鳴ってしまったのです。子供も妻も、私の方を見て、ポカンと口を開けています。
「何言ってるのよ、スーパーで買ったミカンよ、冷凍ミカンにするんだって言うから入れといただけじゃない、そんなに怒らないでよ」
私は、そもそも、出張先からミカンを送ったことすら妻に話していなかったのに、それが届いて、開けられて、冷凍庫に入れられたと勝手に決めつけてしまったのです。冷静に考えればわかるものを、何か一瞬間違った接続で状況を勘違いしてしまう、というのには、気をつけなければいけない、と思いました。


② 自分に置き換える癖
 相手の話をすぐに自分に置き換えて考えてしまう癖のある人は要注意です。そういった癖がある人は、「私だったら」とか「私の場合は」という返し方が多いのが特徴です。先の胡麻麦茶のズレた返し方をした人がそうです。毎日血圧を下げるために飲んでる、という人の話を、自分に置き換えて、自分は毎日なんて飲めない、という回答になっていました。話し手の言いたかったことは、自分なりの健康法のことであって、そこに聞き手として何かプラスになる情報を返していけば、話し手も喜ぶものを、自分は飲めないなんて返していては、会話がそこで止まってしまいます。
 

聞き手が話し手の話を自分のことに置き換えて返答をするのは要注意です。それがズレた返しになって、会話が途切れたり、違和感を与えてしまうことがあるからです。


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