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読書アウトプット 『となりの億り人 – サラリーマンでも「資産1億円」– 』 2021/12/13 大江 英樹著

FIREファイヤーが昨今注目されています。
(FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。)
が、著者もおっしゃってるように、お金持ちよりも「幸せもち」になりたいものです。 

1. 『となりの億万長者』の七つの法則 
著者が読んだと紹介されている、20年前のアメリカの本『となりの億万長者』に出ていた7つの法則がまず心をとらえました。
①収入より低い支出で生活
②時間・エネルギー・お金を効率的に配分
③お金を心配しないで済むことを世間体を取り繕うことよりも大切だ
④社会人となったら親からの経済的な援助は受けない
⑤子供達も経済的に自立
⑥ビジネスチャンスをつかむのが上手
⑦ぴったりの職業選択

「資産は所得と同じではない」という言葉に象徴されていますが、本当の金持ちというのはとても地味で堅実な生活をしていることの裏返しです。その時点で高所得の人をお金持ちだと思ってしまいがちですが、使ってしまえばお金は貯まらないわけで、お金がお金を生む資産を持つことが大切ですね。

2.著者の見た億万長者
著者の見た億万長者も“人は見た目が9割でない”に合致する。実際のお金持ちは普通の人が持つイメージとは逆なのですということでした。
資産づくりに成功した人の多くは、普段の積立投資以外に大幅な下落時をチャンスと捉え、それまでに準備した待機資金を投入したことで長期的に大幅な利益を得ることができているみたいです。 

3.実質否定的にとらえている億り人
よくメディアで紹介される億り人と言われる人のサクセスストーリー。例えば元の資金は50万円で始めたが、5年間で1億円を達成したといった類のはなし。
いかにも気持ちをそそられるフレーズだが、おそらく売買を重ねるトレーディングで成功して資産を築いていったというケース。でも実際にはそんな話がたくさんあるわけではなくて、中には天才的な勘でもって見事に買い時売り時を当てている人もいますが、そういう人はおそらく1%もいないみたいです。

ちなみに短期トレードで成功したといっても、相当頑張っても時給はアルバイト賃金以下である。著者の試算では時給1,006円。
自己資金を1000万円持っている人が、デイトレードで年率20%をコンスタントに稼いでいるとする。元本が1000万円だから利益は200万円、税金が20%40万円ほどかかるので手取りの利益は160万円。この金額を稼ぐためにどれぐらいの時間を費やすか。モニターから目が離せないわけですから1日5時間、立会日数を年間245日として合計時間は1225時間。チャートを見て研究したり四季報や財務情報などの情報に関わる時間を1日1時間使うとしても365時間、足して1,590時間。以上から計算すると時給1,006円になるとのことです。

私も先のようなうたい文句の話は、10年20年と長期間にわたる再現性のある話なのか疑問で、眉唾ものだと思います。そうではないとするならば年率20%をはるかに超える超優秀なデイトレーダーであり続けなければならない。たとえそういう人がいたとしてもその人から習ったあなたは10年20年と長期にわたって同じく超優秀なトレーダーであり続けていられるのか?ということになります。まあ超優秀なトレーダーといった人々に世の中溢れかえっていない現状をみるにつけ、本当なのかなと思います。

4.投資のこつ(となりの億り人とのインタビュー)
「投資はリスクを取らない限りリターンを得ることはできない、というのが永遠の真理です。少額でもいいから少しずつ始めて、実際に価格の変動に心を揺さぶられながら小さな失敗を経験していくことが大切です。そうすればリスクも取れるようになりますから。」
ということで、お金が貯まったら投資を始めようではなくて、まずは少額でいいから始めてみようということです。
「投資で一番大切な心構えは待つことです。どんな暴落があっても資本主義である限り、経済は自己増殖していきますから、いずれ必ず復活するのです。それを信じて待つことが第一です。必然的に長期投資になるのは自然なことです。」
まずは「“コツコツと”積立投資から始めて長期に投資してみよう」が投資のコツとも思えますね。

5.結論
お金は後から貯められない。天引きが大事、一番ですね。
「それからお金の使い方。世の中にはたいして満足していないものにお金を使っている人がいかに多いか。そういう無駄なお金を使わせる仕組みが世の中にはいっぱいありますから、それに乗らないこと。
結局のところ資産形成に近道はなく、その人に合ったやり方で支出を適正化し、地道に貯蓄や投資を続けていくことでいつのまにか億り人になっていた。気が付けば1億円になっていた。そしてほとんどの人はそれがゴールではなくて通過点にすぎず、その後も着実に資産は増えている。
これらは誰でも理解できるし、やれることではありませんか?でも誰もがなかなかできないことでもあります。

冒頭の話に戻ると、人生の目的は「お金持ち」になることではなく「幸せ持ち」になること。お金は幸せを実現するためには必要なものですが、それだけを目的にしてしまうと、どこまでいっても満足できないという不幸になってしまうということも忘れずに。


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