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『ゆるキャン△』が素晴らしすぎたので、その思いを綴る

とうとう『ゆるキャン△』のアニメが終わってしまいましたね.毎週のあの至福の時間がなくなるかと思うと,悲しくてやりきれません.寂しさを埋めるために毎日寝る前に漫画版の方を読んでいます.


なんでこんなに『ゆるキャン△』が個人的にヒットしたのか軽く文章に残しておきたいな,と思いキーボードを叩いています.同じくヒットされた方も一緒に考えましょう.

これは、ある冬の日の物語。
静岡から山梨に引っ越してきた女子高校生・なでしこは、“千円札の絵にもなっている富士山”を見るために自転車を走らせて本栖湖まで行ったものの、あいにく天気はくもり空。
富士山も望めず、疲れ果てたなでしこはその場で眠りこけてしまう。
目覚めてみるとすっかり夜。初めての場所で、帰り道もわからない。
心細さに怯えるなでしこを救ったのは、1人キャンプ好きの女の子・リンだった。
冷えた身体を温めるために焚き火にあたる2人。ぱちぱちと薪の爆ぜる音が、湖畔の静寂に沁み込んでいく。
焚き火を囲み、カレー麺をすすりながら会話するなでしことリン。
やがて2人が待ちに待った瞬間が訪れる。「見えた……ふじさん……」なでしことリン、2人の出会いから始まるアウトドア系ガールズストーリー。


キャラクターの距離感が最高

女の子5人がメインキャラクターのアニメですが,キャッキャッフフフをしてはいるものの必要以上にベタベタしたり,という描写がないので,心を常に平静にしながら見ることができます.

最初期,一人キャンプを愛するリンは一緒にキャンプをやろうというなでしこの誘いをはねのけます.なでしこもリンが一人キャンプを好きだということを知って,必要以上に誘ったりはしません.最終的にはリンの親友・斉藤の助けもあり,複数人キャンプでの楽しさにも気づき,リンの世界は広がっていきます.

ちゃんと友達同士の線引きもできているし,その人にはその人の世界があるということを尊重できる関係性まじ大事!!




キャラクターの実在感が最高

メインの登場人物である各務原なでしこ,志摩リン,大垣千明,犬山あおい,斉藤恵那の5人はごく普通の女子高生です.キャンプはお金がかかりますが,女子高生である彼女らにはもちろんお金がありません.なので,彼女たちはアルバイトをしてお金を貯め,道具を買います(あまりにも高いものは買えません).この5人の中には度を超えたお金持ちの令嬢などいません.自分たちの手の届く範囲でどうキャンプをするか,そんな姿は共感を持って見ることができます.

第4話「野クルとソロキャンガール」では,値段の張る冬用シュラフをどうにかして今持っているシュラフで代用できないか,と野クルのメンバーが四苦八苦します(最終的には購入していますが).ギャグ回ですが,そこではお金がない中で身の回りのものを使って安くすませられないかと試行する学生たちの実在感のある姿が描かれています.

また,アニメでは放送まで行かなかった第6巻では,なでしこが初めてアルバイトをして自分で貯めたお金でキャンプ道具を買う,というエピソードがあります.

つまり,『ゆるキャン△』では限られた持ち物のなかでどうやりくりしていくかを考えつつも,アルバイトをしてお金を得る・自分で稼いだお金で初めてものを買うなど,彼女たちが徐々に世界を広げていく姿が描かれていて,それらの「分かる!」感がとてつもないのです.



キャンプ行きたくなるのが最高

本作は言わずもがなキャンプ漫画.漫画版しかりアニメ版しかり,キャンプの楽しさや醍醐味・ちょっとした解説が,間のつくりかたやコマ割りで巧み・コミカルに表現されています.


キャンプ場に行くと……特に一人で行くと何もないんですよね。その代わり、冬の空気の冷たさや焚き火の煙の匂い、鳥の声や風でそよぐ木の音といった普段気づかないことや、感じられないものを感じられるんです。
「ゆるキャン△」京極監督も実体験「キャンプでは他愛ない会話が大切で素敵なものに」

看過されて僕も冬のキャンプに行ってきました(コテージ泊でしたが).

そこでは,焚き火の温かさや煙の匂い,冬の夜の突き刺すような寒さなど全身の感覚を使って自然を体験することができました.シン...とした空気の中で一緒にいた人たちとホットワインを飲みながらポツリポツリと会話する,というのもとても得難い経験でした.いつか一人キャンプ行ってみたい.

一人キャンプの醍醐味を作中でリンが語っています.これが心にくる...

見た物とか食べた物の事とか一人でゆっくり物思いに耽ったり。何ていうか...ソロキャンは寂しさも楽しむものなんだって

こうしたキャラクター自身が自分の好きなものへの思いを巧みに表現しているところも最高です.ソロキャン行きます.



描写とか小ネタが最高

●別に超現実的な漫画と言いたいわけではありません.松ぼっくりが大塚明夫ボイスで喋るし,テントには目が付いてたりします.「LINE」のような会話シーンのつくりかたもとても面白いです.

●なでしこは食べるの大好きっこですが,本当に美味しそうに食べます.なんだこの描写力.下手なグルメ漫画より100億倍美味しそうです.

●なでしことリンがお互い別々の場所でキャンプしていて,それぞれの場所から見えている夜景を共有します.離れながらも「キャンプ」という時間を共有している.スマホが普及し,ロスなく山中でも使えるようになった時代だからこそのエモい表現ですね.

●第6巻では,リンと野クルメンバーも仲良くなり,共有のグループチャットができているようです.そこにリンがただひたすらにキャンプ旅の写真を上げ,それにみんながコメントしていく.このスタイルいいな!



僕の文章じゃ伝わらないかもしれないのですが,『ゆるキャン△』は絶対観るべき作品です.見なきゃ人生の3割くらい損します.観てください.以上でした.





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