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知らないを知る

今更ながら2017年の振り返り。

2017年はお世辞にも実りのある年とは言えなかった。
基本的には手応えを感じるようなことは一度もなかったし、自分のやるべきことを意識できていたとも思えないし、客観的にみても何か成果を出せていたようには思えない。とことん迷走した年であったように思う。

今の会社に入ったのは、社会的に自立したいだとかそれっぽい考えがあったというよりか、6年間「建築」について勉強してみて、「建築」がどういうものか結局全然わからなかったからである。そのまま博士に行ったところで無為に過ごしそうだと思ったし、「建築」から適度に距離を取るにはちょうどいい場所でもあった。また働きながらも「建築」やそのほかのことについて学び続けることができる場所ではないかという淡い期待もなくはなかった。

さて、じゃあ、2017年は何を学べたのだろうか。


■プログラミング(コーディング)
2016年の中頃、今のような状況になり始めた辺りからウェブ系の知識がないとわからないことが多くなってきた。そこで自分でコードを書くまでいかなくとも理論的な部分や仕組みとしてプログラミングなどウェブを構成するバックグラウンドのことを勉強することを始めた。これは上記の理由はもちろんあるのだが、そのあたりの知識がないと自分が放り出された状況に対して能動的に思考することができないのではないかという焦りから、という側面もあった。現に建築の知識が多少あったところで何の役にも立たないという場面ばかりで、これは辛かった。そのため、最初は焦燥感に駆られた「学ばなきゃ」という気持ちが強かった。しかし、progate(https://prog-8.com/)などのラーニングサイトやさまざまな書籍を通して勉強し始めてみて、実際に自分でプロトタイピングできるところまで行くと、実装までできなくとも自分の思考の中で考える幅が増えていくのを感じるようになった。結果として、仕事の中で活用しているかというと微妙だが(一部は活用できている)、学んでみてよかったという気持ちではある。2018年も引き続き学び続け、何かしらアウトプットができるレベルまで行きたいと思う。


■社会の仕組み
幸か不幸かサラリーマンでありながら、会社に利することかどうかわからない雑用系のタスクを積んでいく下積み時代をぶっ飛ばして、自分の行動の結果が売り上げ(客観的な数値)になりそれが評価に直結する立場になった。しかし、現状ではこの立場に立ったところでそれを有効活用できているとも思えないし、会社に利する効果を上げているとも言い難い。そして、それを改善するためにどうすればいいかは全く光明は見えていない。
上司らしい上司がいなくなり、決済者と直接交渉するようになると、自分のやっていることに対するレスポンスが全くなくなったのでこれはなかなか辛かった。自らの制作物(資料や記事など)の完成度をセルフチェックしなければならない。それゆえ新しい発見というのも生まれにくく、悩むことが多くなり必然的にスピードが落ちていった。この点に関して言えば誰かの下にいた時の方が圧倒的に精神的には楽であった。
また、あらゆる場面に関して言えたがお金が動くと言っても決済者は必ずしも合理的に物事を判断する訳ではないということが痛いほど身に染みた。特にランニングコストなど長期的な視点を要するリスクマネジメントについての説明や技術的な問題を含んだソリューションの説明をするときがなかなか難儀であった。しかし、これは翻して言えばわかりやすい評価を上げるか(売り上げなど)、客観的に見て納得度の高い新しい評価軸を設けることがまったくできていなかったということでもある。その点に関しては2018年の最重要課題として考えなければならない点である。


■人
学生の時からそうだが、人と協働するということがてんでよく分からない(というかどうやったらいいか分からない)。現段階では協働は優先度の高い事項ではないが。
協働というよりモチベーションをどう共有していくかがもっとも頭を悩ませているところだ。例えば、学生時代の作品制作での協働であれば「作品を完成させる」という最低限かつ最重要のゴールを共有することによってチーム間のモチベーションを調整することができた。しかし、明確なゴールを設定しにくい今の状態ではそのモチベーションの調整をどのようにすればいいか分からない(「作品」という物理的な完成物がない、「売り上げを上げる」と言った時に何がマストなタスクというのが感覚として分かっていない←仮にマストだと(一般的には)言われているものがあったとしてそれをすることによってゴールに到達できるのか?という可能性もある)。
この曖昧としたタスクをやってもらったとして、それが良いのか悪いのかはやってみるまでは分からない。そこで、その人が「そのタスクをこなして良いか悪いかを判断してフィードバックさせる」ではなく「そのタスクをこなす」ということを自らの仕事として認識していたならば、そこから得られる知見は共有されることなくボトムアップしていくことはできない。かと言ってこれはやってみるまでは分からないという性質のタスクであるからそれに対して具体的な短期目標を定めることもできない。そして、モチベーションの差異があった場合には何かタスクをやってみた後に「あれ、やってみてどうだった?」→「あんまり上手くいきませんでした」で終わりになってしまう。
ここで求めているのは「あれ、やってみてどうだった?」→「あんまり上手くいきませんでしたが、この部分は何か可能性がありそうだったので、次はこれやってみます」だ。
この学びというのは人から言われて醸成していくものなのだろうか?自分が経験豊かなビジネスマンであったならば、経験に基づいたアドバイス、というものもできるかもしれない。しかし、残念ながら経験値のない自分は何をどうしたらいいか分からないので、それっぽいアドバイスをすることはできない。しかし、一緒に考えることはできる、と思う。そのためにはまず個人の考えがなければ対話にならないので、個人で考える習慣をつけなければならない。2017年はまったくこの部分に関してコミットできなかった上に、それが常態化していくことによってこの点に悩むくらいなら一人でやった方が思ってしまっている自分がいるのも結構まずい。この意識転換はかなり骨を折ると思う。


■ツール
2017年はデバイスやサービスなどさまざまなツールを使い始めた。特に会社で支給されたiPadproはなかなか重宝している。最近applepencilを購入したので、ほとんどペーパーレスで仕事ができるようになったのがなかなかありがたい。外部向けのプレゼンテーションでもパソコンを操作するよりは心象もよい。
世の中にはさまざまな無料のサービスがある。手を延ばせばすぐ使えるのにこれまでは全く使って来なかった。しかし、リスクはほとんどないのに仕事上ではかなり重宝している。例えば、trello(https://trello.com/)は個人のタスク管理としてかなり重宝している。これがなければ全くタスク管理できていなかったと思う。また、データは基本的にGoogleドライブに突っ込み、書類作成はGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートを使うようになってから別のタスクで利用していたものの転用のしやすさや外部での説明時のフォローの面で非常に役立つ場面が多かった。他にも図表作成はXmind(http://jp.xmind.net/)を使うことで資料作成に充てる時間をかなり減らした。
まだ使ったことのないサービスは星の数ほどある。2018年も色々なものを使ってみて、自分なりの働き方をつくっていけたらいいなと思う。


■ゲーム
2017年は数年ぶりにゲームをしている時間が増えた。理由はPS4を購入したこと。『ドラゴンクエスト』『キングダムハーツ』などをやった。ゲームが常時ネット接続されるようになり、PS4の純正コントローラには「SHARE」ボタンが当たり前のようについて、PSVRなども出たことによってテクノロジーのある1側面を楽しみながら体験できる、という点でゲームをすることは貴重な時間である。2018年はモンスターハンターの新作やキングダムハーツの新作が出る。息抜きも必要だ。


■Unity
ゲームをやり始めた理由のひとつは汎用ゲームエンジンであるUnityをいじり始めたことにある。これまたプログラミング(コーディング)の学習の一環として触れたものだが、やってみたら面白くなってちょくちょく触っている。だいたいちょうど2017年はじめからいじり始め、いろんな本を見ながらそれができることを少しずつ理解していった。2Dや3DはもちろんVRやARのコンテンツの制作にもトライしてみている。ゲームを「インタラクティブなメディア」として考えると、ゲームには「メディウム」として学べることが大量にある。これを自らの領域にどう取り込んでいくか、ということを真剣に考えながら2018年は学習を進めていきたいと思う。


こんな風にざっと思い返してみたが、悲観的に考えず評価してみると2017年は「知らない」を知る年であったと思う。
これは学習したことを知識として習得したという訳ではなく、これまで全く自分が触れていなかった領域の一端に触れることで「知らない」ことが爆発的に増えた、ということである。しかも、最初に自分がこの会社に求めていた「建築」以外のことがほとんどだ。なぜだ。
世の中にはまだまだこんなにも「知らない」ことがあると知ってしまうと、まあ嘆息してしまう。しかし、おそらく今の数億倍もさらに知らない世界があるのだろう。
この増えすぎてしまった「知らない」に対してどう振る舞えばいいのか、ということを思わなくはないが、まあ学習していくしかないのだろう。そしてまた「知らない」が増えていく。それを延々と繰り返していくのだろう。そう考えるとまた1年後のここにはどんなことが書かれているのだろうと少し楽しみな気持ちは湧いてくる。
2018年はもう少しアクチュアルにいきたい。


あけましておめでとうございます。
2018年も頑張って知っていきますので、よろしくお願いします。

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FUKUKOZY

福田晃司.建築専門誌の編集者です.91年生まれ.デジタルデータと建築が融合すると何が起こるのかをウォッチングしたく,Unityなどをいじりつつネットサーフィンする日々.xRと建築のコミュニティ「xRArchi」/計算分離派

日々雑感2018

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