旅日記(旅の出発前)②

旅日記(旅の出発前)①の続きで、逆に旅先の決定にあまり影響しないものをお話ししてみます。


①物価や為替

物価の高さは旅先の選定にあまり影響しない。なぜなら、1年を通じてどうせ世界各地に出向いているからで、一時だけ特定の行き先を避けたところで、半年後にはそこに行くことになるからだ。

同じ理由で為替も全く気にしない。
いや、正確には円安だと嫌だなとは思うが、それを言ったところで仕方がないのと、どれだけ待てば円高になるかなんて全くわからないのだから、行きたい時に行くということを優先させている。

他方、物価が極端に安い場合には優先的に行くこともある。例えば現在のアルゼンチンのように非公式レートが何倍も優遇されているような場合、さすがにこの状態が5年10年続くとはわからないので、少しだけ優先的に行くようにしている。

②衛生面

衛生面も全く気にしない。現地の人が生活しているのに、同じ人間である僕がそこに適応できないがない。
むしろ、もし現地に適応できないようであれば、それは生物として弱いわけで、積極的に現地に赴いて適応能力を上げたいとすら思っている。

さらには、結局は人が生存している環境はさほど大したことがないと思うようになり、今では高所や北極南極のような極地にも行くようになっている。


③治安

治安も基本的に気にしない。
アフリカや南米のような比較的治安の悪い地域であっても、それだけで避けることはない。現地にも貧富の差はあり、富裕層は警戒しつつもトラブルを避けて生活しているのだ。旅人だからと言って、いちいち危険な目に遭わないように滞在することは可能なはずだ。

特に外務省の危険情報はあまり当てにならない。あれは政治的な不安定さを重視していると思われる。
例えば、ロシアが戦争中だからと言って、ロシア全土が危険なはずはないが、現在は限度がレベル4に設定されている。
他方、南米のような旅人にとって平常の治安の悪さは軽視されて評価されている。

④テロや災害

テロのことも気にしない。テロなんて、インパクトが大きいから危険な印象が刷り込まれているだけで、実際に1年を通じてテロに巻き込まれている人はほんのわずかだ。

例えば、今週末から西アフリカのマリ共和国に行く予定だが、この首都のバマコでは、2015年に、ラディソンブルホテルという高級ホテルがアルカイダ系の武装集団に襲撃され、170人が人質に捕られるという事件が発生した。この事件は事件発生から7時間後に軍隊が突入したが、実行犯5人を含む計27人の死者を出す惨事となった。
これだけ聞くと恐ろしい事件だが、万が一この事件当日にホテルにいて人質に捕られていたとしても、死亡率は15%しかない。しかし、実際にはこんな事件が起きるのは何年に一度あるかないかで、たまたまその日に、そのホテルにいる確率など全く無視できるリスクだ。
テロを怖がるなら、乗り物を一切乗らない方がよほどリスク回避になる。

また災害も気にしない。特に登山の場合に雪崩や土砂崩れがあるが、これも巻き込まれる確率は低いのだから気にしていられない。
もちろん巻き込まれたら嫌だが、かと言ってこれを避けていたら、多くの楽しみに挑戦できなくなってしまう。

⑤アクセスのし易さ

アクセスのし易さもあまり気にしない。
期間が短い場合には大きく影響するが、僕が大抵海外に出るように1-2ヶ月単位で行く場合には、どんな僻地まで向かっても、せいぜい2日程度でたどり着ける。
またその過程も面白いのだから、アクセスのし易さは旅先選びに影響しない。

⑥知人

現地に知人がいるかどうかは全く関係ない。
もちろんたまたまその近くに行った時には会うこともあるが、僕にとっては旅は日常だし、知人が住んでいるような主要都市には毎年のように行くため、あまり珍しくもない。

⑦観光資源

今の旅の目的は、レストランとバックパッカーだが、バックパッカーは単に知らない土地を砂まみれになって移動していくのが好きなのであって、大して特別でもない観光地に行くことにあまり興味はない。
なので、これまで無数に行ってきた観光地の中でも特に関心の高いものやまだ見たことがないタイプの観光地くらいしか行かないので、あまり関係がない。

ちなみに、今後、行こうと思っているのは、ブラジルのレンソイスと、トルクメニスタンの地獄の門だ。


以上、前稿と本稿のような基準で行き先を決めています!

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