マナスル5日目(怪我の話)

マナスル2日目にして怪我を負ってしまいました。
トレッキングから帰ってきて、サマ村にまで戻ったところで、村内を歩いていて石を踏んで捻挫をしてしまいました。

山中ではなく村に戻ってから怪我するなんてと思われるかも知れませんが、山中の方が意識が張っているし、足を接地させる場所を一歩一歩確認するので事故は起きにくく、村の中で油断して余所見して歩いていたために石に気が付かずに踏んでしまいました。

でも、挫いた直後は特に痛くなく、そのままロッジに戻り、さらに高所に進んだ際の練習などをしていたのですが、2-3時間経った頃から急激に痛み出してきました。

足は熱を持って腫れ、夜は痛み止めがなくては寝られない程でした。

翌日はチームはベースキャンプに上がる予定でしたが、僕は念の為に骨に影響がないことを病院で確認するためにヘリでカトマンズに戻ることになりました。捻挫だとしても、空気の薄いサマ村やベースキャンプで治癒させるよりも、市内で休養した方が良いからです。レントゲンを撮った病院でそのまま入院するという手もあります。

しかし、この日も次の日も天気が悪くてヘリが飛べず、そうこうしているうちに足が少しずつ回復してきたので骨には異常がないだろうと言うことで、カトマンズ行きを止め、ヘリでベースキャンプに移動することにしました。
高地でも十分な回復が期待できることと、一度カトマンズに降りてしまって、また天候が悪くてしばらくヘリが飛ばないと予定が狂いすぎてしまうからです。

そんなこんなで、みんなから2日遅れただけで、ベースキャンプに入ってきました。


僕が怪我をしたことをSNSで知った人から、無理をしないようにとか、今回は諦めた方が良いといったコメントを多数もらいました。

同じチームの人からも随分心配されました。

しかし、そもそも無理をせずに8000メートル超の山なんて登れません。

また、登山に来ている目的は登頂することだけではない。登山もその他のことも人生の楽しみの一つに過ぎず、いかに楽しく感じられるかが重要だ。

その意味で、登山については、登頂できるかどうかより、登頂できるように尽力することを楽しいと思っている。

人事を尽くして天命を待つという言葉があるが、僕は、自分でコントロールできること(ポジティブに努めて、諦めずにいること)に精一杯向き合って努め、自分がコントロールできないこと(怪我の治癒のペースや天候等)については追い求め過ぎないようにしており、そして、そのような自分でいられることに自己肯定感を覚えるし、好きな自分でいられていると感じられる。

だから、今回のような怪我についても、だから易々と諦めたり、ネガティブな発想をするのではなく、自分ができることを淡々と取り組んで今の状況に向き合うことが大切だし、それを目的として登山に来ている。

すると、結果的にも好転していくものだと思っている。

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