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弁護士による法律事務所の就職活動

現在、書籍を執筆中ですが、そこで就職活動時に心掛けていたことをいろいろ書いたのですが、書きすぎて一般書としてはボツになったので、少し修正してnoteに掲載してみます。

僕は北浜法律法律事務所の東京事務所に応募し、内定をいただいた。
僕が実際に就活に利用したエントリーシート、面接後の御礼手紙、司法試験の成績も公表しているので、お高くしてみました、すみません!転載や共同での利用はもちろん禁止でお願いします。

さて、就職活動の心得として、弁護士になったこともない、学生や司法修習生レベルの知識で、自分に合う事務所や仕事を本当に選ぶことなんて不可能だと思っていた。
当時自分が持っていた業界や仕事に対するイメージ等、どれも断片的な情報による思い込みにしか過ぎないからだ。
だから、限られた思い込みの知識を前提にしつつも、自分なりに調べて考えて選んだ事務所であれば、それは自分にとって正解なのだと思うようにしていた。
よくある言葉だが、正解を選ぶのではなく、選んだものを正解にするという考えだ。
正解とは客観的に一つに決まっているわけではない。常に複数の正解の選択肢があると思っている。
結局、客観的に自分に合う事務所や仕事が初めから存在するわけではなく、目の前に存在する仕事に対して、いかに自分が好きになっていき正解のものにしていくかが大切であると思う。

弁護士業界では、事務所の規模として、ビッグ4やビッグ5と言われる弁護士数が数百人の大規模事務所、それ以下の中規模事務所、弁護士数が数名から10名程度までの小規模事務所にざっくり分類される。確か、当時一番弁護士数が大きい法律事務所は西村あさひ法律事務所で、弁護士数は400人を超えていたと記憶している。

ここで言う法律事務所の規模とは、売上高でも利益でもクライアント規模等でもなく、所属している弁護士の数でランク付けされている。
一般企業で考えたら、従業員数なんて必ずしも最重要視すべき指標ではないのに、弁護士達、特に就職活動中の司法修習生達はなぜかそこに疑問も持たずに弁護士数を指標に大規模事務所を目指している人が相当数いた。

とはいえ、基本的に、弁護士数が多い事務所の方が事件の量や種類が多くなるのは確かだし、一般企業と違って法律事務所の売上高や利益水準は一切公表されていないため、僕も弁護士数という意味での事務所の規模をある程度重視した。
なぜなら、弁護士になって1年目から特定事件に特化したスキルを身に付けるよりも、幅広くいろんな種類の業務を扱うことで幅広い知識や仕事力のようなものを身に付けたいと思っていたからだ。
それは、僕自身の性格とも関連するが、興味が幅広く移り変わりしやすいし、弁護士という仕事自体を含めて、同じことを延々とやり続けるよりは、その時その時で好きなものを最適化して仕事をし、生活をしていきたいと考えているからだ。

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