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マンションポエムをカードゲームにした話

そういえばみなさん、マンションポエム、好きですか?
実は私、マンションポエムに興味津々でして、なんと勢い余ってマンションポエムを題材にしたカードゲームを開発してしまいました。これがなかなかの力作なので是非ご覧頂きたく記事を書いた次第です。

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追記
お陰様で2019年10月に実施したクラウドファンディングの目標を無事に達成でき、12月に発売する見通しとなりました。下記ストアにてご予約を受け付けていますのでよろしくお願い致します。

本題の前に、そもそもマンションポエムとは⋯

そもそも皆さんは、マンションポエムをご存知でしょうか?

例えば⋯

画像2「潮風と、静謐をまとうタワー生活。」「未来を紡ぐ、都心の先島へ。」

画像4「煌めきの水面を望む、至上の私邸席を。」「港都に、集う。水辺に、澄まう。」

画像3「誰も知らない憧憬が、日常となる。」

このようにマンション広告で頻繁に見られる、無駄に情感たっぷりで詩的なキャッチコピーのことを巷では「マンションポエム」と称し、その独特な世界観や表現の数々に魅了された隠れファンが相当数潜んでいる模様です。

かくいう私もその一人。私はかねてより、マンションポエムはそれそのものが魅力的で面白いのだから、その面白さを何かしらのプロダクト開発に活かしてみたいと考えていました。そしてカードの組み合わせでマンションポエムが生成できるカードゲームの企画を閃きました。

ちなみに上記のポエム事例画像は、マンション広告をイメージして作成した架空の広告風画像です。それっぽい背景にそれっぽい言葉を添えるだけで、途端にマンション広告らしくなることがおわかりいただけるかと思います。本作はこの「マンション広告あるある」を活かしたゲームの企画となっています。

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カードゲーム「ザ・ポエティックマンション」とは


「ザ・ポエティックマンション」は、カードを組み合わせてポエムを生成し、(架空の)マンションをより魅力的に訴求して成約を勝ち取るカードゲームです。

画像5ザ・ポエティックマンションの構成カード一式

画像6生成されるマンションポエムの一例

このゲームでは、お客様の要望を設定する「テーマカード」、ポエムを生成するための「ポエムカード」、そしてゲームの行く末を左右する「アクションカード」の3種を使い分けてゲームを進行します。

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この内「ポエムカード」は、マンションポエムの構成要素を「上の句・中の句・下の句」の3文節に分割してカード化しており、3枚を並べると1つのマンションポエムができあがる仕組みです。

各文節25種類ずつ合計75種類を用意しており、それらの組み合わせにより1万5千通り以上のポエムを生成することが可能です。

画像8理論上は25×25×25=15,625通りの組み合わせが可能(※言葉の繋ぎが多少不自然になるものも含む)

ゲームの流れを簡単に

画像10テーマ決定:まず判定員となるお客様役のプレイヤーが「テーマカード」を引き、そのラウンドにおけるテーマが決まります。

画像11ポエム生成:次にポエムを競い合うマンション会社員役のプレイヤー(通称:ポエマー)の面々が「ポエムカード」を引き、手札の選択肢の中からテーマにそったポエムを生成します。

画像12プレゼン:続いて完成したポエムを順次発表し、ポエムから連想される物件内容を補足しながらマンションの魅力を訴求します。

画像13成約:全員のポエムが出揃った後に、お客様役プレイヤーが気に入ったポエムを1つ選びます。選ばれたポエマーは成約の証として当該ラウンドの「テーマカード」を獲得し、ラウンド終了となります。

画像14アクション:ゲームを盛り上げる要素として、各ポエマーはポエム生成~プレゼンのフェーズで、状況に変化をもたらす「アクションカード」を使用することができます。このカードを発動するとポエム生成やプレゼン時に何らかのトラブルが生じ、プレイヤーが意図しないポエムや意外性のあるポエムが生み出されるきっかけとなります。

複数ラウンドを実施し、最も成約を多く勝ち取ったポエマーの勝利となります。

「ザ・ポエティックマンション」で生まれるポエムの事例

それでは試しにザ・ポエティックマンションでどのようなポエムが生成されるか、その一例を御覧ください。

「揺るぎない誇り、 誰にも真似できない 自慢の私邸席。」

画像15抽象的で中身は全く伝わってこないところが、逆にマンションポエムっぽいような⋯?

「洗練の高台 ふと振り返ると 緑の邸宅。」

画像16こちらは高台にある公園とかに隣接していそうな、住みやすさ漂うポエムになりました。

「洗練の高台 ふと振り返ると 高みの至福。」

画像17アクションカード「上司の気まぐれ」が発動すると、強制的に1文節が上書きされます。「緑の邸宅」が「高みの至福」となり、一転してタワマン上層階から下々を見下すようなポエムとなりました。

「ここでの暮らしは、悠久の人生 悠久の邸。」

画像18やたらと悠久推しでプレゼンに苦慮しそうなポエム。プレゼン時のアドリブ力が問われそうです。

このように、いかにも「ありそう」なポエムから、一見するとチグハグなポエムまで、様々なポエムが次々と生み出されます。さらにアクションカードの発動によりポエムの内容が二転三転することもしばしば⋯。

生成されたポエムに対し、作者がアドリブで如何にそれっぽい解説を加えられるかも勝敗を分ける鍵となるでしょう。

移転を機にマンションポエムとふれる日々がきっかけに

3年前、東京都中央区へ移転しマンションポエムにふれる日々が始まる

弊所は3年ほど前に東京都中央区の老朽ビルへ拠点を移しました。周囲の臨海エリアではタワマンが林立しており、新築が竣工したかと思えば新たな建設が着工され、次々とタワマンが生えてくるタワマンタウンに身を置くことに。

大通りの交差点や駅構内、工事現場のフェンス、新築マンションの外構、街の随所に広告が掲げられ、外を歩けばポエムが目に飛び込んでくる日々が始まりました。

画像19街で見かけた街頭広告の記録画像(広告主様に配慮してモザイク処理を施しています)

モデルルーム見学で感銘を授かる

次第に街なかのポエムたちに興味を持ち始め、スマホのカメラロールには広告画像が蓄積されていくことに。(ちなみに上記写真の街頭広告には「世界」「舞台」「愛」などのポエティックワードが並んでいました)

興味本位でタワマンのモデルルーム見学に訪れると、早速シアタールームに案内され数多のポエムで紡がれたプロモーションムービーを観賞することに。ウェブサイトや街頭広告で目にするメインのキャッチコピー以外にも、PVでは各パートの内容が悉くポエティックに表現されていて正にポエムの宝庫。シーンが変わる度に極上のポエムと出逢える最高の体験に、イメージがどんどん膨らんでいきました。

そんな日常を送っていたことで、ある日ふとマンションポエムを題材にしたカードゲームを作ったら面白いのではと思い立ったのでした。

そして手始めに本格的なポエム事例の収集を開始。ネット検索や街頭広告以外にも、カタログからチラシやティッシュまで媒体を問わずに広告をかき集めました。

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参考に収集したカタログやティッシュ、チラシなどの広告。手前はワードをリスト化した用紙。(広告主様に配慮してモザイク処理を施しています)

こうして収集した資料を元にリスト化したのが上記の写真。(ちなみに画像上のカタログやチラシには「先進」「美意識」「理想」などのポエティックワードが並んでいました)

これらを参考に厳選したキーワードを試行錯誤して組み合わせ、試作品が完成。

画像21最初の試作品。

3枚並べると1枚の広告のようになる点と、「光の柱」でマンション広告感を演出した点がアートワークのポイント
この時点では、各文節3枚ずつ(合計9枚)の手札からポエムを作成して披露するシンプルなゲームを想定していました。ところが…

ゲーム制作経験者らを交えた試遊会を経てブラッシュアップ

インディーズゲーム制作経験者数名を含む友人知人にテストプレイを依頼したところ、手札が多くて選びにくい、完成したポエムの評価基準が曖昧など様々なご意見ご指摘をいただくことに。

画像22試作品を用いてのテストプレイ会

スムーズ且つ盛り上がるための進行手順、「テーマカード」「アクションカード」といったゲームデザインの要となるアイディアなど、協力者の面々と議論を重ねて改良し、徐々に完成形が見えてきました!

画像23完成形に近づいた改良版試作品。

そしてタワマンでの試遊イベントを開催

改良版試作品を用いての試遊イベントを憧れのタワマンで開催。改良点が見事にハマり、終始笑いの絶えないイベントとなりました。

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現在も引き続きテストプレイを重ねつつ、ビジュアルデザインやポエムの文言などのディテールをブラッシュアップして量産に備えています!

生産に向けクラウドファンディングを開始!(特典あり!)

以上のように「ザ・ポエティックマンション」はゲームとしての完成度が高まり、一般販売を視野に入れて量産化の可能性を探っています。そこでこの度、ニーズの把握と生産時のイニシャルコスト調達を主目的としてクラウドファンディングを実施することに致しました。

資金の使い道
目標金額の達成を以って最小ロット数の生産は可能となりますが、先々の一般販売を視野に入れると初回ロットでそれなりの数量を用意したいと考えています。

調達資金は初回生産時に生じるイニシャルコスト(主に製版代)を中心に、量産時のカード・パッケージの製作代金に充てさせていただきますので、当ゲームにご興味をお持ちいただけた方は是非クラウドファンディングサイトを御覧ください!(内容はほぼこの記事と一緒です)

クラウドファンディングでご支援いただくとこんな特典があります⋯

ザ・ポエティックマンション完成品
どこよりも早く入手していただけます。

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限定オリジナルカード
ゲーム内で使用することのできる「アクションカード」のクラウドファンディング限定版を1枚追加致します。このカードを発動するとポエムの生成時にある出来事が起こり⋯(内容は完成品をお楽しみに!)

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ポエムワード・幻の候補一覧表(PDF配布)
ポエムカード75種に収まらず、惜しくも採用されなかったポエムワードの候補を一覧にまとめてお送り致します。一覧表を眺めながら任意の組み合せを読み上げるだけで簡易的にマンションポエムを生成できて暇つぶしになります(笑)

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発売記念試遊イベントご招待(発売時に東京都内にて実施予定)
都内にて開催予定の発売記念試遊イベントにご招待致します。ゲームの楽しみ方を作者直々に解説させていただきつつ、完成したばかりの製品を直接お渡しし、いち早くゲームをお楽しみいただけます。

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製品情報
内容:カード90枚+マニュアル
プレイ人数:4名
プレイ時間:10〜30分
販売予定価格:2,700円(税別)
発売予定:2019年12月

※ いずれもクラウドファンディング開始前の予定情報です。今後変更となる場合がございます。
※ 本ページに掲載のある製品画像はいずれも開発途中のものです。製品化にあたり継続して改良を重ねていますので、完成品は掲載画像と異なる箇所があります。予めご承知おき下さい。
※ 追記:価格を最新の情報に更新しました(2020/02/13)

今後のスケジュール
10月上旬
 クラウドファンディング開始
10月25日
 クラウドファンディング終了
⋯以下、クラウドファンディング成功の場合に実施⋯
10月末
 生産開始
11月末
 製品入荷予定
12月上旬
 発売記念試遊イベント開催予定
 順次発送予定

最後に(一緒にマンションポエム界の裾野を⋯)

大好きなマンションポエムを題材にしたこの企画を閃いた瞬間、これは面白くなりそうだと直感しました。しかし手始めにプロトタイプを自作して1人で試遊してみると自作自演感が否めず⋯「このゲームは本当に面白いのだろうか」「そもそもマンションポエムを面白いと思ってるのは自分だけかも」という疑念も出てきました。

こんな時は客観的な意見を聞くしかないと思い、友人知人に呼びかけて試遊会を催してみたところ⋯意外なほどに大盛り上がり。制約がある中でお手本のようなポエムが生まれたり、逆に支離滅裂なポエムをプレゼンでうまくカバーして笑いに変わったりと、十分に手応えを得ることができました。

その後テストプレイを重ねてゲームデザインをブラッシュアップし、外に出しても恥ずかしくないクオリティへの目処がたったことで、ようやくクラウドファンディング実施までこぎ着けました。

是非皆さんも、このゲームで情感溢れるマンションポエムの世界をお楽しみ下さい。そしてマンションポエム界の裾野を一緒に広げていきましょう!

ということでクラウドファンディングの告知を兼ねたザ・ポエティックマンションの紹介はこの辺で。(最後にもう一度リンクを貼っておきますね)

以上、マンションポエムをカードゲームにした話でした。





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