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就活が苦手なあなたに伝えたい/就活が苦手だった人事担当が200人採用して思ったこと

この記事では「就職活動」を「就活」、「就職活動生」を「就活生」と省略して記載します。
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就活本が役に立たない!

うだるような暑さから逃げるようにして、駅前の本屋に入った。冷房の涼しさに一息ついてから就活関連本コーナーに向かうと、店の奥の少し薄暗いあたりに設けられたそのコーナーには、分厚い本がところ狭しとつまれている。並んだ本のなかで、腕組みをして自信ありげな顔をした人の写真が載せられた本が目についた。どうやら就活関連のカリスマらしく、帯には内定を勝ち取るメソッドと書かれている。とりあえず、中を少し見てから値段を確認すると、1200円もする! 家賃込月10万円で暮らす身としては痛い出費だけれど、どの本を見ても同じような値段らしい。なんで有名小説の文庫本の倍もするのだろうかと思いながら、その本を持ってレジに向かう。いくら高くても、僕にはこれくらいしかすがるものがなかった。

10年前の初夏、僕はまだ内定が1社もなかった。周りの友人たちは1か月以上前に内定をもらって、就活も終えていた。僕は、100社近くの企業に応募して、ほとんどの会社で書類選考すら合格できなかった。もう書類選考中の企業も残っていないし、もちろん面接の予定だってない。そんな状況で、藁にもすがる思いで、春には読み飛ばした就活本をもう一度買って読むことにしたのだ。

結論から言えば、(そのころの自分にとっては)安くない金を出して買った就活本は、少しも役に立たなかった。その分厚い本は、僕が就活に苦しんだ原因を教えてくれもしなかったし、だから当然、問題を解決してもくれなかった。そのときはどういうことかわからなかったが、今ならわかる。その本は、僕に向けて書かれていなかったのだ。

就活本は就活が苦手な人に向けて書かれていない!

すこしたとえ話をする。

早く走れるようになりたい小学生がいる。仮にA君として、彼の目標はクラスの徒競走でせめて真ん中くらいの順位になることだ。A君は走り方を学ぶために100メートル走元日本代表が書いたランニング技術の本を買って読むことにした。どうしたら早く走れるのか、必死になってその本を読んでみる・・・。

A君の努力の結果はどうだろうか。はたして早く走れるようになっただろうか。おそらく、早くならなかったはずだ。日本代表選手が書いた本は、小学生にはレベルが高すぎるし、だからA君の問題(課題)の解決方法はその本には書かれていないはずだからだ。

僕の就活でも同じようなことが起こっていた。僕にとって、かつて買った就活本がまったく役に立たなかった理由は、その本が僕に合っていなかった(レベルが高すぎた)からだ。何十社も書類選考すら通らなかった僕は、就活生としては小学生レベル、いやきっとそれ以下だった。そもそもまともに走ることさえできていないというのに、ランニング技術の本を読んでも問題解決にはならないのだ。

言い方を変えると、その就活本は就活が苦手な人に向けて書かれていなかった。どうして就活が苦手な人に向けて書かれていないかといえば、第一に就活生の大半は僕ほど就活が苦手ではないから(つまり僕が並はずれて就活が苦手だった)、そしてもう一つはそれらの本を書いている人が就活が得意な人ばかりだからだ

この記事を書く前に、ある就活本の著者のプロフィールを見てみた。その著者は、新卒で有名通信会社に入社して採用担当になり、大手人材会社へ転職してそこで人事部長を経て、数年前に独立コンサルタントになっていた。採用のプロとしての経験も十分なうえに、競争率の高いメーカーに新卒で就職し、一流企業への転職も成功させている。こんなに素晴らしい経歴の持ち主だなのだから、一般的には最高の就活アドバイザーなのは間違いない。ただ、と思う。はたして彼に、就活が苦手な人のことがわかるだろうか。

もちろんその本に書いてあることは、大半の就活生にとってはためになることばかりだった。内容は素晴らしいのは間違いない。ただ、就活がとことん苦手なかつての僕にとっては、高度すぎて不向きだったのだ。

思い返してみると、その本に書いていあることのもっと手前のことでで、かつての僕は躓いていた。たとえ話に戻せば、僕は走る以前にどうやって足を前に出すのか、どうして自分が足を前に出せないのかわかっていなかったようなものだった。だから足をどうやって前に出せば早く走れるかは解説してくれる就活本を読んだところで、足を前に出すことができない僕には少しも役に立たなかったのだ。

就活が苦手なかつての僕へ

就活が苦手だった僕は、もう秋になろうかという頃にやっとある会社から内定をもらうことができた。その会社に入ると人事部に配属されて、何の因果かあんなに苦手だった採用の担当になった。人事部配属の希望を出したわけでもなく、まったく偶然のことだった。

少しも意図せずに採用担当になってから、気づけばもう10年がたっている。10年の間、ほとんどずっと採用に携わり、ついには年間200名を採用する大きなプロジェクトも担当したりするようになった。自分自身も転職を経験して、改めて就職活動を経験したりもした。そんな経験を積むうちに、かつての自分が苦しんでいたことについて、だんだんどういうことだったのかわかるようになっていった。

採用担当をすると、毎年たくさんの就活生に会う。そして、そのうちの何パーセントかは必ず、かつての僕のようにとことん就活が苦手な就活生たちだ。そんな就活生たちを見ると、今ならいろんなアドバイスができるのになと思う。かつての就活で苦しんだ経験があるから、なんとか助けられないかと思ってしまう。

このnoteは、就活が苦手で苦しんでいた、かつての僕に書くつもりで書くことにした。就活本のように、マジョリティーに向けて書いているわけではないし、ときにはすごく初歩的なことを書くことになる。

僕はそんな記事を、かつての僕のように就活で苦しむ人や、就活が苦手なのではと悩む人に読んでほしい。それぞれ抱える問題は違うのだから全部は解決できないけれど、もしかしたら前にうまくいかない理由を少しだけ見つける手伝いができるかもしれない。そう思って、これから記事を書いていく。

最後に(更新頻度などについて)

更新頻度は決めていませんが、月に1~2回の不定期更新を予定しています。就活に役立てられるよう、その時期に合わせたトピックを記事にしていきます。

なお、いろいろと悩みましたが、私自身が本気になるために掲載記事は全て有料にします。ただ、無料で購入しなくても)最後まで読めるようにすることにしたので、読んだうえで役に立ったと思ったら、購入いただけると幸いです。

また、こちらのNoteは仕事をしつつ、子育てをしつつ、更新していくことになります。合間の時間をなんとか確保して書こうと思っているので、今後個人的な質問をメッセージでいただいても、回答はできません。ただ、皆さんが困っていること、というのを見かければ、できるだけそれについて記事にしていきたいと思います。

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スキありがとうございます。
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フクシマタイキ

千葉大学卒業/人事として年間約200名を採用/就活が苦手で学生時代には書類選考で70社以上落ちる。なんとか入社した会社で採用担当となり、転職を経て、現在は外資系メーカーで人事担当。就活が得意な人ばかりが就活情報を発信していることに違和感を覚え、苦手な人の目線で情報発信している。
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