東京日記『まず、これを愛とします。』を読みました

扶桑社さんから『まず、これを愛とします。』を御恵投いただきました。もらえるものはもらっておけということで受け取ったはいいものの、どうやらバズっているらしいことと「まず、これを愛とします。」という一文を文末に添えたツイートをたくさんの人がしているということしかわからず、完全に流れを把握できていないオタク君になってしまっているのでとりあえず感想を書きます。どう書こうかずいぶん悩んでしまったせいで、読み始めてからこの短い記事を書き上げるまでに時間がかかってしまいました。もし送ったのに全然音沙汰ないなあとか思っていたらすみません。僕は音沙汰なくなりがちなんです。

東京日記『まず、これを愛とします。』

以下のツイートを見てわかると思いますが、こういうオタク君が自分から買うことはおそらくないタイプの漫画です。

だからこそ本来想定されている(?)共感による楽しみかたではなく非日常的な物語として受容することしかできないのですが、それはそれで面白い。これ、あるあるネタなんだと捉えて読んでいたんですが合っているんですかね? 人生の大部分を大阪ミナミで過ごして学生時代は京都で遊んでいた人間なので、たぶんこれは自分が知らない「東京」にいがちな人々の類型なんだろうなと思いつつ、もし東京で学生時代を過ごしたりしていても違う文化圏で生活していたと思われるためその真偽はわからないことでしょう。

収録されているなかでいちばん好きな話はこれです。スピード感が気に入ってこの部分だけ10回くらい読んでいます。たぶん、テレタビーズで流れる2回目3回目の映像を観ているときと完全に同じ脳汁が出ています。

Amazonレビューで「同じパターンの繰り返し」と書いている人もいますが、先述の通り共感ベースで読んでいないおかげで吉本新喜劇的な要素の回収の面白さは読み進めていくにつれて大きくなりました。「東京(の一部)らしさ」の記号がだんだん輪郭をはっきりとさせていき、序破急の急にあたる部分がなんとなくわかるようになってくればくるほど待ち遠しくなってきます。こういうのが一定数の人にとって「東京」と強く接続されたイメージなんだと理解するまでの過程と、わかってからのそいつが来るぞ来るぞと期待する時間が楽しいのです。これだけソリッドに(「東京」らしさを欲する人にとっての)「東京」らしさが表現されている漫画もたぶんあまりないので、そこらへんの人がどんな物語を求めているのか知りたい、もしくはまさに我こそそういう記号を求めているんだという人は読んでみてはいかがでしょうか。

ちょっと斜に構えた読み方をしてしまっていますが、素直な感想はツイート検索すればいくらでも出てくるのでご容赦ください。

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