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志摩は先っぽがいいですよ〜大王町観光のススメ〜

概要:三重県志摩市の先っぽにある大王町はいいところだよ。という記事。誰かに頼まれわけでもないので、私個人の独断と偏見の観光ガイドです。


私と志摩


このあいだ、僕のツイッターのプロフィール写真はどこかとお尋ねいただきました。

こんな写真


私は地元は名古屋と言っているんですけど、それは小学校のころから大学院修了まで長く住んでいたからで、その前は三重県に住んでいました。名古屋に来てからはわりと記憶がしっかりしているので、前のこの地域での生活がなんだかんだ自分の原風景を形作っている気がしています。
三重県はよく鳥の形にたとえられますが、そのくちばしにあたるのが志摩市(私が住んでいた時は志摩郡)で、私はまた更にその先っぽにある大王崎灯台の隣に住んでいました。

志摩市のさらに先っぽのところ。出典:三重県(公式) https://www.pref.mie.lg.jp/HOTAI/HP/anzen/87661000019.htm

灯台の隣というのは比喩的な意味ではなくて、父親が灯台に勤務していて、夜勤の時は母親が夕飯をお盆に載せて歩いて持っていく、文字通りの味噌汁が冷めない距離の宿舎に住んでいました。今は取り壊されてしまっていて、事務所も無人になったので博物館みたいになっていますが。

私が住んでいた時は週末は観光バスを使ってかなり多くの人がこの場所に訪れ、当時土曜日に午前中授業があった私は、観光客の人と一緒に観光ガイドさんの旗を持たせてもらって灯台に歩いて帰ったりした記憶があります。

学校からの帰宅ルートは観光客に向けたお店がずらっとならんでいて、私はそこのお店ひとつひとつに挨拶をして、商品を見せてもらったり干物や焼きイカなんかを食べさせてもらったりしていたので、親が私の帰宅が遅くよく心配していたといいます。お店の人たちには「灯台の子」(アクセント的には関西弁の「ええとこの子」と同じ感じ)と呼ばれてかわいがっていただいたものです。

今見たら私のかつての通学路がそのまんまYoutubeの動画で上がっていました笑
ちなみにこの坂道は狭すぎて車で上がれないので、当時は最寄りの駐車場まで徒歩15分でした。車使わないとコンビニも行けないのに。

ただ、志摩スペイン村ができたころから少しずつ観光客が減っていったらしく(それでもできたばかりのころは相当多くの人がいた記憶がありますが)、今なんかはゴールデンウィークとかに遊びに行っても観光客はほとんどおらず、かつて道の両脇にズラっと並んでいた観光客向けのお店はだいぶシャッターが目立つ状態になってしまいました。外から見ている感じ、それほど観光客誘致に向けて積極的に何かしているわけでもなさそうで(ずっと栄えてて急速に廃れたからそういうノウハウもあまりないのかな…?私が知らないほかの事情もあるのかもしれませんが)、観光バスなんかは大きな駐車場が既に使われている形跡がなく、もしかしてもう運行していないのかも…?

アクセス

最寄りの駅(近鉄の鵜方か賢島)から車で2-30分かかるイメージだったのでどうやってアクセスするんだろうと思ったら、観光バスではないものの、最寄りの駅から三重交通バスで大王崎灯台行きがでているようです。よかったよかった。一時間に1,2本あるようなので、わりとあるみたいですね。さすが元は栄えた観光地です。ちなみに最寄駅から私が住んでたところまでGoogle Mapによると徒歩2時間10分だそう。

見どころ

真珠の貝柱(と、その他郷土料理)

実は以前、妻のご両親(愛知県岡崎市在住)とお話ししていたところ、20年くらい前まではほぼ毎年大王崎灯台に観光旅行をしていたというお話でした。計算してみると妻と私はもしかして幼稚園-小学校低学年くらいの時代にニアミスしていたかもしれません。
なぜ毎年行っていたのかと尋ねたところ、名物の「真珠の貝柱」を食べに行っていたとのこと。行きつけの貝柱を出してくれる店が閉じてしまったので徐々に足が遠のいてしまったということでした。

真珠の貝柱、ご存じでしょうか?神器の一種ではありません。宇和島あたりでも取れるらしいのですが、真珠の養殖で有名な志摩の名物で、アコヤ貝からとれる貝柱です。もちろんここでは伊勢海老、牡蠣、黒鮑なども有名で美味しいのですが、愛知と三重は隣同士、海を挟んだら三河湾がすぐなのに、わざわざ志摩まで行かないと真珠の貝柱は食べられないんです。愛知の友人の誰に聞いても真珠の貝柱は存在すら知らない人が多くて、「ホタテの貝柱と似たようなもん?」と聞かれたりしますが全く違います。そもそも見た目からティアドロップのような形をしてして、ホタテより身が締まってて旨味も強いです。刺身で食べるのもいいですが、フライもおいしく(いいですか…なにもつけずに食べるのです…)、個人的には醤油焼きがおススメです。一言でいうと「あ、これ絶対うまいやーつ」です。

真珠の貝柱の焼き物

是非現地に食べに行きましょう。あっ、ダメですよAmazon開いたそこのあなた。いやダメっていうのは嘘ですが、ネットで買うとだいたい冷凍だし、現地で食べるよりずっと高いです。まあでも、ふるさと納税で南伊勢町とかの返礼品としてありますので、とりあえず食べてみたい方はそういった入手方法もあります(私も頼んでいますっていうかちょうど昨日届きました)。四国産のではなく志摩産というのが大事です。四国産は食べたことがありませんがおそらく味が違うと思います。私のおすすめしているのはそれではありません。っていうか四国はまだ志摩より観光資源豊富なので大丈夫です。志摩のあの辺はもうワンチャン温泉でも湧かないとヤバいと感じたりするくらい結構危機的なのでお願いですからそっちにお金を落としてください。ちなみに真珠の養殖が有名なので、真珠も有名です。真珠取り出し体験や真珠のアクセサリー作り体験などができるところもあります(それをしようとしたら大王町から少し車を走らせる必要があるかもしれません)。

返礼品の貝柱。ぜひ現地にも行ってみてください。


ここに住んでいた時は、ビニール袋いっぱいに海水とともに入った生の真珠の貝柱をよくおすそわけ頂くことがあり、大王崎周辺ではかつては真珠の貝柱がたたき売りされていたもので、大王崎灯台に上る坂の下のほうでおばあちゃんが「安くて美味しい真珠の貝柱~」と歌っていたものですが、出してくれるお店は徐々に減ってきて、一番最近いったのは去年なのですが、露店ではほとんど売っていませんでした。宿泊付きで行く場合のおすすめは、大王荘に泊まってその並びにある田中料理店に行くことです。田中料理店なら「貝柱のフライ」とかそういう名前で置いてあるはずです(「これなんの貝柱ですか?」と聞くと、なんでそんなこと聞くのかというニュアンスで「真珠の貝柱ですが」といわれるのがまた良いのです。私は三重を出るまでこの食材が珍味として扱われているとは思いませんでした。それほどまでに現地の人の文化に深く根付いているのです)。メニューにフライしかなくても、焼きで食べたいんですけど…といえば対応してくれると思います。田中料理店では、三重県志摩地方の郷土料理、かつお茶漬けも食べることができます。かつお茶漬けで検索するとまぁた四国が介入してきますがそいつじゃありません。

ひつまぶしみたいに食べる手順が決まっている

あ、あとこの辺は歩いていけるところにコンビニやスーパーが一切ないので、酒を飲み始める前に買い物は済ませておきましょう(自販機ぐらいならあります)。

宿で海鮮を味わえる大王の旅館としてはもへじ旅館も有名です。あと、あの辺は干物もとてもおいしく有名です。船着き場にずらっと干物が干してあります。干物は日持ちするので旅のお土産にいかがでしょうか。

伊勢志摩 民宿 大王荘 (mctv.ne.jp)

田中料理店 (たなかりょうりてん) - 志摩市その他/魚介料理・海鮮料理 | 食べログ (tabelog.com)

絵描きの宿 モヘジ旅館(泊まる)|伊勢志摩の観光案内 御食つ国(みけつくに)志摩/志摩市観光協会ホームページ (kanko-shima.com)

選んだらその場で焼いてくれるところ

他にはない景観

志摩といえば有名なのはリアス式海岸で有名な英虞湾です。陸があって、海があって、その向こうに陸が見えるという景観は、海沿いを転々と引っ越し+観光してきた私の記憶にも他にないような絶景です。あとこのあたりは石工の町としても有名で、いたるところに古い石垣がたくさん残っていて、これもまた良い雰囲気を醸しています。大王町は昔栄えた港町として情緒溢れる景観を残しており、絵描きの人が数多く訪れることでも知られていました。私も小さい頃は油絵を描きに来た美大生のお姉さんにちょっかいかけてよく遊んでもらっていました。みなさん優しかったです。

先ほど挙げた大王荘にも、ゆかりの画家の絵が多く掛かっており、さながら小さなミュージアムのような雰囲気を醸しています。

ちなみにこの辺りの海は昔から超攻略が難しい海で船が座礁しまくる地域だったらしく、その地形を生かして九鬼水軍が波切城という根拠地を築いた場所でもあるそうです。今は石垣くらいしか城跡が残っていませんが。このあたりの歴史は私の父の職場跡地である大王崎灯台ミュージアムでいろいろ説明がありますので是非。

大王崎灯台
波切城跡
宝門の浜

熱田神宮・スペイン村のついでに

車で熱田神宮やスペイン村に行かれるのであれば、すこし足を延ばして大王崎観光というオプションを考えてみてください。鳥羽まで行く人は結構いますが、大王まで来る人はあまりいないんですよね。(というか、観光情報みても、鳥羽や二見、せいぜい浜島町くらいまでしか出てこなくて、そのさらに奥ばったところにある大王町が見捨てられたように乗っていない…。)上述のようにとてもいいところなので、スペイン村に行くときに志摩地中海村で宿泊する代わりに泊まってみてはいかがでしょうか。

あと、あまり知られていないようですが、伊勢神宮のほうから大王に向かう途中、磯部のあたりに天の岩戸というホットスポット的なものがあります。天岩戸じたいは全国にありますが、ここの天の岩戸は降り立った瞬間にものすごい荘厳で神秘的な雰囲気があり個人的には結構好きで、大王町に行く途中には必ずここで降りています。一応、名水百選的なアレらしいです。

天の岩戸
住所:三重県志摩市磯部町恵利原
アクセス:近鉄志摩線志摩磯部駅から三重交通伊勢方面行きバスで10分、天の岩戸口下車、徒歩20分

出典:ここは押さえておきたい!志摩のおすすめ観光スポット21選
 https://www.ikyu.com/kankou/arealist8288/
夏だと車降りたとたん10℃くらい体感温度が下がります
近隣の喫茶店なんかはここから毎朝水を汲んでいるところもあります

その他

実は私は趣味でサバゲ―やったりするんですが、エアソフトガンやモデルガンの木製パーツを作っている工房が、私がかつて住んでいたところからほど近い志摩町片田というところにあります。

aohate custom webshop

個人経営で、ひとつひとつ手作りでパーツを作成しているのでさまざまな要望に応えていただけますし、値段も想像よりかなりリーズナブルです。木フェチを自称する私もちょっと特殊な形したAK47のグリップとアッパーハンドガードを作成してもらいました。

おまけ

まとめ

とにかく、海鮮と海辺の観光が好きな人にはお勧めの場所です!食べ物は美味しく景観も美しく、人が少ないのでこの状況下でも車を使えば人混みを避けて存分に観光できるかも?

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