ikuko

こんにちは😃!関東在住。 カフェや本屋に行って素敵な場を味わうのが大好きです。

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最近の記事

一瞬の影響力 日本を目指してやってきた

ビビビと強い直観を感じる。 あれ、今のはなんだったのだろう、と思う。 意識が殴られたみたいになって、見た目は何も起きてないけれど、心の中はすこく揺さぶられている。 またたきのような一瞬だった。強烈なイメージ、もしくは、はっきりとした予感がした。 意味を知りたくて、繰りかえし思いだす。 小学校5年生のとき、はじめてそういう瞬間におそわれた。 教室のまんなかあたりで友だちと立ってしゃべっている最中に、ふと頭の中に世界地図が浮かんだ。 最初は全体が見えていたところ、ズ

    • 『料理発見』甘糟幸子 〜食の本紹介〜

      近所にできた「みんなでつくる本とアートの実験室」ラムリアにてシェア本棚をかりました。そのなかから1冊紹介します。 11.『料理発見』甘糟幸子 静岡県の三島に行く用があり、駅からふらふらと歩いていたら2軒の本屋に出会った。 一つは三島大社そばのginger book &cafe。 もう一軒は一駅はなれた三島田町駅のYACHT BOOK(ヨット)。 どちらも最近開店したばかりだという。二店とも選書に個性があり品揃えから本気をかんじた。 特にYACHT BOOKは食エッ

      • 小さな箱の外へ

        海外に行こう! そう腹が決まったのは、ものすごく落ち込んでいた時で、出口のない穴ぐらにまた落ちてしまったような失望感があり、悔しくて泣いたあとだった。 同じような世界にいてはダメだ。 冒険しよう。EASYじゃないことをしよう。 負けてはいられない、私には自由があることを忘れるな! そう奮い立たせて、近い未来に海外に行く、という目標を定めた。 そうしたら、穴ぐらに光が差しまたやっていける気がしたのだった。 ここ半年くらい、Netflixでイギリス王室のドラマ『THE

        • 『味をつくる人たちの歌』『食は広州に在り』『荒野の胃袋』〜食の本紹介〜

          近所にできた「みんなでつくる本とアートの実験室」ラムリアにて、シェア本棚を借りました。食関係の本を棚に並べています。100冊の本をNOTEで紹介することをとりあえずのゴールにしています。今回は3冊を紹介します。 8.『味をつくる人たちの歌』牧羊子 詩人であり中華料理研究家であり、開高健の妻である牧洋子さんのエッセイ。 兵庫県竜野の醤油蔵、愛知県岡崎市の味噌蔵、和歌山吉野のこんにゃく畑、出羽三山の山菜自慢の宿など、全国あちこち訪ねあるく。 後半は舞台は中国へ。ローカルな

        一瞬の影響力 日本を目指してやってきた

          近所の文庫が居場所だった あまるいメガネの先生のおくりもの

          子どもの居場所をつくろうといった話を聞くたび、私の居場所はどこだったかなと考える。 居場所というと、くつろぎ、安心、というニュアンスが入るので、何を感じていたかも条件に入る。 となると、家はそこ以外選択肢がないわけだし、習いごとの教室は課題をやらないと気まずいから苦痛な日も多かった。運動は好きじゃないから公園で遊んでいた記憶はうすい。 唯一、これかなと思うのは、近所の文庫である。 家から歩いて15分くらいの場所にあった文庫は、自宅の1階を改装してつくった場所で、ショー

          近所の文庫が居場所だった あまるいメガネの先生のおくりもの

          『&Premium カルチャーのあるカフェ』『珈琲いかがでしょう』〜食の本紹介〜

          近所にできた「みんなでつくる本とアートの実験室」ラムリアにて、シェア本棚を借りています。食関係の本を集めようと決めて、100冊の本を紹介することをとりあえずのゴールに設定しました。今回は軽く読める2冊を紹介します。 6.『&Premium』カルチャーのあるカフェ(2016年10月号) 無料の「差し上げます」コーナーから拾ってきたんだか、買ったんだか。 手元にきたときからずっと大切にしている。いつめくっても幸せな気持ちにさせてくれるから。 巻頭は写真たっぷり。黒磯の「19

          『&Premium カルチャーのあるカフェ』『珈琲いかがでしょう』〜食の本紹介〜

          あなたからわたしへ 大晦日の『サラバ』 

          5年前の大晦日。傷だらけの風呂に浸かりながら古本屋で買った『サラバ』中巻を読み始めた。いいところだから、と思っているうちに下巻に入り、話が盛り上がってきて、もう指先はブヨブヨだ。 気づいたら風呂の中で年を越しているではないか。 しだいに寒くなるので、さっきから、じゃーじゃーとお湯をたしている。 『サラバ』は下巻の中ほどから一気に展開がかわる。 人と違うことで注目を浴びるのが大好きで妖気的な姉、貴子が、結婚してアメリカから帰国してみちがえた。 これまでの姉はいつも異様

          あなたからわたしへ 大晦日の『サラバ』 

          昭和ノスタルジーってどうなの?? 熱海でもやもや考えた

          熱海に初めて一泊してみて、ざわざわとした複雑な気持ちで帰宅した。 海岸線をびっしり埋め尽くすようなビルやホテルの密集ぶりや、手入れされていない老朽化した建物をみて、正直、胸糞悪くなった。 ここを昭和レトロだと楽しむ人も多いようだが、そんな気持ちになれない。 私には、無防備で優しい温泉地だった場所が、でっかい昭和の圧に押しつぶされているような気がしてイライラした。若者たちがそぞろ歩きをしている。どのあたりが面白いと思っているのかしら。 谷崎潤一郎の『台所太平記』に物静か

          昭和ノスタルジーってどうなの?? 熱海でもやもや考えた

          『食べごしらえ おままごと』 『肉とすっぽん』 〜食の本紹介〜

          近所にできた「みんなでつくる本とアートの実験室」ラムリアにて、シェア本棚を一つ借りるようになったのは2ヶ月前のこと。食関係の本を集めようと決めて、100冊の本を紹介することをとりあえずのゴールに設定しました。フェイスブックからNOTEに場所を移して、4冊目からスタートです。 4、『食べごしらえ おままごと』 石牟礼道子著ひな祭り、菖蒲の節句(端午の節句)、七夕祭りに正月。そのたびに家族や地域の人たちで食卓を囲んできた。 石牟礼道子さんが幼少期をすごした水俣での暮らしを食の

          『食べごしらえ おままごと』 『肉とすっぽん』 〜食の本紹介〜

          日曜日は不安だらけ

          10歳くらいの頃。日曜日は不安だらけだった。 食卓の上の、手付かずの炒飯。母が作ったお皿はもう冷めていて誰も食べていないままだ。私も食欲がない。 長引く梅雨のように、部屋には空気が滞っていいる。 無事に1日が終わるのだろうか。 これから家族で買い出しにいく。ダイクマとスーパーへ週末の買い溜めをしに。 ダイクマは今でいうドンキホーテのような雑多な安売りの店だ。ダンボールが積んであって、1番上の箱を開けて商品がてんこ盛りになっている。 靴、服、カバンなどから、新品のゴ

          日曜日は不安だらけ

          トンボの逆立ち 1匹の最期を看取った話

          真夏のある日、一匹のトンボをお見送りした。最後に見た姿が記憶に残って忘れられない。 地元の商店街で小さな場を運営している。通りの側の軒先スペースを人に貸し出している。かっこつけて言うとPOPUPSHOPというやつで、パンや菓子や商品のサンプル配布やら、占いやら色々な目的の人が来てくれる。 中には繰り返し使ってくれる人もいて、何度も話すうちに、人となりがわかって親しくなってくる。 その日は親しい利用者さんの一人であり、占いのAさんが来ていた。彼女は軒先でお客さんが来るのを

          トンボの逆立ち 1匹の最期を看取った話

          みんな、みんな、って言うなよ あるライブで感じた寂しさについて

          先日、サブスクで聴いて好きになったバンドのライブに行った。20代のバンドで繊細さと清々しさと若さが混ざっている。何度か聞いているうちに実物を見たくなった。spotifyで何度も聞いてこの日を楽しみにしていた。 でも、残念。 ただ音源を聴いているだけの方がよかった。 行って後悔した、というよりも、いいなと思っていたのにこれ以上は好きになれないことがはっきりして寂しかった。 恋のようだ。フィーリングが合うかもと思ってときめいていたのに、実物に会ったらシャッターが降りる。テ

          みんな、みんな、って言うなよ あるライブで感じた寂しさについて

          品とは何か 『コルシカ書店の仲間たち』を読んで考えたこと

          母の口癖は「品のない人にはなるな」だった。小さい頃、よく言って聞かされた。 しかし「品のない人」の定義を教えてくれない。どこで地雷を踏むかわからないのは怖い。ご飯をがっついて食べない、とか、なるべくスニーカーを履かない、とか、いくこと名前で呼ばないで必ず「私」というなど、その時々で暗黙のものがあった。 しかし、そんなことはしょせん気取ってるだけじゃないかと思い始めた。次第に母の言葉を意識しなくても生きられる年齢になり、問い自体をすっかり忘れていた。 それなのに、先日、ふ

          品とは何か 『コルシカ書店の仲間たち』を読んで考えたこと

          高山君の一撃 今もきえない葛藤の正体

          今もふとした瞬間にもたげる葛藤は、さかのぼると12、13歳の頃から始まっていて、多感の頃に経験したことは一生ついて回るのだなぁと思う。私が内省を好むのも、葛藤を常に抱えているからだろう。 ※ 小学校を卒業する直前、高山君にふられた。 高山君はところどころに美意識を感じさせる感性が豊かな子で、ととのった顔に身長は高く、運動神経も抜群で、平民にまぎれて一人だけ貴族のような存在だった。 彼が小2の誕生日会に群青色のおはじきのようなガラス玉をくれてから、一途に思い続けた。

          高山君の一撃 今もきえない葛藤の正体

          起きるのではなく、起こされる

          2月、亀のメメの姿を見なくなった。水槽のそばでおーいと呼びかけても、岩の中にいて出てこない。 おい、死んだか、と言って岩を持ち上げてみると、驚いて、かたまっている。熱を自分で作り出せない亀が寒さをしのいでそこにいるとわかっていても、ほとんど動かない姿は寂しいものだ。 岩は新しく買ったばかりで、おっかなびっくり登ったり降りたりする姿が可愛いかった。そんな姿をもっとみていたかった。それなのに、全く穴から出てこなくなるとは、、、。 ある時、晴れた日に水換えをするために水槽をベ

          起きるのではなく、起こされる

          心のかたち 尾道の隠れた本屋「紙片」でのこと

          初めて訪ねた広島県の尾道は、とりとめもなく不思議な街だった。この街で迷子になったらそのまま違う世界に入り込んでしまいそう。 行く前に、尾道が舞台の『転校生』という映画をみた。幼馴染の男女が神社の石段で転げ落ちたら人格が入れ替わって、その瞬間から一男が一美になり、一美が一男になる映画だった。そういう奇想天外な物語も似合う気がする。ごく日常から別の場所へとワープしてしまいそうな浮遊感がある。 尾道水道という場所がある。水道と聞いても、蛇口をひねる上水道しか知らないので、想像が

          心のかたち 尾道の隠れた本屋「紙片」でのこと