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TikTokの教科書~世界的変化と日本市場での変化編~


今回は、TikTokをアプリとして知っていても人気が出てきている背景や世界的に起こっている潮流を理解することでこれからのTikTok、引いては動画市場を理解していくためのnoteを書いていこうと思います。

TikTokを知っている人も、まだまだ素人という人にも分かりやすく書いていますのでどうぞ読み進めてください!(※情報は、全て2019/03/04現在のもの)

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このnoteで伝えたいこと

■5GとTikTokの関係性
■ByteDanceのポテンシャルとこれからの展開予想
■TikTokの企業提携、広告事情、最新情報

■これから予想される動画市場全体の動きとTikTokの可能性

【1】 5Gとは

まず、理解しておくべき社会変化としては5Gという時代の変化があります。

5Gというキーワードは、日常的に耳にするものですが深く理解している人は少なくなっています。簡単にいうと、今の時代(4G)がスポーツカーで、5Gになると一気に飛行機まで進化するという感覚です。(以下便宜上、上記の図に即して説明)

何が変わるのかというと、①スピード②容量の2つが大幅に変化すると思っておけば理解しやすいかと思います。これまでも、車からスピードカーに一気にスピードが変化していましたが、スピードカーから飛行機への変化が5Gでは、起こるのでこれまでの変化とは比にならない進化になります。

容量に関しても、車に載せられる容量とジャンボ機に載せられる容量を考えると理解が進むと思います。

また、スピードや容量だけではなく4つの特徴も兼ね備えています。簡単に1つずつ紹介していこうと思います。


①超高速

これは先ほどの、特徴でも書いたようにこれまでのデータ送信のスピードとは比にならないスピードを5Gでは実現できるようになります。この特徴が持たらす恩恵としては、大容量の映像やVRなど遅れながらの配信であったものをライブで届けることが可能になります。

②超大容量

高速と少し被りますが、4Gと比較するとかなり多くのデータを送信することができるようになります。大容量で、データを送れるようになるメリットとしては、1回のデータ送信で対応できるデバイスの数が格段に上がることを意味します。

例えば、家に何十個もIot機器を設置していてもこれまではデータ送信量の関係で、同時に3つまでしか利用できなかったものを同時に30個利用できるようになるということ意味しています。データ送信量の増幅で、一度に様々なデバイスを利用して、そのデバイスの掛け合わせも可能になります。

③超大量接続

この特徴は、まさに先ほどの大容量の話にもあった一度にたくさんの機器とデータを送り合えるということを意味しています。一番イメージしやすいのは、Wifiでの活用方法です。これまでは、1つのルーターに対して10個までだったものが100個に進化するという感覚です。大量接続できることで様々な可能性が広がります。

④超低遅延

最後に、遅延に関してです。日常生活の中で活用される例としては、自動運転が挙げられます。自動運転には、瞬時の判断とデータのやりとりが必要になりますが、そのやりとりの遅延をなくす効果が5Gには見込まれています。人間が、反射的に反応するかの様な自動運転の反応が5Gによって実現されます。

この変化を踏まえてデータを大量に扱う動画市場は盛り上がりをみしています。例えば、これまで紙媒体が主流であった広告は、動画に移り変わったり、莫大なデータをスマホにも送れる様になることでスマホで見れる高画質な広告やコンテンツを提供している会社も出てきています。(※下図参照)

世界的な変化を知ることで、なぜ動画市場が盛り上がっているのかを深く理解することができます。


【2】 ByteDanceとは

次に、TikTokを運営している運営会社ByteDanceについてです。

ByteDanceは、ユニコーン(未上場で時価総額10ドル越え)企業ランキングで堂々世界1位となっています。世界的にも、有名なUberやAinbnb、また中国のDidiなどを抑えながらの1位なのでその実力とポテンシャルは、明らかです。ちなみに、日本ユニコーンは1社とのことでまだまだやれると心では思っています(笑)

日本では、TikTokで一躍有名になりましたが、実は他にもサービスを展開しており日本では「Top Buzz」なども有名ではないでしょうか。また、musical.lyなどの立ち上げ話は非常に面白いでの気になる方は下記のブログをご覧ください。


AIによるByteDanceの可能性

一見すると、ニューズアプリや動画アプリなど共通点がない様なサービスを展開しているByteDanceですが、裏側ではどのアプリも共通してAIを利用しています。その根源的思想は、ByteDanceの理念からも読み取れます。

”私たちの機械学習テクノロジーは、コンテンツを楽しむための最高のプラットフォームを実現します。目指すのは、言葉や文化・国境を越えて人々に情報をとどけ、喜びとインスピレーションが生まれる場を作ることです。”
-HP引用

「Top Buzz」では、機械学習アルゴリズムでユーザーに合ったコンテンツを提供していたり、「Toutiao(頭条)」では、機械学習と深層学習アルゴリズムを提供しています。

またこれらのサービスを通して得た機械学習・深層学習アルゴリズムの技術は、TikTokにも応用されており、ユーザーの視聴・投稿情報をもとにしたコンテンツのレコメンド、体の動きの認識などにAI技術を使っています

TikTokで、使えば使うほどそのユーザーに合わせたタイムラインが構築されていくという現象はこのAIによる徹底的な分析によって成り立っています。

「Toutiao(頭条)」を実際に利用している中国在住の方に、ヒアリングしたところ、その正確性やリコメンドの趣味思考への合致性は、他ニュースアプリの比にならないくらいすごいとのことでした。

そして、AI技術の特許取得についても積極的で中国、米国および欧州の特許認可期間によって多数の特許を取得しています。分野としては、マシーン・ビジョン、画像処理、モバイル・インターネット、マルチメディア・インタラクティビティ、ビッグデータ分析、データの保存と圧縮、オーディオとビデオの処理、自然言語処理など多種多様に及んでいます

自社で、AI開発のLabを持っていることもあり今後ByteDanceはtoCのサービス以外にもtoB領域、はたまた政府系のライフラインの裏側を支える企業になっている可能性もあります

【3】 TikTok情報

あんな企業とも!数多くの分野の企業との連携

TikTokの情報についてですが、まず注目したいのがByteDance以外の会社との関係性です。ByteDanceには、ソフトバンクビジョンファンドが出資しています。その関係もあり、ソフトバンク動画SNS放題のラインナップにLINE、Twitter、Instagramなどと共に入っています

日本の三大キャリアの1つソフトバンクの後ろ盾を得られているという事実は、今後日本展開を進めていく上でかなり強いカードの一枚になります。

また、卓球のTリーグともコラボしておりスポーツ業界にもTikTokは進出しています。Tリーグのアカウントでは、選手名鑑をTikTokで投稿しわかりやすく親しみやすい戦略をとっています。

また、試合の実況や選手の裏側なども投稿しており面白いアカウント活用だと思います。卓球以外にも、バスケやスノボなどストリート系のスポーツとの相性はよく、動画も目にする機会が増えてきました


企業広告のバリエーションが大幅に増加!ライフスタイルSNSに

上記の図に記載して通り、エンタメ業界から通信会社まで様々な企業とタイアップしています。多くの分野の企業との広告が意味することは、リップシンクとして認知されていたTikTokがライフスタイルに浸透した新しいSNSとしての認識が日本でも広がっていることを意味しています

また、オプトなど広告代理店でもTikTokでの広告代理店としての役割を担うようなプレスを出していたりとTikTokに関わる広告や動画コンサルなどの業態もこれから盛り上がる領域です。


いいことばかりではない!?安全面でのTikTok

現在は、そこまで日本では大きな問題として取り上げられていませんがTikTokのサービスが開始されている国々には、TikTokが発端として起こった事件や事故などの例も報道されています。

利用するユーザーの年齢層が低いことから、いわゆる出会い系の様な使い方をする様な事例やいいねを得たいがために露出が増えてしまい不適切なコンテンツとなってしまう様な事例も起きています。

日本では、バカッターならぬバカトッカー(造語)が現れてきており、線路内でダンスする動画を撮影し炎上するという事件もありました。

運営側の対策としては、TikTokドリルと言われるコンテンツをTikTok内で配信し、リテラシーを高めたり、どの様な使い方が適切なのかを楽しく学べる様なコンテンツを提供しています。

また、Wantedlyの募集面でも不適切コンテンツを排除する目的からコンテンツの監視を担当する社員やインターンを募集するなどの対策が見られました。拡大する上で、避けては通れないコンプライアンスや安全面、コミュニティの健全化という対策にも素早く対応し、致命的な問題とならない様な対応をしていると感じます。


【4】 これからの可能性について

これからのTikTokの可能性については、大きく4つあります。

①AIによるカスタマイズ

ByteDanceの可能性についてでも述べましたが、AIによるカスタマイズは今後より加速していくと考えられます。機械学習の命でもあるデータの蓄積は年数を重ねるごとに増えていき、今後より精度の高いリコメンドや認識精度の向上が見込まれます

顔や体型に一番合った動画の作成や類似の趣味嗜好を持った人たちのコミュニティ作成など広がり方は、無限大に広がります。

②データカンパニーへの変化

SNSでユーザー数が伸び続けることで、多くの分野のデータを収集することができるようになります。年齢や性別、居住地域など別に広告への反応率を収集できるようになったり、世代別での流行を作ることも可能になります。

Googleなどが無料でプラットフォームを提供し、データや広告で稼ぐようなビジネスモデルも成り立たせることが将来的には可能になるということです。

③TikTok周辺サービスの拡大

周辺サービスの誕生は、最近でもありますがその動きがより活発になることが予想されます。TikTok動画コンサルや広告代理店の誕生はもちろんのこと、TikTokモデルや事務所なども乱立することが予想されます。

また、撮影機材やドローンなどコンテンツの質を上げるために必要な機材なども製造・販売増加すると考えられます。

④EC/SNS/検索エンジンへの可能性

そして、最後にEC/SNS/検索エンジンへの可能性があげられます。Instagramでおしゃれなカフェを探すようにTikTokでカフェを探したり、動画で踊っている人の服をワンタッチで購入したりなど多くのサービスをTikTok内で内包することが可能です。

実際、こうみくさんのnoteでも書かれているように中国ではECサイトへの遷移などは実装済みです。今後この実装が日本でも進めば、ググるという言葉がGoogleで検索することのように、Tikるという言葉がTikTokで購入や検索することを意味する言葉として浸透することは近いかもしれません


最後に

サービスの栄枯盛衰は、より活発になり予想がつかないものになってきました。しかし、逆に波を事前に予知し逆張りをできる企業や個人こそがこれからの時代の主人公になれる可能性を秘めていると思います。

TikTokが今後どのような変化をしていくのか、どのような成長を遂げるのかを予想する際にこのnoteが少しでも参考になれば嬉しいです。

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