ステ配信分考察

2020/6/1 元々ふせったーに投稿していたものの転載。

ステを一応維伝まで見たネタバレ考察。

注意:とても長い

 4月に刀剣乱舞を始め、初日に三日月宗近と出会い、dアニメで活撃と花丸、そしてミュを一気に体験した審神者です。
 ステはDMMで高額レンタルか円盤しか無いと聞き悲しんでいたところに突然の無料配信!見るしか無い!と見始め、維伝が無料配信が無かったのでキレてレンタルしました。

 兎も角、一気にステを見た人の感想と考察。
台詞引用とかしてますが、1度しか見てないためうろ覚えです。間違えててもニュアンスで察してください。

・そもそもステ刀剣世界での時間遡行とは?

 他の刀剣世界がどうかは知りませんが、ステではこういったものを想定していると思われます。本丸がある世界線の過去のある一点を遡行軍が変えようとしている。それを刀剣男士が防ぐ。
 これに関しては長らく「恐らく」の域を出ませんでしたが、維伝で南海先生が言っていたからほぼ確定。
 歴史が修正されなかった場合はそこから枝分かれ式に並行世界が生まれるものの、刀剣男士が何度も遡行し修正出来るまで戦うため、実際には消失するか存在が曖昧なため放棄されているようです。

・ステ本丸の時間軸

 これは確認程度なのでスルー。


・ステ本丸のループ

 これが恐らく多くの考察厨審神者を悩ませている原因かと。
 私の解釈ではこうなっています。

 虚伝再演~如伝までは一本の流れですが、悲伝を分けたのは「骨喰籐四郎の役者が違う」からです。同様に鶴丸国永の役者が違う虚伝初演と虚伝再演も違うループとして捉えます。

 まず虚伝初演を1巡目にした理由ですが、
①鶴丸国永が他とは違い染谷俊之さんである
②三日月が山姥切との会話で「無事に帰ってきたでは無いか」(再演は「無事に帰還したと聞いているぞ」)
③三日月が笑っている(他の公演では笑い声は上げても決して笑っていない)
④三日月の声のトーンが高い(他の公演では明らかに低い)
の4点です。
 鶴丸国永に関してはあとでまとめて考察します。
 一巡目では三日月は特異点では無いため、通常の方法では本丸は襲撃されません。なのでここでのループ起点が何であったのか、語られないことには私たちにしる術はありません。残念。

 兎も角、これでループが始まり、三日月は本丸の消失の未来を回避するために何度も時を巡り、奔走することになります。

 そしてn巡目で虚伝再演~如伝までの物語が紡がれます。
 このループでは三日月はもう特異点であるため、悲伝同様本丸襲撃が起こります。そして鵺を切り捨ててしまったか、はたまた単純に戦力が足りなかったのか――本丸は消失してしまい、三日月宗近顕現まで戻ります。


 そして訪れた?巡目。終わりのループです。
 このループではそれまでとは違う骨喰籐四郎が顕現しています。
 
 最初は序伝で本当は折れた山伏を如伝で骨喰が救ってしまったことが時間の矛盾を生み、本丸消失に繋がったのかな?と漠然と考えていたのですが、慈伝で山伏が無事であることから違うと分かりました。
 骨喰の差とループ分岐の関わりはイマイチ分かりませんが、演者が違うことに意味があるなら、円環を脱出するために必要だった骨喰はこちらだと思われます。
 そして悲伝が起き、三日月宗近の消失によって円環は終わりを告げます。

 悲伝で語られる本丸襲撃の最中、三日月は鵺と共に消えます。あれは恐らく三日月も初めて取った行動。三日月という存在が本丸にある限り敵方から観測され襲撃される、それが分かっていて尚且つ鵺の「歴史を変える」という強い想いに自らも共鳴したからこそ、鵺を利用すれば本丸消失の未来を変えられる(円環からの脱出)のではないか?と思ったのでしょう。そして実際、三日月が本丸を離れることにより、円環は終わりの始まりを迎えます。

 ただあのエンドからするに、三日月自身はまた、閉じた円環の中で一から始めるのだろう……。


・鳥太刀の謎

 悲伝を見ていて小烏丸が三日月同様まるで円環を全て見ていたかのような物言いをします。それに三日月も「肩の荷が下りた」と返す。どういうことだ。
 最初は天下五剣というくくりかと思っていたんですが、フォロワーが「烏は鳥だから俯瞰している?」と呟いたことでピーンときました。
 ステの中で円環を明言した三日月宗近。全て知っているような発言をする小烏丸。周りを掻き乱しながらも一歩引いた態度で先を見たかのような発言をする鶴丸国永。大包平の話しかしないにも関わらず、まるで世界を理解しているかのような発言をする鶯丸。
 「分かったかのような発言」をする刀は全て鳥の名を冠した太刀であり、三日月宗近(これも太刀)を含めると全て「天に存在するものの名を冠している」のです。

 天にあるからループも俯瞰して見ることが出来る……つまり記憶を保持したまま次のループに入れる。
 また小烏丸の発言からすると、多少歴史や次元に干渉する能力もあるようです。

 また冠する鳥には生と死を併せ持つ意味があります。
○烏
日本神話に登場する神の使い八咫烏。神の使いであると同時に神でもある。一方で腐肉を漁る姿から死の使い、死の鳥とも言われる。太陽を司る。

○鶴
長寿なことから縁起物として有名。中国では仙界に住む天の鳥。鳴き声がよく響くことから天に声を届ける役割があるとされ、天と地を繋ぐものとされる。

○鶯
春(生命の始まり)を告げる鳥。その鳴き声が「法、法華経」に聞こえることから、経読鳥とも言われる霊鳥である。

 死後の世界が何処にあるのか論ではありますが、烏はそのまま神であり死を司り、鶴は天に住むことから神(死)に近しく、鶯は春を告げ経を読み人を看取る、と考えられます。

そして月はかぐや姫でも有名な「異人の住む土地」です。この異人は異形でも神でも何でもいいです。三日月もまた、鳥太刀同様生と死を内包していると言えるでしょう。
【追記】そもそも月は満ち欠けするので生命の始まりから終わりまでの円環を表すんですよね。こんな当たり前のことを忘れていました。円環そのものである月が円環から脱出することは可能なのか?ということですよ。


 ただこの鳥太刀たちのループ内での行動はそれぞれ違います。
○小烏丸:真実を見付けるため、あえて傍観に徹する
○鶴丸国永:破滅の世界を受け入れてしまった為傍観する。※ただし三日月の行く末は面白そうだから見たい
○鶯丸:本丸は気にならないでは無いが、そんなことより大包平だと傍観する
 このあり方の違いが三日月宗近という刀の最期を看取ることが出来るか、ということに繋がります。
 諦めてしまった鶴と大包平を選んでしまった鶯には、本丸を守りたいただそれだけの思いで歴史を繰り返してきた三日月の最期を看取る権利はないのです。
 それにしても看取りたいのに看取れない鶴丸国永、自業自得である。


・時鳥の謎
 そしてもうひとつ存在する鳥、それは時鳥です。
 最初は鵺(これも夜の鳥)と呼ばれており、作中で語られた通り時間遡行とループを繰り返し練度を上げていった謎の刀。その為三日月同様特異点と化してしまっています。

 そして本丸襲撃後(円環脱出1歩目)、義輝様に「時鳥」と名付けられます。
 ホトトギスは作中で言われた「不如帰:帰る場所が無い鳥」という意味の他にも、血を吐く為に口の中が常に赤い鳥(結核に冒された正岡子規の名前の由来)や、蜀帝の死後魂がホトトギスになったという伝説から蜀魂とも書かれます。どちらかというと死に近しい意味を持つ鳥です。
 またホトトギスは托卵なので、物理的に帰る巣が無い鳥でもあります。どうしてそんな名前を付けちゃったんだ義輝様……最期時鳥は義輝様のところには帰れない……。
 兎も角、名付けによって(名付けは生まれて最初にされる呪いとも言われる)義輝様の時代に固定され、恐らく特異点でなくなってしまった。
 三日月が鵺を見逃し続けたのは鵺の存在を利用してループを断ち切るためでしたが、この「名付け」が円環脱出への足がかりになったのは間違いないと思います。

・近侍:山姥切国広

 明らかに初期刀の中から選ばれた一振りで、最も長く本丸に居るから三日月に未来を託されたのだと思っていました。最初は。 初期刀の顔ぶれは加州清光、歌仙兼定、山姥切国広、蜂須賀虎徹、陸奥守吉行というのはご存じだと思いますが、いずれも刀としては比較的新しいものばかりです。古い刀が妖怪退治の伝説を持つ一方で、新しい刀達はもう世界に異形が存在しなくなった後に生まれており、そういった伝説を持ち合わせていません。

 しかしただ一振り、異形が消えた後に生まれながらも異形を斬った伝説を持つ刀がある。
 それが、山姥切国広。
 三日月は繰り返す世界の果てに、自信が怪物となり斬られなくてはならないことを理解していた。そしてそれは当然本丸の未来を支えるべき初期刀である筈だ。そして初期刀の中で怪物を斬ることが出来る刀はただ一振り。
 三日月が山姥切に思いを託したのは、先の重たい運命を予見していたから考えるのが妥当です。初期刀が山姥切ではない世界では、決してこの結末を迎えることは出来ないのでしょう。

 ちなみに悲伝公演を繰り返す中でだんだんと山姥切が三日月を圧すようになっていたらしいですね。あそこで三日月宗近が消失することが円環からの脱出の最後のピースとなります。

・二振りいる刀の差

 二振り存在するのは江雪左文字、骨喰籐四郎、鶴丸国永の3振りです。

○江雪左文字
 江雪に関しては考察材料が少なすぎるため一切不明です。個体差もそれほど無いようです。逆に何故二振り居るのか、今後分かるのかも知れませんが怖いね……。

○骨喰籐四郎
 ジョ伝(北川尚也)では三日月宗近知っており記憶が何度か蘇る一方、悲伝(三津谷亮)では三日月の記憶は無く、足利時代を思い出します。恐らくこの二振りの個体差はこれかと。ジョ伝の未来は籐四郎兄弟としての意識が強い北川骨喰の方が成功率が高いものの、悲伝のエンドを迎えるためには義輝の刀という意識が強い三津谷骨喰である必要があった……と考えるのが妥当です。


・鶴丸国永とは何者か

 鶴丸には虚伝初演染谷俊之鶴丸、虚伝再演健人鶴丸がいます。(以下、染鶴と健鶴)
 この二振りは明確に差があります。

染鶴:初演、維伝にのみ登場。狂気の行動で本丸も敵も掻き乱す。
健鶴:再演、義伝、悲伝、慈伝に登場。面白さのためにはありとあらゆることをするが、基本的には面倒見の良いお兄さん。

 同じ台詞な筈なのに、染鶴を見ているとこちらもおかしくなりそうなほど演技に差があります。おそらくこの差はわざと引き起こされているのでしょう。

 最初にも書いた通り、1巡目の鶴丸国永は染鶴です。見ているこっちが不安になる狂気度でSANチェック失敗し続けたような、むしろ失敗しても成功しても変化がなさそうです。兎も角根は良いお兄さんなのは共通ですが、狂気で本丸をかき回す役割を担っているとしか思えない行動、発言の数々が印象に残ります。

 そしてループが始まった時、最良のエンドを望む三日月にとってそれは邪魔以外の何者でもありません。しかも記憶保持しているために尚のこと。
 ここからは妄想ですが、仏の顔も3度までとばかりにそうそうに三日月自身の手で円環からはじき出されてしまった。だが鶴丸国永という刀なしでは歴史が変わる。
 そこで染鶴を本体とし、分体としてコミュニケーションを比較的円滑に行い、場をかき回さないもう一振りの鶴丸国永を生み出した――それが健鶴である。

 この説を確信するに至ったのは、完全にループを脱出した後である維伝が染鶴だからです。
 円環の中には健鶴、外には染鶴。
 つまり染鶴は円環の中には存在できないのではないか?
 慈伝に関してはまだ新刀ステ1章ということで、半円環の中くらいの感じでしょうか。
 維伝最初の「ここのところ出陣もご無沙汰だったんでな、体が鈍っていたところだ」も、そのままそういう意味でしょう。
 
 鶴丸国永とは本丸の滅びを受け入れてしまった刀です。だから三日月の足掻きを結果的に邪魔したりすることも行ってしまう(三日月の驚いた顔が見たい)。
 だからこそ同存在でありながら別個体の「ただ滅びまでの歴史を観察するだけ」の鶴丸国永を必要としたのではないか、と考えています。

【追記】染鶴が三日月にとって障碍だから排除された。だから二振り存在する。ならば、他の二振り目も三日月の望む未来への障害になったから排除されたか折られたかした……と考えると中々納得。骨喰は悲伝で円環の外に出るにはどうしても三津谷骨喰である必要があった。だから北川骨喰は排除されてしまった。江雪兄様は……分からないですが、鶴丸辺りを排除しているのを見られて「和睦!」とか言って喧嘩?したんじゃ無いですかね(適当)。鶴丸国永が二振り目になるのと同時に江雪も二振り目になるので、時間順的にはこれが妥当ではあります。(でもこれ無理があるよね)

・維伝以降

 ※維伝に関してはまだ情報が少なすぎるため考察できていません。
 無事円環を脱出した本丸ですが、鶴丸や小烏丸は三日月を探すことはやめていません。
 そして三日月はまだ円環の中に存在している(らしい)。
 この本丸の刀剣男士達が三日月宗近に再び出会えるまでの物語を是非ともみてみたいと思います。

 でも円環終わったからって並行時間軸の話になるの、また重たいですよ……。

長々とお付き合いありがとうございました!  

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