稲葉江実装所感

2022/04/25/18:00に稲葉江の実装が発表されました。

 当方はステ、ミュは2020年までに配信されたものは見ておりますが、あまり肌に合わず、結局は原作ゲームをちまちまやっていた審神者です。
 今まで江の実装の仕方に疑問を覚えつつも、
・ギリギリ原作ゲーム内で先行実装である
・原作ゲームでギリギリ先に情報が出される

という2点で「まあいっか」と自分をなだめてきていました。


大侵攻と稲葉江実装の問題点

 稲葉江に関しては2021年の刀ミュ「東京心覚」で存在が出ていたらしく(これも私は2022年4月25日に知りました)、何故かTLでは稲葉江がどのようなキャラ付けが成されているか、把握されている方がたくさんいらしゃいました。
【追記】篭手切江から「先輩」と呼ばれる稲葉江(らしき刀)の初出は2019年「葵咲本紀」であると教えていただきました。葵咲自体は結構好きな話であり、あの時の刀かぁ……と私も非常に複雑な気持ちになりました。こんな気持ちになりたくなかったです。

 先に述べたとおり、あくまで刀剣乱舞は「原作ゲーム」であり、舞台やアニメ、漫画は全て「メディアミックス」であり、追わなくても良いものです。
 メディアミックスでは原作ゲームで登場していたキャラクター達の別の顔や、原作ゲームで書き切れなかったこと、ものを表現することが出来、どちらも楽しむことも出来ます。しかしメディアミックスに一切触れなくても、当然ストーリーはきちんと完結し、終わることが可能です。

 しかし大侵攻、稲葉江の実装と立て続けに「原作ゲームだけをやっていた人にとって、メディアミックス先から逆輸入される形で本家ゲームに実装されたキャラ、設定」をお出しされました。
 確かに設定として大侵攻は初期からあったのかも知れませんが、三日月や初期刀の関係などはゲーム本編内では一切触れられておらず、突然沸いて出た形です。
 しかもそれはメディアミックスでは「いつもの設定」としてお出しされていたものでした。

 それは矢張りゲームしかやっていない人にとって「逆輸入」以外の何者でもないのです。
※これに関してはザレゴトさん(@zarezare_Diego)の大侵攻ついての意見がまとまっていて非常に分かりやすいため、リンクを貼らせていただきます。(許可済み)→1 2 3

 そして今回の稲葉江に関しても、同じことが言えます。

 次の江は誰だろう?とわくわくしていたゲームしかやってない人たちは、稲葉江を見ても「新しい子だ、どんな子かな?」と思います。
 しかし該当のミュージカルを見ていた方だけは「あ、知ってる!あの時言っていた子だね!」となるわけです。
 今回は前回と違い、明らかに逆輸入の形です。

 刀剣乱舞は好きだけど、ステやミュはどうしても肌に合わないと見ていなかった人たちにとって、これは「原作ゲーム」という存在を根幹からひっくり返す形です。最早原作ゲームは原作ですらないものだったのですから。

 この件に関し、「江のキャラクター(性格など)造形はミュの脚本家じゃないの?」という意見を見ましたが、そんなことは関係無いです。
 誰が造形を担当していたとしても、原作ゲームで最初に出すべきものであり、また外部から先に漏れないように管理するのが運営の仕事です。


この先の刀剣乱舞に考えられること

 この先刀剣乱舞というゲームがどうなるのかは分かりませんが、最近のこういった後出しじゃんけん的な「メディアミックスからの逆輸入現象」の多発を考えると、恐らく全員がメディアミックスまで追っている前提で「包括的な刀剣乱舞ワールド」をお出ししてくるのではないかと思います。
 それはつまり、「これはミュやステ、漫画やアニメでお出しした情報だから、皆知ってる。だからゲームで何の説明もなく出すよ」という理不尽がまかり通ることです。

 そうなってくると、ゲームだけやっている人は非常に苦しいです。
 例えミュやステが嫌いでは無い方でも、こういった形で「原作」を蔑ろにされて平気では無い方もいらっしゃることでしょう。
 どちらにせよ、これまでゲームがストーリー性が希薄故に「自分の本丸」として楽しむことが出来、メディアミックスが「どこか別の本丸」として追っても追わなくても一切ゲームの進行に関係が無かった、あの状態は戻ってきません。
 メディアミックスを追っているものだけが運営の欲しいユーザーであり、他のユーザーは要りません、と言われているとも言えます。

 結局の所、刀剣乱舞が果たして正しく原作ゲームであるのか?という点が議論の中心になると思います。
 嫌なら見るな、はもう通用しない可能性もあります。嫌でも見ないと、ゲームに置いて行かれる――そういうことだって十分考えられます。


最後に

 今後どうなっていくかは注視していく必要がありますが、おかしいと思ったことを言うこと、議論することは大事です。
 言論統制(某タグのようなもの)はコンテンツの衰退をもたらします。良いところは良いところとして認め、また同じように悪いところは悪いところとして認め、改善していくコンテンツだけが発展していきます。
 私は刀剣乱舞にそういったコンテンツになって貰いたいし、ここまで読んでくださった皆様も同じだと考えます。

 それぞれ意見があり、私と違っても構いません。
 私と意見が違ったからと言って、口をつぐめと言うつもりもありません。

 ただ、多くの人がおかしいと思い、理由を考え、どうしたらいいのか考えている、その事実と、それらの意見を消そうとしないで欲しい、そう願います。

 あなたの愛したキャラは悪くないのです。あなたが愛したことも悪くないのです。どうかご自身の好きを、好きであった事実を、大切になさってください。
 またこれから生まれるであろうキャラ(今回の稲葉江含め)もまた、彼ら自身に落ち度や責任があるわけではありません。ましてやオリジナルとなっている刀はどれも素晴らしいものなのです。
 ですから、該当キャラを好きだと言っている人、好きだった人のことも大切にしていただきたいと願います。






悪いのは運営だよ(最後の本音)。
2022/4/26追記




【追記】ボイス・イラストについて(※ネタバレ注意)

 稲葉江が実装され、入手した方がボイスやイラストを次々と公開され始めました。
 私はネタバレ気にもしない人間なので、さっさと確認いたしましたが、自分の目で見るまでは、と言う方はここは見ずにブラウザを閉じていただきたいです。


葵咲本紀のあの刀

 さて、逆輸入論争を引き起こした稲葉江ですが、姿(立ち絵)自体は全員が初見でした。なぜならミュでお出しされた稲葉江らしき刀は遡行軍寄りだったためです。
 これに関してRT先で「私たちミュを見てた人間だって初めましてだわ」という感じの意見を拝見し、確かにその通りだと反省いたしました。
 例え存在がほのめかされていたとしても、姿形は見たこと無いのですから、初めまして、という気持ちも正しいと思いました。ゲーム勢が知らない「稲さん」という存在を先に知っていたという事実に目をつぶれば、ですが。

 兎も角姿だけは全員初見だからいいよね、と思っていた矢先、先人達から稲葉江の真剣必殺のイラストが出されました。わあ、格好いい。
 と思って最初は見たのですが、真剣必殺の姿を、確かに私はどこかでみたことあったのです。友達が言っていました。あれは、「葵咲での稲葉江(らしき刀)の姿だ」と。

 葵咲本紀での稲葉江(らしき刀)のお姿は、Twitter等で「#葵咲本紀」で調べたらヒットするかと思います。権利等々の関係で引用はいたしませんが、気になる方は是非その目でご確認ください。
 更に絵を描く私が気になったのが、葵咲本紀での稲葉江(らしき刀)の衣装です。勿論全然違うのですが、インナーの作りが稲葉江と全く同じでした。具体的に言うと、インナーの色が変わっている(生地が変わっている)切り替え方が全く同じでした。(左肩から右胸にかけての切り替え)

 葵咲本紀本編ではどうしても動いている役者さんですから、髪型も動きに合わせてそれなりに変化します。しかも舞台ですから、見る角度によってかなり見え方は違うことでしょう。それでも、左目が隠れていたことをご存じかと思います。
 そして問題の稲葉江真剣必殺イラストは、この髪型そのままでした。

 また、各種ボイスも葵咲本紀からの引用があり、明らかに運営が「2019年刀剣乱舞ミュージカル葵咲本紀」をベースにしていることが分かります。そして葵咲本紀で登場した江の中で未実装はたった一振りしかいません。

 この情報が出るまでは、まだ完全にミュに登場していたとは言えず、皆さんも多くご覧になったであろう「.5が先行とは言えない」という意見もまだ理解は出来ました。
 しかし今回衣装、髪型、そしてボイスと3点セットで葵咲本紀の稲葉江(らしき刀)を踏襲しています。最早「.5勢がゲーム勢同様何も知らなかった」とは絶対に言えません


結果として

 オリジナルの稲葉郷は、私にとって縁深く、とても好きな刀です。
その稲葉郷がこういうヘイトを集める状態になってしまったことが、本当に悲しくて仕方ありません。
 私自身は運営はダメだと割切って稲葉江を大事にしていこうと思っていますが、「オリジナルが好きだからこそ、こういう風にお出しされた刀が許せず、素直な目でもう二度と該当キャラクターを見ることは出来ない」という方の気持ちもよく分かるのです

 刀剣乱舞onlineは全ての刀剣乱舞の始まりであり、私たちユーザーにとって大切な「原作」でした。
 ですが、運営にとってはもう「金のなる木」でしかないのでしょう。――いえ、最初からそうだったのかも知れません。
 原作よりもメディアミックスを優先する――それがゲームを長年続けてきたユーザーへ、運営が行った仕打ちです。

 私は刀剣乱舞というゲームに課金しています。課金しなければ細々と困ることがあるからですし、課金しても良いと思ったからしたので後悔自体はありません。
 ですが、私自身刀剣乱舞という「ゲーム」が長く続いて欲しいと応援した結果がこれだったことに、虚無感を抱かなかったかと言えば嘘になります。

 今回このnoteを恐れ多くも多くの方に読んでいただき、様々な意見を拝見することが出来ました。私自身の視野の狭さを感じることもあり、大変学ばせていただいたと感じています。

 だからこそ、良いと思った方も、悪いと思った方も、声を上げて良いのです。

 どんなに小さな声でも良いのです。あなたが感じたことを伝える権利があるのです。
 そして一番重要なことですが、その意見が違ったからと言って、他者を攻撃しないでください。
 賛成意見も反対意見も大事な意見です。気に入らないならやめろ(.5勢なら.5だけ見てろという意味、ゲーム勢ならゲーム引退しろという意味)のようなことを言いたくなるのは気持ちとしては当然理解出来ますが、ここで言い争っても何の解決にもならないどころか、刀剣乱舞というジャンルを衰退させるだけです。私はなにより、これが一番恐ろしいです。
 気に入らない意見を見た、この人とは意見が合わないな、そう思った方はTwitterであればそっとブロックしてください。同じものを好きだからと言って、関わり合いになる必要は一切ないのです

 そして刀剣乱舞に少し冷めてしまった方。
 ログインのみでもいいですし、ログインしなくたっていいんです。
 ゲームの遊び方は人それぞれです。私自身多くのゲームで遊んでおり、刀剣乱舞をログインする暇も無い時期もありました。
 それでもいいのです。
 また、遊びたくなったら戻ってきてください。あなたの本丸は変わることなく、そこにあります。そして、そこからでも十分遊ぶことが可能なゲームです。

 これからも皆様が良き刀剣乱舞生活を送れるよう、祈っております。

 最後に、毎回キレッキレの文で問題点をまとめてくださっているザレゴトさん【@zarezare_Diego】が今回もキレッキレの文でまとめてくださっていたので、引用させていただきます。(許可済み)
 4月26日開催秘宝の里実装キャラについて


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?