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ドラマ『ハヤブサ消防団』リアルすぎる描写に脱帽 そして妄想が止まらない

ドラマ『ハヤブサ消防団』が終わった。

毎クール2〜3個は連続ドラマを見ている、どちらかと言えばドラマ好きの私。
私自身は、食べたものと出会った人と経験とエンタメで出来上がっていると自負しているので、自分の好みにあったドラマに出会うと、自身の生活にも影響する。
『晩酌の流儀』を見ていた頃は自炊率とお酒の量が増えたし、『FOLLOWERS』を見ていた頃は服をよく買っていた。
そして、今回は、このドラマの主人公が作家という影響で、若干noteの更新量が増えているし、この文体も影響をモロ受けしている。
(いつもの『ですます』調じゃない(笑))

作家ぶった文体はこれくらいにして、最終回まで終わって、どうしても吐き出さずにいられないことがあります。あくまで個人の感想ですが、お付き合いいただければ本望です🙇
(ネタバレあるよ)

■愛する人に究極の選択を押し付ける

まず1つ目は、最終回のクライマックスであるこのシーン。

聖女降臨の儀式に聖女として向かおうとする彩に、太郎が事実を突きつけ目を覚まさせようとする、最終話のクライマックスシーンです。

一見、ただ好きな人の目を覚まさせようとしているだけのように感じさせるのですが、よく考えると、彩に究極の二択を迫ってるんですよね。

一つは、聖女として、アビゲイルの『輪』の中で、仲間からの承認を受けながら生きていく。
もう一つは、罪を認めて犯罪者として裁きを受け、その後も前科者として生きていく。

ドラマではなく一人の人間として考えた場合、この二択では間違いなく前者を選ぶし、その方がラク。
そもそも、実社会で嫌なことをたくさんくらってアビゲイルに救われた彩にとっては、あとの方など選ぶわけがない。

…というのが今までだったのですが、太郎のことがアビゲイルと同じくらい大事な存在になってしまった彩の言葉を映子さんから聞いて、太郎は、自分がこれからの彩の人生も含めて守っていくという意志を持ち、それを彩に信頼させられるかどうかのシーンがあのクライマックスシーンなのです。

二人の間によほどの信頼関係がないとうまくいかない、ある意味プロポーズより難しいですね。

日本で新興宗教というと悪いイメージが先行しています。
しかし、『コミュニティ』という意味では、良い役割を示すのが宗教だそうです。
ある宗教では、全国にその教団があるため、転勤族の夫を持つ専業主婦の方などは、行く場所行く場所で教団の方が迎え入れることで、孤独になりにくいというのがあります。
悪質な宗教になると、あえて実社会で孤独にして、宗教からの逃げ場をなくさせたり、財産をとってそこでしか生きていけなくすることもありますが、新興宗教の中では、コミュニティとして良い効果を出しているものも多いです。

今回に関しては、殺人や放火などあきらかに悪いことをしている宗教ではありますが、実社会や自分の人生に黒いものがある人たちには実際救いになったのも確か。
現に省吾はアビゲイルを良いものとして捉えてました。

人は、自分が肯定しているものに対して相手が否定をすると、自分自身も否定された気分になります。
特に彩は次期聖女と言われ、最上級の承認を得ている状態でした。そこで愛する人から全否定されて、それでも事実を受け入れたとは、本当は強い人なんですね。

■もしアビゲイルがハヤブサを乗っ取っていたら…

アビゲイルがハヤブサを乗っ取って何をしたいのかは、本編ではあまり触れられていませんでした。
実質的指揮者である杉森も今後の話はのらりくらりしていましたし、私自身なぜここに来たのかという背景もわかってないので、これは妄想になってしまうのですが…。

おそらく杉森は八百万町にアビゲイル帝国をつくろうとしていたのではないかと。

経済学者でYouTubeでも人気の成田悠輔さんの著書『22世紀の民主主義』の中に
「これからは小さな村なら乗っ取って、自分たちの好きな『国』にするのも不可能ではない」という内容があります。

本書では、大人数を集めなくても、選挙で勝てる人数だけを集められたら良いとのことです。

八百万町隼地区は実在しない地区ですが、モデルだと言われている、岐阜県八百津町の人口は約1万1千人。
町長選を仮定して、有権者数9800人、2016年の投票率が69%なので、投票者数は約6800人。
なので、候補者2人で約3400人、3人で2267人以上で勝てます。
これだけの投票者が集まれば町議会も半数以上をアビゲイルの人たちにすることも可能で、実質乗っ取れます。

ドラマの中で、隼地区が約1000人に対し、ドラマ内の期間で300〜400人が移っていたので、3400人以上が集まるまでさほど時間はからないとか予想できます。

杉森は「ユートピアを作りたい」と言っていましたが、それができるのも夢ではなかったんですね。

■消防団が浸透しますように

はじめから最後まで消防団員が大活躍のこのドラマ。
田舎にしかないものだと思って調べてみたら、大きな街でもあるものなんですね。
ちなみに今は男女とも入れるようです。

最後はアベンジャーズのようになっていたハヤブサ消防団ほどではないにしろ、地域を守るために多少のプライベートの犠牲はつきものなので、地域の消防団員さんみなさんに感謝です。


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